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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
18/64

17.晴海として始めての体育祭が終わる

どーも、阿部いりまさです。

体育祭編は今回で終わりです!

いろいろと考えてみましたが学校の行事などはだいたい3話くらいで終了させて、また普通の学校の話を書いていきたいと思います。

それではっ。





「咲ちゃんがんばれー!!!」



今はクラス対抗女子リレーの真っ最中、うちのクラスのアンカーはなんと咲ちゃんなのであるっ!

そして、今、咲ちゃんは最初は4番目だったけど、どんどん抜いて2番目の位置についている。でも、アンカーはトラックを2周することになってるからまだまだチャンスはあるし、咲ちゃんはどんどん1位との距離を縮めているっ!これは勝てるよっ!!

どうなるっ⁉


パアンパァン!


『ゴオォォル!1位はなんとアンカーになるまで4位だった1-Dですっ!』


「やったあ!やったね伶奈ちゃんっ!」


「わ、私は喜んでいいのかな…」


そうだった!今、咲ちゃんに追い抜かされて2位になったのは伶奈ちゃんのクラスの1-Bだったから、伶奈ちゃんは喜びずらいよね…………。


「でも、咲が1位なんだから喜ぶべきだよねっ!やったっ!!!」


ちょっと無理やりやってる感があるよっ!

やっぱり伶奈ちゃんだけ他のクラスってかわいそうな気がする………。でも1年たてば一緒のクラスになれるかもしれないしっ!……11分の1の確率だけど…………。

そんなことを考えているうちに咲ちゃんが戻ってきたみたい。


「おつかれっ!咲っ♪」


「うんっ。ありがと。晴海ちゃんもありがとうっ、応援、すごい聞こえたよっ♪」


「うんっ、おつかれさまっ!」


さてさて、この後のプログラムは男子のクラス対抗リレーか、こっちも盛り上がりそうだなあ………。あれ?全然盛り上がってないみたいだけどどうしたんだろ?



「はあ、女子が走る競技が終わっちまったな………」


「全くだ圭吾。ん?でも確か大縄跳びがなかったか⁉プログラムの最後に!」


「ん?お!ほんとだ!大縄跳びがあるぞっ!みんなっ!安心するんだ!俺らはまだ目の保養ができるぞっ!!」


「いよっしゃあ!」「やりー!」「体育祭大好きだあ!!」「早く大縄跳び始まれっ!」



あれ?なんかまた男の子達、盛り上がってきてる?いや、そりゃそうだよねっ。この後もリレー続くんだしっ!


その後リレーが始まった途端、また男の子達の盛り上がりはなくなってしまった。でもなぜか本日の体育祭の最後の競技、大縄跳び開始準備の放送が入るとまたもや男の子達がものすごい盛り上がりををみせたんだけど………



「おい、なんで女子と向かい合わせに跳ばないんだよっ⁉」


なんで筒井君そんなに熱いんだろう……。


「そりゃ、みんなが同じ方向向いてたらとびずらいでしょ?」


確かにその通り。さすが咲ちゃん、冷静な分析してるねっ!

あれ?筒井君ガックリして自分の位置にいっちゃった。しかもさっき放送聞いたときにかなり男の子達は盛り上がってたのにまた静かになってるし。

いそがしいねっ!盛り上がったり、静かになったり………。



「おい、圭吾」


「なんだよ悠斗……」


「俺らの隣のクラスは俺らと男子と女子の位置が逆だからとなりのクラスの女子は見れるぞ……」


「な、なに⁉ほ、本当だ!よっしゃあ!!」



なんかまた盛り上がってきてる。

ほんとにいそがしいねっ。しかもうるさいしっ!


『では体育祭最後の競技、クラス対抗大縄跳びのスタートですっ!』


パアン!



******



結果から言うと僕のクラスは大縄跳びは最下位だった。

この学校の大縄跳びは跳んでる最中に1回でも引っかかるとそこで終わりなのだけど、何故か盛り上がってた男の子達の誰かが3回くらい跳んだところで縄に引っかかってしまったのだっ!

僕たちはみんながっかりしてたけど、男の子達はなぜかずっと隣のクラスの跳んでるところをずっと見てたみたい。

全く!誰のせいでこうなったと…………誰だろ?


「残念だったね。晴海ちゃん…」


「うん…」


「全く!男子に文句いってきてやろうかっ!」


「や、やめたほうがいいと思うよ……」


何故か咲ちゃんが暴走気味になってる⁉

そんなに悔しかったの⁉


「冗談だよっ♪晴海ちゃん!」


なんだ、冗談だったのかっ。少し驚いちゃったよっ!


「しっかし最下位で終わっちゃったのに男の子達はかなり盛り上がってるよねえ…」


「だ、だいたいわかるような気もするんだけど…」


え?

咲ちゃんには今この瞬間なぜ男の子達が盛り上がっているのかわかるってことかなあ。

僕にはわからないやっ。


「あっ、そろそろ閉会式の時間だよね?」


「うん、そうみたいっ。放送がもう少しで入ると思うけど……」


『ただいまより、閉会式を始めます。生徒のみなさんは……』


「放送入ったねっ。いこっか晴海ちゃん!」


晴海か、僕のとっては、晴海にとってはこれが始めての体育祭なんだよね……。

始まる前は中学生の時のこともあって体育祭なんて運動できる人だけやればいいっ!とか思ってたけど、今回はちょっと楽しかったかな……。


「あれ?早くいこうよ!晴海ちゃん!」


「うんっ。今行くよー!」


それに……。


「あれ?晴海なにやってんだ?ほら、小宮山が呼んでるぞ」


「わかってるよっ!悠斗に言われなくたってねっ♪」


それに悠斗が優しいってことも再認識できたりしたしねっ。


「おまたせー!」


「うんっ。全然平気だよっ!」


そんな、僕の、晴海の体育祭ももう終わりかあ………。



******



「いやあ、惜しかったよなあ。あとちょっとで優勝できたのに!」


閉会式も無事に終わって、僕と悠斗は帰路の途中である。

体育祭の結果は1年だけだと2位、総合だと6位という結果だった。

当然のように総合での1位は無理だろうとみんなが思ってたのでみんな1年の中で1位になることを目標としていたのだけれど、結局うちのクラスは2位という結果だった。

でもそれでもみんながんばってたし、十分だったと思うんだけどなあ……。


「来年こそは優勝したいよなっ」


「したいよねっ。って、来年僕と悠斗が同じクラスとは限らないし……」


「お前、そこは「うんっ!そうだねっ」とだけ言っておけばよかったのに」


なんか僕の真似されるとちょっとムカついてくる…。

男の子の時からそうなんだよね。

それを悠斗は知っているはずなのに!しかも僕はそんな喋り方してないしっ!!


「悪いな怒んないでくれっ」


全く、悠斗は………。

でも今日は許してあげよっかな。


「次やったらほんとに怒るからね!」


「わ、悪い海都……」


そんな会話を続けているうちに僕のマンションの前に着いた。


「それじゃあ休み明けにねっ」


「おう、またな」


******


その日の夜、僕はベッドの中で、


「ふう、終わっちゃったかあ。晴海の体育祭」


今までの体育祭は散々だったけど、今回のは、




………楽しかったなっ!









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