マッドサイエンティスト令嬢は聖獣?を従える
主人公は悪役令嬢ではありますが、転生者ではありません。主人公は悪役令嬢らしく腐れ外道ですが、環境は関係ありません。生まれついての悪役令嬢です。
「この薬はこれくらいの投与でいいわね」
1人の女が実験台に薬を投与しようとしている。実験台は怯えた表情で懇願するが彼女は気にせず、薬を投与する。
「大丈夫よ。あなたのお陰で私は今、幸せだから!誰かを幸せにすればあなたも幸せになれる。」
「だからね・・・頑張って!!」
「楽しかったわ~。紅茶とセムラで英気を養おっと!」
女は実験を終えて、用済みになった実験台の処分をメイドに任せてからお茶と菓子でティータイムに入る。
彼女の名はナディラ・フルーリアス。テラーズ連合王国のフルーリアス公爵家の長女で天才を超えた天才と畏れられる程の頭脳と優れた容姿を持ち、剣も魔法も得意で射撃にも長けている、完全無欠の公爵令嬢である。・・・・・・性格以外は。
だが、困った事に彼女は人面獣心のマッドサイエンティストにして、環境は全く関係ない生まれた時から脳ミソが腐っている突然変異の腐れ外道である。どれくらい外道かと言うと、人を平気でモルモットにして人体実験の末に殺しても気にせず、涼しい顔で紅茶が飲めるくらい外道。しかも、危険の回避が異様に上手いから死ぬ気配が無い。しかも、人体実験にする対象も、死刑囚や貴族に無礼を働いた平民、この国では差別や迫害の対象になっている異民族を使っているので問題にはなっていない。
彼女は貴族だから、こういった非道も許されている。
とはいえ、同じ貴族ですら彼女の所業には恐怖したり軽蔑してる者も少なくない。
そのせいか、彼女は狂気の悪魔と呼ばれており、平民や他の貴族からも恐れられている。
ちなみに、平民相手でも多少の無礼は謝れば許すぐらいには気が長い一面もある。
彼女は平民を国に必要な存在と見なしていて、平民を搾取する対象として見ているが搾取するからこそそれなりに寛容な対応を心掛けている。領地の民から恐れられているが、民がそれなりにいい暮らしが出来る様に配慮しているので慕っている者が多い。ただし、彼女を嫌っている平民も一部存在しており、命を狙われる事もある。
ナディラは魔法と科学を研究するのが趣味の1つで、他はホストクラブに言ったり、お忍びで食べ歩きをしたり官能小説を読むのが趣味である。
人体実験するのも彼女が人間の肉体の構造を解析したり、人間の肉体を改造して、どこまで出来るか試す為でやっている。
「お嬢様、死体の片付け終わりました。」
「ん、ありがと」
メイドの1人が死んだ目で報告する。
「私は町に出るわ。領民の暮らしを見てどれくらい搾取できるか確かめなければ」
「了解しました。車をお出しします。」
「頼んだわ」
「今日も領民が平和に暮らしているわ~。ウンウン、民の暮らしが安定してると治安もいいしいいこと尽くめね」
彼女は車から領地を眺めて楽しそうにしている。
「明日はプシー族のいる強制収容所に行こうかしら。活きのいいプシー族の子供を何人か買い取りたいわねぇ」
ナディラは夕飯の献立を考えるのと同じ感覚でプシー族の強制収容所に行く予定を組み立てる。
プシー族とは東方の地を起源とする遊牧民族で、占いに行商や大道芸、家畜の売買などで生計を立てている。
ちなみに差別の対象とされており、テラーズ王国を初めとした様々な国で差別や迫害に遭っている。主に特定の施設への出入り禁止や商売の禁止、場合によってはプシー族というだけで捕まったり、暴行や略奪の目に合う。ひどければ強制的に追放されたり強制収容所行きやその場で殺される時もある。
教会などで保護されたりもするが、宗教関係者が率先して弾圧するケースも少なくない。
「プシー族に対する差別を生み出してくれた人には感謝してもしきれないわ。勿論、その命をもって私の役に立ってくれる便利なプシー族にも感謝しなきゃね。」
「後は、獣人種とか他の亜人種も買おうかしら」
プシー族の他にも獣人などの亜人種も差別されており、プシー族にも負けないぐらい迫害されたりしている。
亜人種が犯罪を犯した場合もプシー族と同様に、強制収容所に入れられる。
「エルガー、そろそろ帰るわよ」
「はい、分かりました。ナディラ様。」
エルガーと言われた男は車を家に走らせる。
エルガーはナディラが刑務所から買い取った死刑囚を使って作った改造人間で頑強な肉体や人並み外れた再生能力を持っている。ただし、その代償に数ヶ月しか生きられない。ナディラはエルガーをボディーガード兼助手として使っている。ちなみにエルガーは他にも何人もいて、今のエルガーは19人目である。他のエルガーは寿命が来てこの世にいない。だから正式な名前はエルガー19号である。
+++++
そんなナディラも学園を卒業する。
卒業パーティーの時に第一王子のディーンに宣言される。
「ナディラ・フルーリアス!貴様に婚約破棄を命じる!!」
「はぁ!?何をおっしゃっているのですか殿下!!てか、何で婚約破棄されなければならないんですか!!?」
「そんな物は決まっている!!貴様が男爵令嬢のマリア・ミュレールにいじめを働いたからだ!」
ディーンの隣には男爵令嬢のマリアがいる。
マリアは何か言いたげだ。
「待ってください殿下!私は彼女をいじめてはいません!そんな事をする時間があれば死刑囚で人体実験をしてますよ!」
「何を言うか!!お前を見る度にマリアは怯えているんだぞ!何かしたんだろ!」
「私は彼女に何もひどい事をしておりませんよ!!私はただ、彼女に以前、私に無礼を働いた平民を連座で一族郎党、投薬実験の末に殺した話をしただけですよ!」
「そんな話をして彼女を怖がらせるな!他にもまだあるだろ!」
「他は精々、私の所有物のプシー族の子供や、獣人を何人か秘密裏に逃がしたメイドの耳を切り落とした話をしただけです!」
「さっきから何とんでもない事を言っているんだお前は!!?」
ディーンは顔面蒼白な状態で叫ぶ。
「私の言っている事が変わっているでしょうか?」
「前々から思っていたが!いくら死刑囚だろうと、命を弄ぶのはやり過ぎだろうが!!それに無礼を働いたからといって一族全員を実験台にするのは可哀想だろ!それに差別の対象になっているからと言って奴隷にするのは許されんぞ!!!」
「その心配は無用ですよ。相手は死刑囚ですから我々貴族がどう扱っても罪には問われません。私に無礼を働いた平民も私を殺そうとしていたから仕方ありません。プシー族も亜人も強制収容所から引き取った奴ですから法的に許されています。」
「そうだが…!お前には人の心は無いのか!!?」
「ちゃんとありますよ!」
「ならメイドの耳を切り落としたりはしないだろうが!」
「そのメイドは私の所有物であるプシー族と獣人を逃がしたんですよ!しかも、2度もです!!最初の1回は大目に見ましたが再びやったから見せしめを兼ねて耳を切り落としたんです!まあ、彼女の甘っちょろさには個人的には好感が持てますが」
「お前は命を何だと思っているんだ!」
「私は命を尊い物だと理解しています。ですが、自分の欲望の為ならそんな尊い物をいくらでも餌食に出来るだけです。」
「そんな事を平気で出来る奴を世間一般では外道畜生と言うんだ!!」
「あの、殿下・・・」
マリアは恐る恐る割って入る。
「私はナディラ様からいじめられてはおりません」
「何だって!?それは本当かい!!?」
「はい…ただやっぱり私はナディラ様が怖いです。ナディラ様は私が家で獣人を保護してると話したら、楽しそうにメイドの耳を切り落とした話をしたので私は怖くて…それでナディラ様に怯えていたんです。そのメイドの耳で作ったアクセサリーを見せてきたりもしてきました。それから、ナディラ様平民で人体実験をしている映像を見せてきたりも…うぅ…おえっ」
人体実験の映像を見せられた事を思い出したマリアは口を抑えてえずく。
「実質いじめてるのと変わらないではないか!やっぱりお前は婚約破棄だ!!」
「とは言いますが、婚約破棄の話は王家と公爵家に事前に話を通しているんですか?」
「うぐっ…」
ナディラの言葉を聞いたディーンは言葉に詰まる。
「やっぱり事前に話を通してないんですね。まあ婚約破棄にはこれから考えましょう」
ナディラは踵を返そうとするが ──
「ディーン!!この馬鹿野郎!!!!」
国王がディーンを殴り飛ばした。
「私と公爵家に話を通さずに勝手に婚約破棄をするな!!」
「お許しください父上!お許しを…!」
ディーンは父の国王に許しを乞う。
「ナディラ!!」
ナディラの母のトラキーナはナディラに駆け寄る。
「お母様来ていたのですか」
ナディラの母のトラキーナは病弱で中々人前に姿を見せなかったが、ナディラの技術で作った薬で体調も良くなり、最近は人前にも現れる様になったのだ。最も、ナディラの所業は理解してなかったが。
「ナディラーッ!!」
トラキーナはナディラに向かって走っていき、ボディーブローを決める。
「あなたはどうしてそこまで非道な事が出来るのよ!!!私はあなたをそんな風に育てた覚えは無いわよ!!」
「ま、待ってくださいお母様…」
ナディラは母の怒りに狼狽える。
「あなたの根性を叩き直して差し上げるわ!!」
「ちょ、やめ…」
ナディラはトラキーナにボコボコにされるのだった。
+++++
「ナディラ、あなたがここまで外道だったとは思わなかったわ。相手がプシー族や亜人だからと、下賎の者だからと非道を働くのは許されないわ!」
「すいませんでしたお母様…」
「あなたが領地を発展させてるのは褒めるに値しますが、死刑囚だからと人体実験はやり過ぎよ!!どうしても人体実験をしたければ本人に同意を取って、遺族にもお金を支払いなさい!人体実験をするだけして、何の代価も払わないのは許されないわ!」
「分かりましたお母様…」
ナディラは心底残念そうに答える。
「それから、あなたが捕らえているプシー族と亜人も解放しなさい。言っておくけど彼らで実験したければキチンと話し合いをして報酬も支払いなきゃ駄目よ。そして、出来うる限り彼らの安全に配慮しなさい!」
「彼らは強制収容所から引き取った奴ですけど」
「それでもよ!」
「ひぃ!?」
ナディラは母親からこってりと油を絞られた。
父親も利益になるからと、ナディラの所業を許していたのでボコボコにされた。
「よう、ナディラ。お前かなり怒られたな」
ナディラの前に黒い霧が発生して、そこから悪魔が現れる。
その悪魔の名はエヴォックス。10歳のナディラが死刑囚で人体実験をしていた時に偶然、ナディラの前に現れて、ナディラを面白いと感じてナディラの所によく現れる。ナディラも、悪魔を解析したいと思っていたので彼から肉体の一部を貰ったりした。
「お母様がかなりお怒りだったわ~。まあお母様が怒るのも無理は無いけど。」
「お前は俺達にも劣らないぐらいに悪魔だな。本当に人間は面白いぜ。やっぱお前は好きだぜ。お前の作るケーキもうまいしな。」
エヴォックスはナディラの作ったアップルパイに夢中になる。
ナディラがエヴォックスとおやつを嗜んでいると、ライオンの様な姿をした妖精が現れる。
その妖精の名はレオザック。聖獣とは妖精の中でも高位の存在でレオザックはその中でも一際強力な力を持っていて、聖獣王と呼ばれていている。
「ナディラよ。もう非道な所業をやめたらどうだ?」
「それは出来ないわね。私は欲望の為なら人間性はいくらでも切り売りできる人間なのよ。」
「貴様はどこまでも腐り切っているな」
「そんな私と一緒にいるあなたも物好きよね~」
「お主の作るチョコチップクッキーは美味いのだ。」
「私ったらすっかり聖獣王様の胃袋を掴んだのね」
「そういえば、ナディラよ。アレは完成したんだな」
「ええ完成したわ。皆にも見せてあげるわ」
ナディラの側に小さい何かが現れる。その何かはバギーカーの様な姿をしている。
「これが私の作った鋼聖獣。名はクレイザー。」
ナディラはかつて、聖獣王のレオザックに出会ってレオザックの様な聖獣を自分の手で作ってみたいと思った。
それから、レオザックから肉体の一部を貰い受け、それを解析した。解析したデータを元に様々な研究の末に機械仕掛けの人造聖獣、鋼聖獣を作りあげた。
「クレイザー、挨拶しなさい」
「初メマシテ皆様。私ハクレイザーデス。」
「これは車の玩具にしか見えんぞ…」
「聖獣なのかよそのラジコンカーは」
レオザックとエヴォックスは明らかに玩具にしか見えないそれに戸惑いを隠せないでいる。
「こんな成りをしてるけど私の作った人造の聖獣なのよ。三種類の形態に変形するのよ。」
「クレイザーには意思が無いのよ。私がそういう風につくったの。私の手で作って意思が無く、私の思うとおりに動いてくれる人形だからいいのよ。」
「要は道具か」
「人造聖獣はいずれ兵器として使われる様になるわ。私は兵器開発者として、歴史に名を残す事になるのよ。」
「人造とはいえ、聖獣を兵器にするなんてそんな冒涜的な事をするのはお前ぐらいだよ」
「殺意と悪意が武器を、兵器を生み出すのよ」
「だがよぉ、そのオモチャが本当に使えるのか?」
「クレイザーの本来のサイズは5mはあるのよ。クレイザーは限度はあるけど大きくなったり小さくなったり出来るのよ。凄いでしょ♪」
「そりゃあすげえな。」
「でしょでしょ!明日はこれでドライブするわ♪」
ナディラは年相応に笑う。
((凄い物を開発してるが、あれも大勢の命を犠牲に生み出したんだろうな…))
レオザックとエヴォックスは楽しげに笑うナディラを見ながらそんな事が頭に浮かんだ。
キャラ紹介
ナディラ・フルーリアス
主人公の悪役令嬢。悪役令嬢らしく極悪非道で涼しい顔で人を殺せる素敵な極悪人。彼女がこうなったのは生まれつき脳が腐っていたから。魔法と科学を研究するのが好きなマッドサイエンティストで、その為には人を平気でモルモットに出来る。文武両道で魔法も科学もどちらにも並外れた才能を持っている天才で、人格以外は問題ない完璧超人。ただし、自分の領地の大多数の民にはいい暮らしが出来る様に配慮しているから領民からは以外と慕われている。人造の聖獣を作りたいから作った。その過程で何人もの人間が犠牲になった。卒業パーティーで婚約破棄されるけど特に気にしていない。それから母親にボコボコにされた。
ディーン・テラーズ
テラーズ連合王国の王子。差別対象の異民族や亜人にはそれなりに差別感情はあるし見下しているが、非道な真似をするのは良しとせず、自分が王になったら、出来る限り、差別や迫害を無くそうとする予定。仮にもディーンが王になったらナディラに謀殺される可能性がある。ナディラの優れた能力には嫉妬しているが、それ以上に異常な人格に恐怖と嫌悪を持っている。それに加えてマリアに恋をしたのと、マリアがナディラにいじめられていると勘違いしたのが合わさって婚約破棄を突きつけた。本人も割りと問題があるが、民を想う気持ちは高い。
勝手に婚約破棄したのが原因で国王から殴り飛ばされて怒られた。ナディラに勝てる要素は人間性と人の持つ適正を見抜く事と皆の意見を纏めるぐらいしかない。
マリア・ミュレーヌ
男爵令嬢で転生者。実はこの世界は乙女ゲーの世界で、彼女は主人公に転生した。王子に恋愛感情を抱いてないが尊敬している。ナディラを悪役令嬢だと理解しているので最初は警戒していたが、人当たりは良くて優しくしてくれるのでいい人だと思ったが、自分の予想を超える極悪人だと知った時はかなり恐れる様になった。
トラキーナ・フルーリアス
ナディラの母親で公爵夫人。ナディラと違ってまともな人間性をしている。病弱で寝たきりの日々が多かったが、ナディラのお陰で病状は改善した。
そして、ナディラの所業を知って完膚なきまでに叩きのめした。異民族や亜人に対する差別意識はあるが、手を差し伸べるべきだと考えている。死刑囚だろうと人体実験に使うには相応の礼儀を果たすべきだと考えている。
エヴォックス
魔界出身の悪魔。快楽主義で面白い物がないか目をギョロつかせている。幼少期のナディラと偶然出会って、ナディラのやる事なす事を特等席で見たいからナディラに定期的に会いにいってる。ナディラの
作るアップルパイが好き。
レオザック
妖精の中でも高位の存在である聖獣で聖獣の中でも上位の存在であるライオンの聖獣。ナディラに出会ってたまに彼女の作る菓子を食べに来る。ナディラをそれなりに好いてはいるが、その人間性は軽蔑している。ナディラが人造の聖獣を作るといった時は流石に驚いた。
クレイザー
ナディラが作った人造の聖獣の鋼聖獣でバギーカーに変形できる機能を持つ。それ以外にも二種類の形態に変形できる。
意思は無く、ナディラの言う通りに動く。
ナディラが従える聖獣はこれ。