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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
34/64

33.晴海は奏真と再会する


「全く、何ででないんだ?悠斗は~」


ピンポーンとチャイムを何回も押しているのだがなかなか悠斗が出てこない。

そしてなぜ僕がここにいるかと言うと。

僕は元の家から今の家に帰る前に本屋によってきたんだけど、そこで悠斗が欲しがってた本を見つけたから心優しい僕が買ってきてあげた。 ちなみにお金は2倍か3倍にして返してもらう予定。 まあ冗談だけど。

エッヘンと心の中で威張る僕。


ガチャ


「あれ?晴海か、久しぶりだな」


「うん」と返事を返そうとしたとき、悠斗の家の2階から「なに⁉」とものすごい大きな声が聞こえたあとドタドタと誰かおりてきた。


「ど、どーも相良さん!」


こ、こいつは奏真!?

なんで!?なんでそーまがここに!?


「え、えと…」


なんて返したらいいんだろうなあ。

いきなり「奏真!」とか言うと何で知ってるの?ってなるだろうし…。

多分奏真は僕のこと相良さんって言ってたから僕が海都だったとは悠斗から聞かされてないみたいだし…。

僕が何て返したらいいか困って考えていると


「そうそう!晴海。こいつは俺の中学時代の同級生の藤川だ」


「え、えーっと藤川くんね…」


さすがだっ!

悠斗ナイスフォロー!!!


「いやいや、俺は奏真って名前なので奏真君で構わないよ!」


「そ、奏真君…」


違和感があるといえばあるかもしれないけど中学の時とかはずっと呼び方はこんな感じだったから藤川君よりは違和感ないか。


「えーっと私は相良…」


「相良 晴海さんでしょ?悠斗からきいたよ!」


やっぱり悠斗に聞いてたのか。

でもなんでこんなにテンション高いんだろ?


「う、うん。よろしくね」


「こちらこそっ!感激っす!」


昔からちょっと奏真は変な人だなとか思ったりしたけど今でも変わらないみたいだね。なんか少し安心した気がする。 それと同時にこいつがこれからもこれでやっていけるのか不安もある。


「ところでなんか用あるんじゃないのか?」


僕と奏真が互いに自己紹介を終えたところで悠斗が聞いてきた。

そうだそうだ、すっかり忘れてた。


「うん。この本悠斗が欲しがってたやつ。たまたま見つけたから買っておいたよ」


「おお!どこも売り切れてるからもう諦めかけてたんだ!サンキュー晴海っ!!」


まさかこんなに喜んでくれるとは、僕も嬉しくなってくるな。やっぱり一応買ってきといて良かったね。


「うん。それじゃあまた今度…」


僕が別れを言おうとしたそのとき、


「待ってくれ!」


「ひょえ!?」


うわっ、また変な声でちゃった……。なんでビックリしたらこんな声が出ちゃうんだろうか。


「えと、どうした?奏真」


「悠斗、お前は目の前にこんなに暑い中お前のために本を買ってきて、しかもそれを届けてきてくれた、可愛い女の子がいるのにまたこの暑い中、本を買ってきてくれたお礼もせずに帰らせる気か?」


全部聞こえてるって……。

でも、僕は別に構わないんだけど。

家も数分歩けば着くくらいの距離だし。


「そ、そうだな。晴海、お茶くらい飲んでいかないか?麦茶くらいしかないけど」


悠斗が奏真に負けた!?

でも、悠斗がそう言ってるなら喉もかわいたし、ちょっとだけあがらせてもらうか。確かにまだ暑いし。


「うん。2人ともありがとう」


「おう、じゃああがれよ」


そういえば新しい悠斗の家に入るのはこれが始めてだなあ。前の家には僕が男子だったこともあってしょっちゅう行って遊んだりしてたけど………。


「ちょっとここで待っててくれよ」


「あ、俺のぶんもな!悠斗!」


悠斗は「へいへい」とだるそうに返事しながら台所?のほうに向かってった。

多分ここは居間だと思うけどかなり片付いてるし、綺麗だし、いいなあ、ここ。


「ところで、まさか相良さんと悠斗って付き合ってたりするの?」


奏真がかなり真剣な顔で聞いてきた。

な、な、何いきなり!?


「いやいやいやいや!つ、付き合ってなんかないって!!!」


第一、僕は体は女でも心はまだ男でいたいと思ってる。だから悠斗のことを異性としてなんてみれないし、みたくない!だって悠斗と付き合ったりしたら完璧に僕ホモだ!いやいや!僕だけじゃなくて悠斗もホモになってしまう!!!


「そっか。じゃあ悠斗じゃなくてもさ、他に付き合ってる人とかは?」


だからそれじゃあ、僕がホモになっちゃうって……。


「い、いないよ。今はこれから誰かと付き合う気とかしないし」


今は男の人は同性としか見れないからさ…。


「そっか。なんかもったいないけど、相良さんがいいんならいいんだと思うぞ、俺は」


そんなことを僕たちが少し話していると悠斗がお茶をコップにいれて持ってきた。

麦茶かあ。

そういえば麦茶って暑いときに飲んだりするとすごく美味しく感じちゃうんだよね。だから僕は麦茶は結構好きだったりする。


「ありがと」


「おう」


それからしばらく僕ら3人はワイワイとお茶を飲みなながら話していた。





結局1時間以上、悠斗の家でおしゃべりしちゃってたよ………。

















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