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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
45/64

44.晴海は他校の文化祭を楽しむ

「着いたぞ、ここが紅葉高校だ」


僕達の最寄りの駅から電車で1時間とちょっとの所、そこに紅葉高校がある。

文化祭開催中だけあって正門は綺麗な飾りつけがされていてとても可愛らしい感じだ。

紅葉高校は公立の高校だから僕達の高校より正直に言うとやっぱり小さく感じる。まあうちの高校が異常なんだろうけどさ。

最寄りの駅までは歩いて10分もしない程度だし、そこそこの街中にあるので高校生が放課後などに遊ぶ場所にも困らない。などの理由で公立高校であるにも関わらず受験生の間では人気だった……僕の時は。


「へえー、結構綺麗な校舎ねえ。もっと古い感じの予想してたんだけど、ちょっとがっかりかも……」


伶奈ちゃんは一体どんな校舎を想像していたのだろうか……。

そうそう、開校から何十年もたっているのに校舎がここまで綺麗なのは確か2年くらい前に大掛かりな工事をして校舎を全部新しくしたからとかそんなだったかな?

その説明を僕が伶奈ちゃんにすると、


「あれ?晴ちゃん詳しいね」


「え?あ、ああ!実は前はここに受験しようかなって考えててさ」


まあ実際はここに受験して受かったわけだけども。

一応体験入学とか説明会とかも来たから校舎の中は大体把握してるつもりだけど、流石にもう忘れちゃってるかもなあ。


「えーっと、俺の友人が案内役になってくれるらしいんだけど何処に居るんだあいつ…」


「友人て藤川君て言う人のこと?」


「そうそう。中学の時は俺含め4人でよく遊んだり、出かけたりしてたんだなあ!な?」


「あれ?なんで晴海ちゃんに話ふるの?」


「い、いや、えーっと……」


バ、バカなの!?

悠斗は一体何を考えて!!!


「あれ?俺に言ったんじゃなかったのか?」


え?

この声は……


「そ、奏真!そうそうお前に行ったんだよなー奏真!!!」


よ、よかった…ナイスタイミングだよ奏真。

おかけでバレずに済んだ。


「どうも初めまして、小宮山です」


「どうも!初めまして。悠斗の大親友藤川 奏真です!」


「初めましてー!日高伶奈でーす!今日は案内宜しくね♪」


「もちろん!俺に任せておいて!」


「俺は筒井圭吾。悠斗のクラスメイトだ、宜しく」


「いやいや、初めましてー。羨ましいなこんな可愛い娘たちといつも一緒だなんて!」


咲ちゃんや伶奈ちゃんに対してはかなり嬉しそうだったのに、圭吾に対してはなんか目が笑って無いような気がするんだけど。

みんながそれぞれ奏真に挨拶してるけど僕も一応しといた方がいいかな?最後に会ったのは夏休みくらいだったし。


「えーっと、私覚えてる?前に会った晴…」


「もーっちろん!覚えてるって!相良さんだよね、忘れるわけないでしょ!」


「え、えとありがとうね藤川君」


「だーかーらー、俺のことは奏真君で構わないって!もしなんなら呼び捨てでも!」


め、めんどくさっ!

こいつ女に対してこんなめんどくさいやつだったのか……。どうりで中学では女子たちからの評判が悪かったわけだ……。


「奏真。早く俺らを案内してくれよ」


悠斗ナーイス!

早く初めての文化祭楽しみたいし。


「はいはい、それじゃまずはグラウンド辺りからにしようか」


***グラウンド散策後***


「外にもあんなに屋台があるなんて思わなかったよ。おまけに野外ステージ見たいのもあったしあれはいつか使うの?」


「小宮山さんの質問にお答えしましょー!あの野外ステージは今は使ってないけど時間になったらいろいろなイベントやるんだよ。例えば飛び入り参加OKの漫才とか、ミスコンとか!」


なんかミスコンの部分だけやたらハキハキと喋ってたな奏真のやつ。

でもミスコンか、ちょっと…いや結構気になる。

ミスコンて言うならもちろん可愛い娘は出るんだろうし……。


「そんでここ体育館でも時間になると演劇部の劇がやったり、軽音部がバンドをやったりするんだ」


そっかー、だから今はなんか人少ないしがらんとしてるんだろうなあ。

時間になったら来て見るのもいいかもね。


「あ、俺そろそろクラスの出し物に参加しないと行けないから」


「え?おいおい、お前から案内役は任せろって言って来ただろーが」


悠斗の言うとーり!……すんません。


「しゃーないだろ、クラスメイトが1人休んじまってその分俺が穴埋めしないと行けないんだから…」


「それならしょうがないよ。後で藤川君のクラスにも行かせてね」


「さっすが小宮山さん!誰かさんとは違って話が解るいい人!!」


その瞬間奏真はボゴッと悠斗に殴られた……かなり痛そうにしてる。


「痛てて…。じゃ、じゃあこのパンフレット渡すから、地図とか出し物の説明とか書いてあるから俺が戻ってくるまではこれ見て移動してくれ」


「なんだ。そんなのあるんなら奏真は必要なかったかもな」


「相変わらず悠斗はさらっと酷いこと言うよなあ…。それじゃまた後で会えたらねー!」


行ってしまった。

結局あいつは何で案内するとか言ったのだろうか。

まあいいや、思う存分楽しんで奏真なんか頭の隅っこに追いやって行くとしようか。


「じゃああんまり大人数だとあれだし二手に分かれて回ってみる?」


「日高の言うとおりだな。校舎の中は人多いみたいだし」


「圭吾も賛成してくれたしそうしよ!女子と男子でまわる?」


「いやいや、ここはペアになって決めた方が面白いだろう…」


「お!さすが圭吾、わかってるな!よし決めるぞ」


***ペア決め後***


最初はあんなにペアペア言ってたのになんで決まった途端2人ともガッカリするかな…

ちなみに僕たちは5人で文化祭に来たわけだからペアになると当然1人余ることになるんだけど…その1人がこの僕。

あとは悠斗と圭吾、咲ちゃんと伶奈ちゃんというペアになった。 結局男同士女同士じゃん。

ということで僕は今1人で校内ぶらついてるんだけどいろいろあって面白いなやっぱり。

あ!そうだ、この高校には中学の人も何人か進学してたはずだから、その人たち探して様子見てみようかな。

この姿じゃ声かけても向こうは困るだろうしあくまで見るだけね。


よーし!そうと決まればレッツゴー!



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