表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

食育へのモチベーションがおかしい小学校のクラス

作者: 忍者の佐藤

上田

小川先生、小川先生、命について考える授業で豚を飼うことにしようと思うんですけど



小川

ああ、クラス全員で育てて、最後に多数決で食べるかどうか決めるっていうあれですか

うちはクラスで飼っているニワトリの卵を扱うつもりですよ



上田

それについて幾つか提案があるので聞いてくれますか?



小川

良いですよ



上田

まずクラスの子たちにDVDを見てもらいます



小川

なるほど、畜産に関するDVDを



上田

いいえ、トンカツや焼き豚を食べる人の動画を見ます



小川

なに肉へのモチベーション高めようとしてるの

どう考えても豚食う方に誘導しようとしてんじゃないですか



上田

児童たちにはハングリー精神を養ってほしくて



小川

食育の中であってはならんだろそのハングリー精神



上田

豚の名前はロースカツか豚骨ラーメンしようと思っています



小川

もう100対0で食べる気満々のやつのネーミング!

骨までしゃぶり尽くすつもりだよこいつ!



上田

子どもたちには毎日「美味しくなれよ」って言いながら豚の世話をしてもらいます



小川

それ主に野菜にやることだよ! さっきから発想がサイコパス過ぎるだろ!



上田

あと飼育中は上質な豚を育てるため、児童たちの給食費から高級なエサ代を徴収して与えます



小川

お前どんだけ豚肉の味にストイックなんだよ! 

そういうシェフか!

っていうか給食費からエサ代出したら子どもたちが可愛そうだろ



上田

そこは問題ありません。白米だけは毎日支給されるように手配します



小川

何か配給みたいだな……



上田

そしてみんなで豚の方を見て豚肉料理を想像しながらご飯をかっこみます



小川

怖えよ!! 何だその危ない自己啓発セミナーみたいな集団は! 親が見たら泣くぞ!!



上田

ふむ、確かに肉にストレスがかかってしまったらまずくなってしまうかもしれませんね



小川

もう豚じゃなくて肉っつってんじゃねえか!



上田

そこでクラスのみんなには普段から豚の皮を被って過ごしてもらいます



小川

不気味すぎるわ! そろそろ公安からマークされるぞお前のクラス!



上田

もちろん本物の豚畜生の皮を使用します



小川

地走りか!!

さっきから豚の言い方に本性垣間見せるんじゃねえ! お前一応教育者だろ!



上田

そして上質な肉を美味しくいただくため、毎日1時間目から4時間目はすべて肉のさばき方と料理の仕方に費やします



小川

もう学校生活のすべてを豚食うことにささげてんじゃねえか! PTAから苦情くるどころの騒ぎじゃねえぞ!



上田

で、豚が逃げ出したときのため監視カメラを学校中に張り巡らせました。公費で



小川

税金何に使ってくれてんだ上田ぁ!!



上田

そしてこの食育生活から脱走した者には教育として24時間豚骨ラーメンのにおいを嗅がせながら豚肉を食べる動画を見せ続けます



小川

罰し方が完全にカルト! 豚肉を喰らうモンスターでも生み出そうとしてんのかお前は!



上田

そして成績優秀者から美味しい部位を食べられるというわけです



小川

怖いよ! チンパンジーの序列によるエサ配分みたいで!!



上田

どうですか? いいアイディアでしょう?



小川

お前絶対食育やめた方がいいよ!




ーーこのクラスでの豚の飼育は中止になりました



おわり



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ