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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
48/64

47. 晴海は疑われる

「え、えっとお……」


僕は今、すごく困ってる。

このまま自分の正体を奏真言ってしまってもいいのだろうか。

これまで何人かに正体をバラしてきた……いや、どっちかというと僕がヘマをこいて正体をバラしてしまってきたけど……。

今回僕何かしたっけ!?

ていうか告白とかアホなこと考えてたせいで余計驚いたって言うかなんと言うか。


「えっと……」


僕の心中を察してくれているのか奏真はずっと黙ってくれてる。

もう何分たったかわからないくらいずっと何言っていいかわからずに「えっと…」を連呼しているんだが、逆に辛くなってきた…。

……もう、いいかな。

変に黙って奏真や自分にモヤモヤさせるよりもはっきりと言ってモヤモヤを取り払った方がいいかもしれないし。

あーあ、また天野さんに迷惑かけちゃうなあ……えへへ…。


「えーっと、今までだ…」


「あれ?晴海さんじゃないですか!!!」


「え、えええええ!?」


睦月だ!!!

僕の一歳年下の妹の睦月!!

なんでここに!?

ていうかやばい、流石に睦月にバレるのはまずい。

始めて会った時に言おうと思ったんだけど有耶無耶になってたなそう言えば……。

できればこんな形じゃなくてもっとちゃんとした時に言いたいんだけど…。


「奏真さんも久しぶりです!」


「む、睦月ちゃん!俺は今大事な話をしてるんだ。睦月ちゃんもわかってると思うけど」


「は、はい?」


ああ…完全に終わった。

僕の正体がこんなことで妹にバレてしまうなんて…。


「久しぶりにお兄さんと会えてよかったね!睦月ちゃん!!」


奏真は僕に指を指しながらこう言った。

ああ…。

すまない妹よ自分の口で言うべきことを奏真に言われてしまった。

まさかこんなことになるなんて文化祭なんて来るんじゃなかったよ…。


「ぷふ…。何言ってるんですか、晴海さんに失礼ですよ〜」


「え?」


え?

い、いやこの反応は普通か。

でも睦月、僕が正体をバラそうとした時に話に割り込んできた。

テンパってて何にも思わなかったけどタイミングよすぎる気が…。

もしかして睦月は……。

僕が睦月をジーッと見ていると睦月はニコッと笑ってまた奏真に向き直る。

笑顔がちょっと怖い…。


「ほらほら、指差すなんて晴海さんに失礼ですよう」


そう言いながら睦月は奏真の指を掴むと力づくで下に下ろした。

奏真痛そうにしてるけどどんな力で下ろしたのだろうか……いや考えないようにしとくか。

指を下ろした後に睦月は再び、


「だってアホでドジで方向音痴で歌も下手ですぐに女の子に色目を使って家の手伝いもろくにしないバカなお兄ちゃんが…」


仮にも死んでる人間に対して酷い言いようだ。 歌下手とか僕が一番気にしてたことなのに、ていうか今関係ないのに……。

結構心にグサッとくる。


「礼儀がなってて、清楚で最優先で人のことも考えられる晴海さんだなんてとても信じられなくて笑っちゃいますよ〜」


確信した。

睦月は知っている。僕の正体を。

いつ僕のことを知ったかは謎だけどこの場で助けてくれるのはありがたいことかもしれないし感謝しないといけないな。

ついでに、わざわざ僕の悪口ををあれだけ言う必要があったのかどうかも謎だ。


「いや、だって晴海ちゃんは始めて会った時俺のことを「そーま」って言ったんだよ?それも海都と全く同じ様に!!」


そんなことを根拠に僕の正体にたどり着いたのかこいつは!?

頭がいいのか、悪いのか……。

いや、こういう時に推理物の犯人がきまって言うセリフの「想像力が豊か」を使うのだろうか。

まあ僕は使わないけど。


「そんなこと何万分の一くらいの確率で有りそうじゃないですか。「そーま」っていうキャラクターもいますし」


いや、それは流石に無理がある。

無理やりすぎるよ。


「た、確かに……」


おい。

そんな簡単に納得しちゃっていいのかよ奏真!?

想像力が豊かなくせしてアホなんだなこいつって。

あ、使っちゃってた。


「それに私のお兄ちゃんは晴海さんみたいな可愛い人じゃないのはわかってるじゃないですか♪ お兄ちゃんは顔もブッサイクだったし」


ま、まだ僕の悪口をいうかそこまでいうか……。

流石に僕もそこまで言われると、こう…なんか体から力が抜けていく様な気が……やばい。

もう椅子から落ちてしまいそうだ……。


「ま、まあそこまで海都はブサイクじゃなかったけど…。でも晴海ちゃんは俺が海都なんだろ?って聞いたら押し黙って…」


「そりゃいきなり晴海さんにお前はお兄ちゃんなんだろ?なんて言ったら固まっちゃいますよぅ」


「そ、そっか…」


「そうそう、それじゃあ晴海さんに謝ってください!」


「ああ…そうだな」


そう言うと奏真は僕の方を向いてまず頭を下げてこう言ってきた。


「ごめんな、晴海ちゃん。俺いきなり変なこと聞いちゃって…ビックリしたよね?」


「う、うん。ちょっとビックリしたけど全然気にしてないし平気だよ」


いやあセーフ、セーフ。

まさかのヒーロー?ヒロインが来てくれたおかげで何とかバレずにすんだか。


「ところで私、晴海さんと会うの久しぶりだしちょっとだけ二人で話してきてもいいですかね?」


え?

いきなりどうし……いやまあ、大体どんな話かは見当つくけど。


「あ、ああ」


流石にアホな奏真だ。

相良海都の実の妹から自分の考えを全面否定されたんだし、これ以上考えてこなければいいんだけど…。

とりあえずこの場はやり過ごせたみたいだけど……この後のことどうすればいいかな。 何て説明すればいいんだろう。

いいや、睦月は完璧に僕の正体を相良海都だと確信しているみたいだし全部正直に話すしかないよな。

そんなこんな考えているうちに悠斗は席を外して、悠斗のいた席に睦月が座っていた。


「……」


「……」


うう、気まずい。

これは僕から話しかけるべきなのだろうか。

で、でも向こうから話があるって言ってきたんだしとりあえず今は黙って睦月が話し出すのを待つか。

いやいや僕は兄だし…。


「えーっと、助けてあげたんだからお礼くらい欲しいかな…」


沈黙を破ってくれたのはありがたいんだけど、相変わらず恩着せがましいやつだな…。

でも奏真にバレてたらあいつ口軽いしやばかったかもしれないし、助かったのは事実だしお礼は言わないとな。


「うん。ありがとう睦月」


「……うん。やっぱりお兄ちゃんだね!」


「それにしても、いつ気づいたのさ」


「最初に会った時からだよ」


「ええ!?」


「お兄ちゃん嘘下手だもんね〜。最初に私の名前普通に言っちゃってたし」


あはは……。

最初から全部バレてたのな。


「それにしてもこんなに可愛くなっちゃって〜。いじめたくなっちゃうな♪」


こんなにゾクッとしたの初めてかも。


「じゃあ今日はもう帰るね!いろいろ詳しい話また今度文化祭の時にでもしてね〜」


「え、おいっ!」


言ってしまった。

なんてマイペースな奴。

そうだ今何時…あ!集合時間とっくに過ぎてるし!

早くみんなと合流しないと……。




更新が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。


この話はあとから少しずつ修正(ストーリーに関わること以外)をしていきますのでよろしくお願いします。


完璧の状態で掲載できなくて誠に申し訳ございません。

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