龍
「おいおいおいおい、、、想像を絶するような化け物が居ることは覚悟していたけど、、、ある意味一番想像しやすい化け物が居やがったか」
零は龍という伝説上の超超ビッグネームのモンスターに唖然を通り越してある意味感動を覚えていた
(周りには、、、コンダクターに、、、小型の龍?、、、ワイバーンかって感じか)
龍の周りには先ほど死闘を繰り広げたコンダクターが数体、そして小型の龍、ワイバーン十数匹が中心にいる龍の周りに闊歩飛翔している。
ちなみにワイバーンを小型の龍と言っているが、ワイバーン自体1mは優に超す体格である。中心に鎮座している龍は優に50mは超えているだろう。その巨体のほとんどは地面に埋もれている
(あれがいたから、地下が倒壊していたのか)
「さすがにあれとやりあうのは無理だな、、、あれが、エリアモンスターか?」
零は龍をこのあたりの地帯を統べるエリアモンスターと推測した
「あの龍にはディープオーシャンドラゴンって名付けておくか。それで、あれどうしようかな?」
龍に名付けをした零はこれからどうするかを考えた
(というか、あれ見る感じコンダクターはボスモンスターではなさそうだな、、、その癖に案内慰問ドロップするって偶然だとしてもエグイな)
「一先ず、今は逃げた方がよさそうだな」
零がそう考え来た道を引き返そうとしたその時だった
「ぐぉおおお!」
ディープオーシャンドラゴンが突然雄たけびを上げた
「ぐぅ!」
零はあまりの声の大きさに耳をふさいだ
だから次に起こった音に気が付かなかった
バキッ
「なんだいきなり?縁起悪いしさっさと逃げよ」
零が引き返し始めた が
ガタ
「え?」
次の瞬間
バラバラ
零の居た排気口が崩壊した
「っ!」
零はいきなりすぎて何も手を打てないまま下に降りてしまった
ボコ
「ぐぁ!」
零は地面に背中を強打した 幸い物理防御のおかげで少し痛かった程度で済んだのだが
「「ギャァァ!」」
「「グギャャ!」」
ワイバーンとコンダクターが零に気が付き今にも襲い掛かってきそうだ
しかし
「グォオオオ」
ディープオーシャンドラゴンがうなる声をあげるとほかのモンスターは静まった
「おいおいおい、、、いくらなんでもやばすぎるだろ」
零はもはや恐怖を通り越した名状し難い感情になった
(一片たりとも戦おうと思えないレベルだな、、、逃げる以外の選択肢が存在しないな)
零はそう考え
「エア
エアリアルを唱えようとした しかし
「グルゥァ!」
ディープオーシャンドラゴンの口から漆黒の炎が吐き出された
ドカン
「ガバァ!!」
炎は飲み込んだ零を吹き飛ばしながら軍事基地の壁を溶かしながら一気に打ち抜いた
「っ!」
(く、クソ!意識飛んでた!どこだここ?)
零は炎を食らった衝撃で意識を飛ばしてしまった さらに
「っ!」
(おいおい!全身やけどしてるじゃないかよ。それに、骨もいくつもイってやがる)
炎の熱で全身の至るところでやけどを負っており、炎が当たった時の衝撃で骨も大きなダメージを負った)
「薬湯、、、おい、嘘だろ」
零は薬湯を飲もうと懐を見たが
(一本溶けてやがる)
ペットボトルが一本熱で溶けて中身がすべてこぼれていた
(掛った部分は無傷になってるのはうれしいが)
零はそうぼやきながら薬湯を一気に飲む
「よし、、、ではないな」
零の体は一先ず回復したのだが
(今ので薬湯残り1/3か、、、まずいな)
まともに体の傷を治すのに2/3ほど使ってしまった
「さて、、、逃げるぞ!エアリアル!}
零は風を纏った それと同時に
ドカン!!
「うぉ!!!」
軍事基地が木っ端みじんに吹き飛んだ そこから
「グゥァァ!!」
ディープオーシャンドラゴンが翼を広げ現れた さらに
「「ギャァァ!」」
「「グギャャ!」」
ワイバーンとコンダクターも吹き飛んだ軍備基地から現れた
「うわ」
(前は一体一体が強敵の壁。後ろは海と、、、背水の陣だな)
零の後ろには海に囲まれており前もモンスターの海なので背水の陣というより全水の陣である
「泳いで逃げるのは、、、どう考えても追いつかれるよな、、、」
モンスターの海で泳ぐよりは普通の海で泳ぐ方がマシだが、そうした場合後ろから魔法や炎の花火が撃ち込まれかねないので零は海を肩で見ながらここから逃げ出す方法を考える
(どこかにクルーザーとか無いか?いや、あっても運転できるわけないか。モンスターの攻撃をうまく使って、、、そんなことやったら間違いなく死ぬな。正直ってコンダクター倒した時の魔導着なかったらチリひとつ残らずに消し飛んでいたような威力をもう一度食らったら海に沈むことになる)
「そもそも、海に入ったら海のモンスターとやりあうことになるよな、、、同士討ちも期待できないし」
海には海でやばいモンスターが出かねない
「クソ!俺にも翼があればいいのに。エアリアルじゃ精々100mしか飛べない。一番近い陸地でも4~500mぐらいある」
零がそう絶望をした時だった
「グルゥァ!」
再びディープオーシャンドラゴンが炎を吐いてきた
「やばい!」
(クソ!一か八かだ!)
零は海に飛び込んだ




