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これからの僕(私)  作者: 阿部いりまさ
これからの僕(私)〜本編〜
17/64

16.晴海として始めて体育祭に参加している

どーも!阿部いりまさです。

今回は少し長めの回となっていると思われます。突然、悠斗のイケメン回を書きたくなったのでこの話にしました。

ちなみに()の中は悠斗の心の声となっております。

どうぞ最後まで!






「「晴海ちゃん頑張れ~!!!」」



遠くから咲ちゃんと伶奈ちゃん、


「相良さんがんばれ!」「負けるな!俺らの相良さん!」「俺らの相良さ~ん!!!」


そして変なこと言ってる同じクラスの男の子達、


「晴海ちゃ~ん!がんばー!!」


同じクラスの女の子達、


「晴海ー、もう少しだっ!」「相良さん、ファイト!」


最後に悠斗と筒井君が私を応援してくれてるんだけど、とても返事を返す余裕なんてないよっ!

なぜかというと僕は今、体育祭の競技の1つ、持久走に出ているのだっ。初めのほうに飛ばしすぎたせいで1km走る頃にはもうすでにクタクタだよっ、しかもどんどんペース落ちていって今はビリの状態だし…………

だけどあと半分もないところでさっきの同級生が応援してくれて少しだけ、力が戻ってきた気がする。


『ゴールです!走っていた選手はとても頑張りましたっ!皆さん、走っていた選手達に拍手をお願いします!』


は、はは、なんとかゴールできてよかったよっ………。結局最下位だけど。

ふぅ、自分の席遠いなあ、もう少ししてから戻ろっかな。それまであの日陰のとこで休んでよう…………。ああ、疲れたなぁ。



日陰で僕が休んでいると、


「あっ!あなたもしかして……」


へ?誰だろ?


「あ、ごめんねっ。急に声かけちゃって…」


「い、いえ平気ですっ」


「そ、そっか。よかったー♪」


ていうかなんなんだろうこの人。なんか僕に用でもあるのかな……。


「あっ!自己紹介が遅れたねっ。私は体育祭の実行委員長を担当してる2年の『榎田(えのきだ) 真純(ますみ)』っていうのっ。相良さんの噂は聞いてるよっ」


なるほど実行委員長さんか、でもなんかこの人、どこで会ったことあるようなないような………。

まあ、いっか。


「よろしくお願いしますっ」


「うん、相良さんに会えてよかったよっ。私と話してくれてありがとねっ♪」


「いえ、全然そんなのっ!」


そのとき、遠くから「榎田さん!早く~!」榎田さんを呼ぶ声が、


「あっ!仕事みたいっ。もっとお話したかったけど、しょうがないね。それじゃあ、またねっ♪」


行っちゃった。なんかいい人そうだなぁ。でもちょっと会ったことあるような気がするんだけど、思い出せないなあ。


僕が少しその場で榎田さんのことを考えていると、


「あ、いたいた。晴海ちゃ~ん!」


「あ、咲ちゃん!伶奈ちゃん!筒井君!悠斗!」


どうしたんだろ?みんなで来て、


「帰りが遅いから心配してたんだよっ。晴海ちゃん!」


「え?ご、ごめんねっ、伶奈ちゃん。ちょっとその日陰で休憩してから帰ろうと思って…」


「ていうかさっきの美人誰だ?」


む、筒井君はそういう話ばっかだねっ!


「俺も気になる」


悠斗もかっ!


「えーっとあの人は2年の榎田さんっていう先輩らしいよっ。あと体育祭の実行委員長をやってるんだって」


僕が説明し終えたら悠斗と筒井君は2人で「おおー」とか言ってる。


「それよりも早く戻らないとっ、もうお昼の時間になっちゃうよっ!」


おお、そういえばそうだった!どうりでお腹が空いてきたわけだよっ。

あれ?そういえば体育祭のお昼って、


「それじゃあ、両親待ってるから!」


「んじゃ、俺も母さんとこいってくる」


「私もお母さんのとこいかないとっ!」


あっ、やっぱりみんなご両親きてるんだね。結構な規模の体育祭だしねっ。

でも、僕はどうしようかな……そういえば、僕の家族は元気にしてるのかな………。


「おい、海都」


「ふぇっ!悠斗……。学校じゃ晴海だって言ってるじゃ…」


「まあ、いいじゃん、今は誰もいないんだし、それよりも一緒にご飯食おうぜ」


あれ?もしかして悠斗の家族きてないのかな?いやいや、男の子のときに悠斗の両親には会ったけどかなり親バカって感じだったしそれはないと思うんだけど………。


「悠斗の両親はきてないの?」


「ああ、仕事で来れないんだってさ。だから一緒に食べる人いないんだっ。1人で食べるのは寂しいから海都と一緒に食べたいんだ」


仕事ならしょうがないと思うけど、中学のときは仕事を休みにしてきたって悠斗のお父さんが言ってたような……。まあいっか。

僕も1人で食べるのは寂しいしっ。


「うんっ!食べよっ♪」


「よし、じゃあ中庭にでも行くかっ!中庭には保護者はそんなにいなかったし」


「うんっ」



******



「ふぅー、食った食った~」


「ごちそうさま」


あれから中庭にきたけど悠斗の言ったとおりほとんど中庭には保護者はいなくて、しかも生徒の大半は保護者のところか、もしくは食堂にいるため中庭には10人いるかいないかくらいだった。

そのおかげで悠斗とゆっくりしゃべれたし、まるで中学に戻ったときのような会話をしたりしてとても楽しかったよっ。


「あ、ごめん。ちょっくらトイレいってくるわ。すぐ戻るー!」


トイレってさっきいったばっかりじゃなかったっけ?

う、トイレのことばっか考えてたら僕も行きたくなっちゃった……。スポーツドリンクの飲み過ぎかなあ…………。


「荷物は置いといても平気だよねっ」



******



ふぅ、スッキリ~!

さてさて、早く戻らないと悠斗がきっと待ってるだろうしっ。


「全く、なんできてくれなかったの?」


あれ?この声………。聞いたことがあるような。


「いや、だから俺にも都合ってもんがあってだなあ」


あれ?この声は悠斗?

見に行ってみるかな、喋ってる人も気になるし。

えーっと、あっ!いたいた!あれ?悠斗と一緒にいるのは悠斗の両親?確か悠斗は仕事で来れないって………。

僕はそこで反射的にサッと建物に隠れた。


「全く、こっちはお前との昼食が楽しみだったのにな」


「俺はもう高校生だぞっ⁉」


「はあ、お母さんも悠斗との食事、楽しみだったのに、折角体育祭が始まった時からいるのに…」


え?


「いやだから……」


そっか…悠斗は僕の両親が絶対にこの体育祭に来れないことに気づいてて、それで、僕と昼ごはんを…………。

優しいんだね、悠斗。

そのとき僕の視界がどんどんゆがんでいった。

あれ?なんで、泣いてるんだろう……


「うぅ……う…」


泣いてるとこなんか悠斗に悠斗にみせられない!とりあえず戻ろう!!!

早く戻らないと、また泣いちゃいそうだよっ………。



******



(ったく、わざわざ携帯に連絡してくるなんて、なんて親だ)


あ、悠斗だっ!

もう、泣き止んでるよねっ。平気だよねっ⁉


「またせたな~、海都」


「お、おかえりっ。悠斗っ!」


「あれ?なんで目赤いの?」


え?ヤバイばれたらまずい……ていうかちょっと恥ずかしいっ!


「えーっと目にゴミが入っちゃって…」


「なんだ、とれたか?」


「とれた!とれた!」


嘘ってばれないよねっ。多分平気だよっ。きっと平気だよっ!


「……そうか、じゃあ午後の部始まるから早く行ってみんなと合流しようぜ」


ふぅ~、バレてないみたい、われながらナイス演技っ!


「うん、わかったっ」



さてさて、気持ち切り替えていかないとねっ!

ブンブンと僕は腕を振る。

僕が張り切ってるの後ろで見えてるかな?悠斗。


(相変わらず嘘が下手だな、海都は…)




よーっし、もう少しで終わるし頑張るぞーっ!!!


























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