43.晴海は他校の文化祭へ行く
「え?他の学校の?」
「そう!明日か明後日の放課後に晴ちゃんと礼奈と私で見に行こうよ!」
文化祭か、まあ確かにいったことないから興味はあるにはあるけど。
「何処の学校に行くの?」
「え、えーっと……みんなで考えよ!」
ちょっとー考えてなかったんかーい!と心の中では突っ込んでおくからね。心の中ね。
でも文化祭かあ
この辺の学校となると伯歳高校とか大石橋高校なんだろうけど、確か2校とも文化祭はこの時期じゃなくて12月頃だったような……。
「じゃあ俺が前に住んでた所の近くの高校にしようぜ!」
「え?もしかして悠斗も文化祭行く気なの?」
「流石にそう言われると俺でも傷つくからな」
「うそうそ。この前の仕返し」
ふふん、この前にもその前にも冗談とは言えない冗談を言われていたしこれくらいは意地悪しても問題なしだよ!ノープロブレムだよ!
「それで、悠斗君の前に住んでた所の高校って何高校っていうの?」
僕がもし、男だったら行く予定だった所だね。
そして奏真が通ってる高校。
懐かしいなあ、あの時は2人で受かってよかったー!!!て盛り上がってたのになあ。
「ああ、紅葉高等学校だよ」
「へぇー、いい名前だね!」
そ、そうか?
「よし!じゃあその高校の文化祭はいつなの?」
「来週の土曜日あたりだって聞いたぞ。高校にいるやつに聞いたから間違いないっ!」
うちの高校より少し前にやるんだ。
でもまあ大体の公立高校とかはこの時期にやるんだろうし別におかしいこと無いんだけどさ。
「へえー、じゃあそこに行ってみよっか!」
「おう!じゃあその知り合いに連絡しとくから任せてくれ!」
「じゃあ私と晴ちゃんで伶奈誘ってくるね。行こっ!」
「うん!」
来週の土曜日かあ。
中学の奴ら元気にしてるかなあ。みんな変わってなければいいけど。
あ、でも僕は大分変わってるしていうか男から女になってたっけ…。
あ、伶奈ちゃんいたいた!
「うん!行く行く!晴ちゃんも行くんでしょ!?」
「私も文化祭ちょっと気になるし行くつもり」
「じゃあ私もオーケーだよー!」
伶奈ちゃんはいつもこんな感じだけど、楽しそうで羨ましいなあ。
時々咲ちゃんと伶奈ちゃんの絡みを見てると中学時代の友達思い出す。中学の時はこんなことになるとは思っていなかったのに、紅葉高校に進学して奏真と一緒に学校にいって、一緒の高校に行った中学の友達とバカなことして、男子高校生として過ごすはずだったのに……。
あの時に本を買いに行かなければこんなことには…こんなことにはならずに済んだはずなのに………。
「晴ちゃん!」
「え!?咲ちゃん?どかした?」
「なんか怖い顔してだんまりしてたからどうしたのかなって…」
「具合悪いの?保健室いく?」
優しいね、2人共……。
ああ、そっか…女になったおかげで咲ちゃんや伶奈ちゃん、圭吾やクラスのみんなにも会えたんだっけ。
そこんとこは女になってよかったかもなー……。
悠斗とも一緒の高校に行けたし。
悩んでも仕方ないや!!
「なんでもないよっ!ありがとね2人共♪」
***紅葉高校文化祭の日***
「あー、おっそいなあ…」
僕達は今待ち合わせ場所に来ているんだけど、悠斗遅いなあ。
もう約束の時間過ぎてるのに、まったく…。
時間守れ守れ言ってたのは何処のどいつだっての、まったく………。
「もう悠斗置いて行っちゃわないか?待ってる時間勿体無いし」
なんかよくわからないけど圭吾もいるし……いやいや!全然迷惑じゃ無いけどね!むしろ人数が増えるのは賑やかになってとてもいい事だと思うし!!
あ、あれは…
「悠斗!遅いよ。ケータイに電話しても全然出ないしさ!」
「わ、悪い…。どうしてもケータイと財布が見つからなくて探してたらこんな時間に……」
「まあまあ2人共喧嘩しないで…。悠斗君は遅刻した分私達何か奢ってくれればいいからさっ♪」
お!
さすがです咲ちゃん!
そうだよね、そうだよね、遅刻した人にはちゃんとした罰を与えないと癖になっちゃうからね。
悠斗はなんか「それは酷い!」とか騒いでるけどこれはもう決定事項だからねっ。
圭吾たちが悠斗に「奢れよ奢れよ〜」と言っていたら伶奈ちゃんと咲ちゃんが一言、
「「それじゃ文化祭に行こー!」」