表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

青空の彼方、月光の桜(詩)

作者: 神無月凩

 ちょっと思うところがあって、人生振り返った様な詩を描きました。

 

 僕は歩いた。歩みは止めない。

 歩き出したらそのままだ。

 たとえ膝が擦りむけて、血豆が潰れて痛んでも。


 僕はそれでも歩き続ける。

 道が永遠に、続くから。そこに道があるから進む、僕は足を運ぶだけ。

 空と同じ、それは無限。先には何が、あるのだろう。


 僕は歩いた。

 歩いていつか、あの光景が見たいから。

 青い空の彼方には、丘を越えた街道は。

 きっと、きっと僕にとって、それはとても美しい。


 僕の脳裏に刻まれて、この光景は忘れない。

 残念だけど一生涯で、二度再び出会えない。



 僕は歩く。

 力の限り、大地を踏みしめ先へと向かう。

 遥か彼方、僕の知らない、遠い青を追いかけて。






 俺は走った。

 人の生には限りあり。大人の俺はそれを知る。

 限りあるから輝ける。限りあるから頑張れる。


 俺は走った。

 やりたいことを、叶えたい夢を追いかけて。

 だけどしかし、刻は俺を待ちはしない。


 俺は走った。

 全速力で。間に合うように吐血して。


 だからいつか、空は見えず。

 命儚く、消えてゆく。






 儂は転んだ。

 体が痛い。あちこち痛くてたまらない。


 儂は転んだ。

 若い身空、愛したものも露と消え。


 儂は転んだ。

 足を引きずり、終の宿へとたどり着く。

 

 叡智を次代へ授けた折に、童の指差すあの空は、

 かつて憧れ焦がれ続けた『僕』の愛した青い空

 


 やがて全てが風化して、この身は露と消えるだろう。

 桜の如き散り際に、僕はきっと思うのだ。



『ああ、大往生だったけど、まだやりたいことがある』

『眠りたくないな』



 重たい瞼をやがて閉じ、息を引き取り童泣く。






 そして再びお会いした。

 桜降るあの空の下。



「もう、遅いよ!待ちくたびれた!」


「遅れてごめん、悪かった」



 五分後に会う待ち合わせ、呆れて私は待つけれど…

 たまには貴方が待てばいい、待って困ってしえばいい。


 憎まれ口をたたくけど、貴方に感じた気持ちは本物

 私は彼を抱き締めて、やっと少し、安堵した。




 

結論:アカテン様みたいに明るい詩描ける人ってすごいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 感動しました! 短い文字数でこれ程感動的な物語が紡げるとは! 私はついつい文字数がかさみがちなので、参考になります!w
[良い点] 叙情あふれる詩ですね。 人間の人生ははかないもの、振り返ってみれば一瞬のように感じるものという、中国の故事成語『邯鄲の夢』という言葉が思い浮かびました。
[良い点] いろいろなシュチュエーションで人が懸命に生きる物語を書くことが好きです。 でも、短い文章に濃縮した詩を書くのは今の私には難しいですね。 感服しました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ