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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
37/64

36.晴海は廃墟へ行く


北大石病院、数年前だか数十年前だかに廃病院となったらしい。

昔からこの辺に住んでる人たちには結構馴染み深い病院だそうだけど、最近になって遊び半分で病院内に入る若者達が「幽霊を見た!」「あそこの幽霊をみたら呪われる」などというくだらない噂を信じて夜になると一ヶ月に何回か病院に入る人が多いそうな……。それ以外にもこの北大石病院はよく心霊現象がおこるらしい……。でもその心霊現象がおき始めたのは三ヶ月くらい前からとの情報。


「よし、みんなそろったみたいだな!」


悠斗が大きい声で言う。

そんなに楽しみなのかなあ……。


「でもこうして近くで見ると結構不気味だねえ…」


「あれ?もしかして咲はびびってるの?なっさけないなあ」


「ただ不気味だって言っただけじゃん。そういう伶奈こそさっきから足震えてない?」


「さ、寒いだけだよっ!」


今は夏だよ伶奈ちゃん………。

でも本当に不気味だ。まあ幽霊なんているわけないし別に怖がることもないんだろうけどさっ。

でも正面玄関てきなところは鍵かけられてるみたいなのにどうやって中入るのかな?


「あれ?圭吾は?」


「筒井君なら病院内に入れるとこ探しに行ったみたい。あ、戻ってきたよ!」


よくもまあ一人で行けるもんだなあ。

いやいや、別に幽霊とかそういことじゃなくて!


「おう、圭吾。逃げたのかと思ったぞ?」


ニヤニヤしながら悠斗が筒井君に言う。

あんな顔しながらあんなこと言われたら僕だったら殴ってるかも……。


「お前らがあんまり遅いから見に行ってただけだよ。それより病院に入れそうなとこどこにもないぞ?どうすんだ?」


「俺に任せとけ!しっかりと下調べはしてあるからな!」


そんな暇あるんなら苦手な勉強でもしとけば…あ、悠斗は宿題終わってたっけ。


「ほら、ここのドア鍵かかってないんだ。ここから入れる」


「じゃあ行こっか」


さあーて幽霊がいないってことをさっさと悠斗達に証明して帰ってゲームでもしよっと。


「しかしくらいな。懐中電灯、みんなの分持ってきたぞ」


おお、さすが筒井君だ!

懐中電灯持ってくるのすっかり忘れてた。

ピカーッと懐中電灯を廊下を照らす。でもこの廊下長っ!!!奥の方が見えないよ。

そうそう、問題の幽霊やら心霊現象やらは四階だった気がするけど、一応一階も調べるみたいだね。


******


「何もないじゃん!」


案の定、一階も二階も三階も何も変わったところはなくて玲奈ちゃんが我慢できずに叫んだ。

もう疲れたし何もないし、僕も帰りたいなあ………。


「もう幽霊なんていないんだから帰らないか?悠斗」


「圭吾、実はお前怖くて帰りたいだけなんじゃねえのか?」


「なにっ⁉︎」と反論する筒井君を無視して悠斗は話を始める。


「まあまて、噂の幽霊は四階だ。ここはまだ三階何もおこらなくてもしょうがないよ!」


「じゃあ早く四階行こうよ。私も早く帰りたいし、ここでしょ?上に上がる階段」


「あ、そうそう」


さーて四階を回れば帰れるー♪


******


「何もないね………」


咲ちゃんがそう言う。確かに何もない。幽霊はおろか心霊現象さえ皆無だ。


「あ、一周してきたみたい」


四階に上がってきた階段に戻ってきた。


「ほら、なんもないよ。早く帰ろうよ悠斗」


「く、くそ〜……」


と僕たちが話していると、


「お、おい……何か聞こえないか?」


筒井君がそんな事を言い出した。

うーん、確かになんかうめき声っぽいのが……。


「ちょっと調べてくるよ………。あれ?ちょ!」


いつの間にみんな階段降りて行ってる〜!てゆーかみんなはやっ!!!


「ちょ、ちょっと!」


…………しょーがない。

調べてこよう。幽霊なんて信じてないし、いるわけないし……。

このうめき声っぽいのだって絶対風がなんかだし……。



だいじょぶ、だいじょぶ!









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