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嵐の町 テンペスト

作者: 睡眠夢

辺境の町 テンペスト、潰れた大手チェーン店を居抜きしてフリーマーケットが作られた。

コンビニもなく大手スーパーもない財政の余裕もないテンペストは、もはや町の中で物を循環させるしかなくなり、クラウドファンディング(町民の寄付)によって設立された。

フリマの設立は町の勢力図を変えた。

最初に起こったのはテンペストのマドンナによる市場の独占。

テンペストのマドンナとは当町比では絶世の美女のことである。

彼女が出品した商品は市場の数倍の価格だとしても、ファンたちの手によってすぐに売り切れになる圧倒的な人気を誇り、テンペストの金は彼女に集中した。

町の支配者となった彼女は調子に乗りに乗って隣町にも手を伸ばした。

がしかし、当町比では絶世の美女でも人口の多い隣町では美女程度に収まる。

テンペストのようにはうまくいかず、自分の美貌に絶対の信頼を置いていたマドンナは意気消沈し支配者の座から降りることになる。

マドンナの次に現れた支配者は都市部からやってきた早期リタイア組の夫婦。

夫婦は株取引などを行うディレッタント、

資産が多そうなことからテンペストのビルゲイツとも呼ばれる。

夫婦が扱う商品は町では見かけない珍しいものばかり。

人類の叡智 Amazonを超える品揃え。

これだけにとどまらず夫婦は株取引関連のオフラインサロンを開き、隣町にはオンラインサロンを展開。

まさに圧倒的な力

この支配者を超えるものが現れるのか!?と思われたが、

金を吸い取れるだけ吸い取った夫婦は見切りをつけ、他の町へ移住してしまった。

そこから町の財政悪化 過疎の加速化 町の合併化

まるで嵐が襲ったかのようにテンペストは消えた

終わり

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