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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
32/64

31.悠斗は奏真と再会する

ども!阿部いりまさです!

実はとうとうこの小説も一ヶ月となりました!ここまで応援してくださった皆さんには本当に感謝しきれません!!ありがとうございます!

さて、今回は前回の晴海が実家に帰っているときに悠斗は何をしていたかという話です。番外編となってしまうかもしれませんがどうぞ最後まで!





「あっぢぃ……」


窓から入ってくる強烈な日差しに俺は思わずつぶやく。

夏休みに入って4日目の午前10時というところ、この俺、内田悠斗は夏休みだというのにこの梵城高校にきていた。

理由は、


「おい内田。今のところ聞いてたか?」


「え、えと、いえ…」


「しっかり聞いてないと、このまま2学期も赤点とることになるぞ」


「はい…」


そう、夏休みだというのに高校にきている理由とは1学期の成績が悪かったから、いわば、補習というものにきているのだ。

ほんとなら今日は海都でも誘って遊び行こうかとか考えてたのに。

昨日の昼間、俺は海都に「明日俺の補習が終わったらどっか遊びにいかないか?」とQINEで送信したところかえってきた答えは「ごめん。明日は昼間からでかける用事があるから!また今度埋め合わせするー」となんともやる気のない返信がきたのだが、その用事というのがなんなのかすごく気になってしょうがない………。


「まさか、デート⁉」


「内田、お前やる気あんのか?」


「あります!!!」


しまった、つい声に出してしまったらしい。でも、本当にデートだったらどうすればいいんだ?もし、デートだというならきっと相手は男だろう……。ということは海都はホモ⁉


「おいおい、なんだよさっきの?」


隣に座っている圭吾が話しかけてきた。

圭吾は学力的にはギリギリ合格というラインだったらしいが何でも宿題を出さなかったらしく罰として夏休みの補習に参加しているという。


「いやいや、何でもねえよ」


「めっちゃ真剣に考えてたじゃねえか。何だよデートって」


聞いてたんじゃねえかよ。

……まあ、こいつになら言っても問題はないか。


「実は昨日、晴海に明日遊べるか?ってメールしたんだよ」


「なるほど。それで断られたわけだ」


察しがいいなこいつ…。


「ん?まさか断られた理由がデートするからとかなのか⁉」


「いや、そうは言ってないけどさ」


「何だ。だったら心配ないんじゃねえの?」


「何でだよ?」


「相良ってそういうのに興味なさそうだし。何人の男子が相良にアタックしたことか、お前も見てただろ?」


「んまあ、そりゃそうだが」


海都、もとい晴海はあの始めてラブレターもらった日の後も誰かから1週間に2回は告白されたり、ラブレターをもらったりしていた。しかし当然と言えば当然だがそれを全て晴海は断っている。

そう考えたら圭吾の言ってることは正しいかもしれないな。


「でも、圭吾。お前手震えてるぞ…」


「震えてねぇよ!」


こいつ、やっぱり心配してんのかな?


「おい!いい加減にしろ!お前ら!!!」


先生に怒鳴られて俺と圭吾は慌ててノートをとりはじめる。



******



「全く、あいつのせいで散々な目にあった…」


只今の時間午後1時30分。補習も終わり俺は家に帰るために歩いてるところ。正確にいえば、今ちょうど海都が晴海となってから俺と始めてあった公園の前。

ちょっと疲れたし、暑いし、休憩していくかな。


「あ~、涼しい…」


海都ではなく晴海と初めてあったこの公園のこの位置のベンチは後ろに大きな木があるため、この時間から夕方くらいまで日陰ができる。その日陰の下はなんかすごく涼しく感じるんだよなあ。

少し日陰で休んでいると自分携帯がなった。

メールか、あっ奏真からじゃん、珍しいな。

えーっと、内容は、


『俺はお前のそばにいる。』


なんだこいつ……。

とりあえず返信しとくか………。


『そうかよ。気味悪いな。』


本当に気味悪くなってきたし、帰るか。


「おい、待ってくれよ!」


え?


「奏真⁉ なんでお前ここにいんだよ⁉」


「お前のことが心配になったんでな、様子を見にきてやった♪」


そう言って奏真は親指をたてながらニッと笑う。


「そうか……。じゃあな」


「おい!待てって!久しぶりに親友にあったんだからかける言葉くらいあるだろ~?」


「冗談だよ。そんなに焦るなって。それよりも久しぶりだな、奏真。会えて嬉しいぞ」


「おう、その言葉を待ってたぜ」


ところでこいつは海都が女子になってるって知ってるのか?知ってるなら知ってるでいいんだけど。一応言うのはやめとくか……。


「ところで悠斗、俺はやっぱり海都が死んだっていう実感がまだもてなくてよ…」


こいつはまだそんなことを言ってるのか、まあ当たってはいるみたいだが……。

実は、俺が海都が亡くなったとの情報を得ることができたのは奏真からのメールのおかげだ。


「海都は死んだんだ。この事実は変わらないだろ?」


「お前はすごいなあ。悲しいことがあってもすぐに踏ん切りつけられるんだから…」


「まあ、それが俺の長所でもあるからな」


実際海都は生きているのだから踏ん切りも何もないんだよな。


「ここじゃ暑いし、俺の家に来いよ」


「え?いいのか?」


「どうせその気できたんだろうが…」


「おう、バレちまったか♪」


なんてやつ……。

ああ、圭吾の相手の次は奏真の相手か、俺の夏休みって一体なんなんだろうな…。いやいや、もちろん圭吾も奏真も大切な友人だけどさ。何かこう女子に囲まれて夏休みを過ごしたかったなんて考えてたりする。

いや、まだ夏休みは始まったばかりだ!これから勝負だな。

俺はグッと拳を握る。


「何1人でガッツポーズしてんだ?」


奏真が何か奇怪なものを見るような目でこちらを見てくる。


「ほっとけ!」




んま、久しぶりにあったんだし、今回は大目にみてやるか………。















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