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読切1: 記憶を奪われた魔法少女

作者: 千年寝太郎

舞台の雰囲気は風の谷のナウシカ風を思い描いて下さい。筆者の拙い表現で分かり辛くてすみません。登場人物のしゃべり口調がちょっと年寄り臭いですが、年齢は10~15歳頃だと思います。

ここには何も無い。


悪い魔女に私の記憶が奪われてから。


私には何も残っていない。


ここは何処だ?


私は誰だ?


なぜ私はここにいる?


私には、悪い魔女に記憶が奪われたという記憶しかない。


風がごうごう吹き荒れる荒野に一人佇んで考えてみる。


私は一体どうしたらいい?


どんなに時間が経っても答えは出てこない。


すると正面に小さな点が見える。


段々と大きくなるその点とその周辺の砂嵐。


見ると逃げ走る真ん丸な動物を追う虫の集団。


甲殻類が持つような殻を体ごと左右に振って前進するムカデの様な虫達。


薄茶色の体毛を揺らしながらピョンピョン走る薄桃色の長い鼻を持つネズミ。


ネズミの方は人間と同じくらいの大きさか?


虫達はネズミの2~3倍ぐらいあるぞ。


これに巻き込まれたらマズイと思い逆方向へ走ろうとすると、急に体が浮き出した。


足が浮いて踏ん張れなく、足が空を蹴る。


仕方ない、この浮遊能力を駆使してこの場から逃げよう。


なかなかにコントロールが難しい。


細い板の上を歩いているかの様な不安定さ。


体が前後左右にふらつきながらもバランスを取る。


高度も徐々に上がっていく。


それによって前方のネズミと砂嵐の集団が私を捉える。


マズったか?


ネズミは私という目標を得たからか前進するスピードが上がる。


私は高度を上げ始める。無意識の内に分かるのだ。上昇する仕方を。


そして、ネズミが私の所まで追いつくと大きなジャンプをして私の体の上に乗っかってきた。


私の頭の上によじ登ってくる。


うう、案外と重くは無いのが、頭の上でウロチョロされるのは邪魔だ。


ムカデ虫も私の所まで追いつくが私には届かない。


私はもう10メートル上空にいるからだ。


奴らはせいぜい体長が4、5メートルで私(達)はそれ等を見下ろしている。


上方でネズミはピーピー鳴いて喜んでいる。


それとも奴らを挑発しているんだろうか?


「もう煩いなあ。」


私はまたムカデ虫に意識を集中させる。


どれくらい経っただろうか、おこした砂煙が完全に無くなる頃、虫達は諦めて去っていった。


その間ネズミはずっとピーピー鳴いていた。


奴らが完全に去った事を確認すると私は地上に降下していった。


何故だか徐々に降下する方法を知っている。説明は出来ないが。


私の足が地面に着く前にネズミはピョンと跳び降りて地面へと着地する。


さて、あんな大きな虫達がいるこの周辺は危険でしょうがない。


どこか安全な場所を探すべきだろう。


私はネズミに興味は無い。


だからそのまま去ろうとするのだが、ネズミの両目はじっと私の顔を見て動かない。


しょうがないから奴に聞いてみた。


「お前も来るか?」


「ピー!」


「ピー!」


奴がピョンピョンと私の前に来て背中を見せる。


「なんだ?乗せてくれるのか?」


「ピー!」


「そうか、じゃあ跨るぞ。」


意外と体毛が温かくフサフサで気持ちいい。


「じゃあ出発だ。」


「ピー!」


こうして一人と一匹の当ての無い旅が始まった。

本作を楽しんでもらえたら本望です。


ところで読者さんに質問ですが、なろうの中でジブリッぽい物語を描いている作品を知っている方はいらっしゃいますか?もしそうでしたら感想欄にでも紹介をして頂けると嬉しいです。

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