うだつが上がらない冒険者の苦悶の日々がきっかけで初心を思い出して前を向く受付嬢の話。
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人々が行き交う活気のある王都から少し離れた山の中、みすぼらしい服にその身を包んだ黒髪の男が中腰になって辺りを窺っていた。
男の名はレン。苗字も家名も持たぬ、ただのレンである。短く乱雑に切られた髪には土埃が付着しており、右手に握る剣の持ち手に巻かれた布は黒ずみほつれていた。
山はそれなりに高い。レンの呼吸は浅く、吐かれる息は白かった。
目の前の土が不自然に盛り上がる。
剣を突き刺すと、土の中からくぐもった音が聞こえ、やがて止んだ。レンは、剣を使って土を掘り起こす。
出てきたスライムを背負った籠に放り込むと、レンは再び中腰になって辺りを窺い始めた。
この一連の作業が、レンといううだつが上がらない冒険者の生活を支えていた。
冒険者は夢のある職業である。
火山に巣食うドラゴンを倒せば一生遊んで暮らせるだけの報酬がもらえるし、希少な魔物を生け捕りなんかにした日にはそのまま家と部下と使用人が国からもらえることもある。
当然、富を手にした冒険者には異性が集まってくる。それは何も男に限った話ではなく、手柄を立てた女冒険者に金持ちや貴族の男が結婚を申し込むことも少なくない。
これまでにも多くの冒険者が一夜にして莫大な財産と地位を手にしてきた。
そんな冒険者を目指して地方から王都に出てくる若者は多い。
しかし、現実は厳しい。冒険には金がかかる。
ドラゴンの鱗を貫くような武器はそれ一つで家が建つほどの値段がするし、希少な魔物を生け捕りにするには途方もない設備と人手が必要である。
したがって、冒険者には後ろ盾が必要である。要は金づるだ。貴族や商人を味方につけてかかる費用を出して貰わないことには、冒険に出かけることはできない。
そして、多くの冒険者は後ろ盾を持たない。当然である。田舎から出てきた学のない、何の戦闘訓練もうけてない馬の骨に大金を託す馬鹿がどこにいるのかという話である。
冒険者はギルドに所属し、クランに入る。ギルドが仲介する依頼をクランという冒険者の集まりが引き受けるのである。一人一人の冒険者は信用できなくとも、集まり、団を成すと途端にその信用性は高まる。クランのトップはどこぞの騎士団の関係者や貴族が務めることが多いのもあって、クランという組織は世間的にある程度信用されている。
つまり、クランに所属していれば、冒険者はある程度信用され仕事を回され、それなりの暮らしができる。そう、クランに所属していれば。
スライムで一杯になった籠を持って、レンは山を下りた。数にして十五匹、大漁である。
スライムは人の糞を食らう。そのため、ありとあらゆる衛生設備で大活躍している。便所や公衆浴場の排水溝、ゴミ捨て場などに放たれ、汚物を処理するのに用いられている。
スライムは、王都から少し離れた山に生える糞木という植物の根元に生息している。この糞木という植物はその名の通り大変臭い。そのためスライム拾いは誰もやりたがらない。
底辺労働者、もといはぐれ冒険者のレンはそんな誰もやりたがらない仕事をほぼ毎日こなしていた。
レンは、元は夢見る若者の一人であった。田舎の小さな村に生まれ、村の中では体格が良かったレンは、家族や周囲の人間に勧められるままに冒険者を目指して王都に出てきた。
王都に出てきて、冒険者となるためにギルドで開かれる試験に参加したが、結果は散々であった。何の訓練もしていない田舎者が通用するような場ではなかった。
レンはどのクランにも所属できなかった。
「兄ちゃんも口減らしで出てきたクチかい?」
無力に打ちひしがれていると、ある冒険者がにやにやと笑いながらレンにこんな言葉を投げかけてきた。
聞けば、村の財政がひっ迫して食い詰めた時、図体ばかり大きくて役に立たない若者を冒険者になれと言って追い出すのは良くあることらしい。
恥ずかしくて悔しかった。レンは、自分のことを誉めそやしていた父母、兄弟、友人たちに騙されていたことへの悲しみと、それを上回る怒りに押しつぶされそうになった。
絶対に見返してやると思った。
村の連中を見返すには冒険者として成功するしかないと、がむしゃらに努力した。
しかし、どれだけ技術や知識を身に着けても、状況は好転しなかった。
クランに所属していなければ、人生を変えるようなチャンスがある大きな依頼には参加できない。
そして、クランは一度失敗した者にチャンスを与えるような甘い組織ではなかった。
結果として、レンは毎日、糞にまみれて働いている。
スライム拾いで資金を貯め、月に何度か小さな冒険に出かけるという日々を送っていた。
レンは王都を目指して歩く。体が臭いことはわかっているが、もはやそれを感じられなくなるほどの長時間、レンの鼻は異臭にさらされていた。
「あー。あーあー。」
レンは絞り出すようにして声を出した。長時間、誰とも会話せずに息を止めるようにして働いていると声が出なくなる。王都に戻る際には門番とやり取りをしなければならないので、喉を開いておく必要があった。
門番は、エリートとまではいかないが、安定した職業である。そんな職に就く彼らは、レンのようなはぐれ冒険者を殊更見下していた。
声が上手く出なくてどもると馬鹿にされるし、どもらなくても臭いで馬鹿にされる。レンはそれが嫌だった。
ただ、門を通らねば王都には帰れない。
ずれかかった籠を背負い直す。夕暮れの中、王都への道をレンは歩き続けた。
門についた。
「おっと、今日はたくさん拾えたかい、ドブガエル君?」
にやにやと笑いながら門番が話しかけてきた。レンはわけあって周囲からカエルと呼ばれている。カエルというだけでも十分すぎるほどに屈辱的な通り名だったが、レンを特に馬鹿にしている連中はさらにドブという枕をつけてレンをからかっている。レンがスライム拾いばかりして臭うことを揶揄しているのだ。
「判子お願いします。」
レンは軽口には取り合わず、通行証を門番に渡した。悔しいが、言い返したところで不利益を被るだけなのは身に染みて知っていた。
門番はつまらなさそうに判を押す。
「通れ。」
門をくぐる。城下町は人が行き交い、賑やかだった。その喧騒に釣られるようにして心を奮い立たせたレンは、スライムを売るために歩き出した。
スライムを売却してはした金を受けとった後、レンは公衆浴場に来ていた。
体についた汚れを持参した硬いブラシでこれでもかとこそぎ落とした後、レンはゆっくりと湯につかった。
ここ王都は、風呂文化が発達している。
源泉がある場所に王都ができたのか、王都ができてから源泉が見つかったのかは定かではないが、とにかく王都にはそれはそれは立派な温泉がある。放っておいても無限に湧き出てくるそれは貴族などにも独占されず、こうして下々のものまでいつでも風呂に入ることができている。
湯を両手ですくいあげ、レンは顔を洗った。熱い湯が顔にできた細かな傷に沁みるのが心地よい。
「あー。」
帰り道に無理やりひねり出したものとは違う、体の底から滲み出るような声を自らの耳で捉えながら、レンは次に受ける依頼のことを考えていた。
今回のスライム拾いで得た給金は銀貨十五枚。これまでに稼いだ額と合わせて銀貨百二十枚、つまり金貨十二枚分となった。借りている宿のひと月の家賃は金貨二枚であるので、残りの十枚分を冒険の準備資金に回すことができる。レンの受ける規模の依頼の準備資金としては十分な額であった。
レンは、口が浸かるぎりぎりまで湯に沈み込む。
これまでに受けてきた依頼は、割に合わないものが多かった。稼ぎの良いものや貴族へのアピールになる依頼はクランが全て持っていくというのもあったが、それ以上にレンが割に合わないものをわざわざ選んで受けてきたからだ。
割に合わない依頼の奥には、本当に困っている人がいる。
うだつの上がらないレンが自らを冒険者と名乗るために大切にしている信条である。
水面に目線を合わせ、立ち上る湯気を見つめる。
冒険者として大成し大金を手に入れることなんて、レンはとっくに諦めていた。ただ、冒険者、そして一人の人間として、恥ずかしいことはしたくなかった。
もはやそれは意地のようなものだった。
自分を見下すような奴と同類にはなりたくない。それだけがレンが毎日身を粉にして働く理由だった。
「あー。あーあ。」
声が寂しく湯気に吸い込まれていく。
風呂にいるのはレン一人で、辺りはひどく静かだった。
金貨十枚。必死に働いて貯めたお金で人のためになることをする。自分は立派なことをしているんだと、そう思っている一方で、世界に、いや、王都にさえ何の影響も与えられていないということをレンはわかっていた。
役立たずで口減らしにあった身である。どれほど体に鞭打って働いたところで大したことは成せない。
最近、虚しさのようなものをレンは強く感じるようになっていた。
レンが王都に出てきたのは十五の時で、もう五年も前のことだ。先日スライムを拾いながら誕生日を迎えたレンはもう二十歳だ。村でいたなら妻子を設け、自警団や寄り合いの運営の中心となってくる歳である。
今の自分には、妻子どころか友人もいない。
立派な仕事といったって、所詮は何の訓練設けていない若造が一人でこなせるものがせいぜいだ。依頼人に感謝されること以上に、憐れみと軽蔑の目線を向けられることの方が多かった。
自分のことを馬鹿にしてくる門番や他の冒険者たちに対しての憤りは確かにあるが、その評価についてはもっともだとレンは思っている。
自分は情けない。門番やクランの冒険者たちの方が余程世のため人のためになっている。
門番はどう考えても欠かせない仕事であるし、クランが受けるような実入りの良い依頼も、稼いだ金を宿屋や食堂に落とすことで多くの人のためになっている。確かに貴族や商人だけが私腹を肥やしているという側面はあるが、彼らが贅沢をすることで潤う人々は大勢いるのだ。
そんな、ぼんやりとした世の中の仕組みのようなものに、レンは気付き始めていた。
ただ、納得はいかなかった。どうして自分を馬鹿にしている奴らが自分よりも立派なのか。
考えても答えは出ない。
レンは湯の中に深く沈み込む。熱を持った液体が耳の中に入ってきて。全身を包む。
余計なことは考えないようにしよう。
結局、お金を貯めて依頼を受ける以外に生きる術はないのだ。
どうせ帰る当ての無い人生である。行くところまで行ってやろうと、風呂に入ると毎回たどり着く結論に達したレンは、勢いよく立ち上がった。
立ち上がると頭に血が上ってくらくらと視界が揺れる。
レンは、情けない自分は大嫌いだが、毎回のぼせるまで考え込む自分のことはほんの少し好きだった。
「次に受ける依頼は、森の主に攫われた貧民街の少女の救出だ。」
開ききった喉で口に出す。
人とあまり話さない分、レンはふとした時に独り言が出る。
王都に来たばかりの、燃え上がるような情熱はもうレンの中にはなかったが、風呂の湯なんかには負けない程度の熱い想いは、まだレンの胸の中にしっかりと灯っていた。
怒号や下品な笑い声が飛び交う冒険者ギルドの中、ひときわ清潔に保たれたスペースに座る受付嬢、レイナは手元にある不自然なほど磨かれた銀貨を見つめ、浅くため息をついた。
王都唯一のクラン無所属冒険者、レンが依頼を受ける際の担保金として置いていったものである。
冒険者が依頼を受注するには、ギルドの掲示板に貼ってある依頼書を受付に見せて判子をもらい、担保金を払わなければならない。担保金とは、依頼を失敗した際に持っていかれるお金のことである。
銀貨三十枚。安宿であればひと月暮らせるこの金額を稼ぐのに、レンはどれほどの時間と労力を費やしたのだろうか。
レイナは、銀貨の一枚一枚を手で弄んだ。
本来、資金を潤沢に持つクランが依頼を独占し、他を圧倒してギルド内で力をつけるのを防ぐために作られたこの制度は、クランに所属しないレンを経済的に追い詰める原因となっている。
レンは、王都の冒険者ギルドの中でわかりやすく冷遇されている。まともな依頼はクランが独占していて受けることができないし、通常受けられる依頼についての説明、必要最低限の道具の支給など、ギルドからのサービスもレンには提供されない。
そして、冒険者の「帰る場所」である受付嬢は、誰一人としてレンに微笑みかけなかった。
受付嬢は、通常冒険者に対して愛想が良い。死地に向かう冒険者の帰るべき場所となることが彼女たちの本懐であるからである。全ての受付嬢がそんなことを考えているかは別だが、建前として、彼女たちは常に微笑んでいる。
そんな受付嬢がレンには冷たかった。まず第一に微笑んでいないし、他の冒険者の時のように依頼と関係のない世間話もしない。特に何をしたわけでもないのに、嫌われていた。
それはひとえにレンが他の冒険者に馬鹿にされているからある。お得意様が嫌っている相手に愛想よくするほどのお人よしは受付嬢にはいない。お得意様に嫌われ、他の大都市に移られでもしたら、彼女たちの首が飛んでしまうからだ。
かくいうレイナも、レンを冷遇する受付嬢の一人であった。先に述べたような理由の他にも、クランに所属していないこと、田舎出身であること、いつも暗く、辛気臭い顔をしていることなどをもって、レンを愛想よくする必要がない人に分類していた。
クランに所属しないで冒険者を続けるなんて到底無理で、すぐにやめて田舎に帰ると思っていたので、レンを冷遇しても全く何の問題もないとレイナは思っていた。
このままではいけないと思ったのは、レンが達成した依頼の依頼主から感謝の声が寄せられた時である。長らく塩漬け状態であった孤児院の畑の害虫退治の依頼を達成したレンに、孤児院の子供たちから手紙が届いたのである。
「これでおいしいやさいがたべられる。」
「ありがとうぼうけんしゃさん。」
拙い字で書かれた手紙を見て、レイナは自分を恥じた。
レイナは孤児であった。貧しく、満足に食事もできない孤児院の境遇を変えたくて冒険者ギルドに入った。自分の家族ともいえる孤児院の子供たちのために少しでもできることがあればと、そういう気持ちでギルドに入ったはずである。
それがなんだ。
レンが依頼を達成したことどころか、孤児院からの依頼があったことすら知らずにレンを馬鹿にし、見下していた。
あってはならないことだと、レイナは思う。
子供たちからの手紙には、冒険者としてのレンの良いところがこれでも書かれていた。
「おとなたちからだけでなくわたしたちのはなしもきいてくれた。」
「畑がきずつかないようにしてくれた。」
「こどもでもつくれるむしよけのつくりかたをおしえてくれた。」
「おれいにあげたやさいをおいしそうにたべてくれた。」
挙げていくときりがない。レイナが見下していたレンは、レイナが知る限り誰よりも立派な冒険者だったのである。
それからレイナは、レンがなぜ馬鹿にされているのかを調べた。
他の冒険者に聞いても唾を飛ばしながら笑うだけで得るものはなかったが、それでも情報収集を続けていると、あるクランに所属する鳴かず飛ばずの冒険者がにやにやと笑いながら教えてくれた。
ことの顛末をきいたレイナは、レンへの憐憫と罪悪感をさらに深めることになった。
「冒険者となるためにギルドで開かれる試験」は、田舎から出てきた若者が右も左もわからないまま依頼に出て死んでしまうこと、あくどいクランの食い物にされてしまうことを防ぐために作られた。
ようは、その年の新人冒険者を各クランに紹介し、冒険者どうしを知り合わせ、クランに所属させるためのものである。そのため、合格する条件は極めて優しく、不合格者はほとんどいない。
レンがその数少ない不合格者の一人になってしまったのには理由がある。
試験では、十数人程度の受験者が集められ、戦闘させられる。自分以外の全員を気絶させることが試験内容になっているが、合格条件は最後まで生き残ることではなく、試験が始まってからの五秒間、のされずに立っていることである。
この条件により、明らかに弱い、冒険に出るとすぐに死んでしまう受験者だけを毎年不合格としていた。
体格が良く、ある程度剣が扱えるレンは、相手が禁止されている魔法でも使わない限り、五秒で気絶するはずがなかった。
実際にレンの体格を見て仲間として誘おうとしたクランもあったみたいである。レンは、不合格になるような人材ではなかった。
いったい、何が起こったのか。
答えは簡単、相手が魔法を使ったのである。
そもそも魔法は、対魔物、対人両方において絶大な威力を発揮する戦闘手段である。炎を放ったり、尋常ではない力、反射神経を発揮したりと、種類は多岐にわたるが、どれも人の理から外れた力を使用者にもたらす。
使用すると死亡者が出る確率が高いこと、そもそも魔法を使えるのは血筋、教育環境が整った一部の貴族がほとんどであるということなどから、試験での魔法の使用は禁じられていた。
それを破ったのが、王都でも有数の名家のご令嬢であり、あの日のレンの対戦者である。
試験が始まる前、ろくでもない者どもに絡まれて気が立っていたその令嬢は、試験開始と同時に身体強化の魔法を使い、鬱憤を晴らすかのようにレンを吹き飛ばした。
身体強化の魔法は、使うものにもよるが、たいていの場合、岩を木剣で砕くほどの力を使用者に授ける。そんな力が全く無防備なレンに襲い掛かったのである。
攻撃を受けたレンはギルドの壁に叩きつけられ、「ぐえっ」という呻き声を最後に意識を失った。
当然試験は一時中断となり、レンはすぐにギルドの医務室に運ばれた。
違反を犯した令嬢へ処罰が下されるとその場にいた誰もが思ったが、実際に不合格にされたのは令嬢ではなくレンだった。
令嬢のご実家が横入りを入れて、不始末をもみ消したのである。
さらに、その家はレンが本当のことを話すのを恐れて、こんなうわさを流した。
「レンという冒険者は細腕の貴族の令状に一撃でやられた貧弱もの。やられた時の声、倒れた姿はまるで馬車にひかれて死んだカエルのよう。決して図体ばかり大きいいこの貧弱な田舎者を仲間にしてはならない。」
カエルという喩えを面白がったのか、女にやられた大柄な男というのが特別馬鹿にしやすかったか、この噂はすぐに王都中の冒険者に広まった。
こうして、仲間どころか味方もいないレンという冒険者が生まれたのである。
レンは、今や冒険者だけでなく、門番、武器や防具の売人などからも「カエルくん」と呼ばれ馬鹿にされている。彼がスライム拾いを頻繁に行うことからドブガエルと呼ぶものまで現れ始め、状況は悪化するばかりである。
レイナは銀貨を片づける、今度は深くため息をついた。
レンが受けた依頼の依頼書の写しを見る。
「森の主に攫われた貧民街の少女の救出」
相も変わらず、大変で、それでいて報酬の安い依頼である。
貧民街の住人が出した依頼など、そもそもきちんと報酬が払われるかもわからないし、森には危険な魔物も出る。
レイナは、レンの無事を祈った。
その祈りが身勝手なものだとはわかっていたが、祈らずにはいられなかった。
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