24.晴海は勉強する?
ども!阿部いりまさです。
今回で24話(プロローグ含めると25)となりましたが、今回は少し短めとなっています。申し訳ないですm(_ _)m
「じゃ、勉強やろっか」
「………」
明日は期末試験ということもあって今僕たちは近所のカフェで勉強するところ。でもなんで悠斗、昨日は勉強乗り気だったのに今は元気ないんだろ?
「悠斗、どしたの?」
僕は悠斗に聞いてみる。
「どーしたもこーしたもねーよ……。なんで、なんでお前らがいるんだ⁉」
「ぬけがけは認めないからさ」「私たちは晴海ちゃんに誘われたんだもん」「ねー♪」みんなが一斉に答える。どうやらお前らというのは咲ちゃん、伶奈ちゃん、筒井君のことみたい。
「さ、誘われたって、どいうことだ晴海⁉」
耳元で大きい声出さないで欲しいよ……。
「だって悠斗が教えてくれないかな?って言ってたからみんなで勉強教えてあげようと思って」
「ということだ!悠斗!さあ『俺達』が教えてやるよっ」
おお、筒井君はかなり勉強やる気みたいだねっ。少しはこのやる気を悠斗も持って欲しいなあ。
せっかく教えてあげるんだからっ。
「そーですか、わかりました~。俺トイレいってくる」
悠斗はそう言うとスタスタとトイレに行ってしまった。
ずいぶんいい加減な返事だったなあ。
「じゃあ晴海ちゃん、始めようよっ」
「咲もなかなかやる気あるね。私なんかわからないとこだらけだから逆に教えてもらうよ♪」
「伶奈、答えはあげないからねっ!」
「えぇ~、そんなあ……」
みんな楽しそうっ。
やっぱりみんな呼んで正解だったね!流石ぼくだなっ!
さあーて、じゃあ僕もぼちぼち勉強を始めよっかな。って思ったそのとき、
ウィーン
「うわっ、だっりぃ、マジやばかったな〜」
「ああ、このあとどうするよぉ?暇だよな」
ほんとにあんな人いるんだっていうくらいの人が店内に入ってきた。ヤンキーかな?ヤンキーっていうのかな?めっちゃチャライ感じの、
「ん?おお、君可愛いじゃーん?」
「俺ら暇なんだあ、これから遊ばね?」
こ、こんな時間に、こんな場所でナンパ始めた⁉ なんかおかしいよあの人たち!なにかんがえてんの⁉ でもナンパされてる娘がかわいそ……
「おう、お待たせー。ん?なんだお前ら」
え?あれ?悠斗?
なにやってんの?
「なんだよ、連れがいるんじゃねぇか…」
「しゃーねえ、帰ろうぜぇ」
ヤンキー達はそう言うと店から出ていった。あの人たちが店に入ってからぴりぴりしてたお店の雰囲気も元に戻ったみたい。
「内田君かっこ良かったねー」
「え? う、うん」
ほんとに悠斗すごいなあ、僕なんか見てる以外選択肢なかったもん。
でも、悠斗あの娘と何話してるのかなあ?なんか今、こっちのテーブル、指で指してたけど………。
あれ?あの娘出て行っちゃった。さては悠斗が変なことを……。
「ただいまー」
「内田君かっこ良かったよ!」
「本当だよ!悠斗!俺はずっとみてただけだったし」
そういえば筒井君もいたんだった。
「でも、なんであの娘出て行っちゃったの?」
僕は悠斗に聞いてみると、
「ああ、ヤンキーが店から出て行ったらその女の子がさ『あれくらいなら私なら退治できたんだからわざわざ助けてくれなくてもよかったんだけど』って言われてさ」
「なにそれ!せっかく内田君が助けてくれたのに⁉」
「まあまあ、それで俺が『暇なら一緒に勉強しない?』ってこのテーブルに指を指しながら言ったら『結構です』っていって店から出て行っちゃったんだよ」
へえー、クールなのかな?その子
「そんじゃ、勉強やるかあ」
悠斗もやる気になったみたいなのでそのあと僕たちは必死に勉強した。つもり……
つもりと言うのはそのあと結局30分くらいでみんないろいろと話し始めて勉強会ではなくなってしまった。
でもまあ楽しかったしいいかな……。
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ガチャ
はあ、なんか知らないけど疲れた。結局勉強なんてほとんどしてないし、でも僕も勉強はキライだし、でもやんないといけないと思うと何時の間にか机にいたりする。
そういえば僕って女になる前、つまり男のとき入る予定だった高校と今通ってる梵城高って結構頭の良さは違うはずなのに、なんで僕、勉強についていけてるんだろう?
「ああー、もうわかんないっ!」
そんなこと考えてたら頭がいたくなっちゃうよっ!!
考えるのはもうやめて寝ようっ!
明日テストだしっ!
寝よ、寝よ!