9.晴海は新しい味を発見する
どーも!阿部いりまさです。なんか前書きに書くべき事がなくなってきたので今回はここまでで
コンコン……
「し、失礼しまーす……」
「ああ、晴海ちゃん!」
うお!お久しぶりですね、天野さん。
「あのー、何のようデスカ?」
「まぁまぁ、とりあえず会議室で話すからついてきてっ♪」
忘れている方もいるかもしれないので説明しておきましょう!
今、僕の前を歩いて会議室まで連れてってくれてるのが天国の人間の天野さんで、なぜか僕を女にした理由を教えてくれないんだよね…………。
そしてなぜか僕が通っている梵城高の教師をしているみたい。
最近は家にも帰って来なかったんだけど。
それで結局なんで僕は呼ばれたんだろ?
「はい、ここが会議室。さあ入って」
おお、この学校にきてから本当に驚くしかないなぁ、会議室ってこんなに広いものなのかなぁ。
「さあ、座った座った♪」
「そ、それよりなんで僕を呼んだんですか?それにちっとも家に帰って来ないし」
「もしかして心配してくれたのかな?」
くそっ!なんか殴りたくなってきちゃうよっ!
「冗談よ。ていうか私が帰らないってことはあなたが女の子の基本的なことができるようになったってことよ」
えっ?
つまりそれは自分でも知らないうちに女の子に、完全体になりかけているというのかっ⁉何処かの怪物とは違って完全体になんかなりたくないよっ!!!
「あ!それより早く僕を呼んだ理由を教えてくださいよ……」
はぁ、なんかいろいろとテンション下がるなぁ……………
「いやぁ、顔をみたかったのよ♪」
ダメだ、この人。もうやだ。カエリタイ。
ガタッ
「え?何処行くの?」
「そんな理由で呼ばないでくださいよっ!帰りますっ」
「えー?じゃあまた明日話しましょうねぇ」
僕は会議室をでたがこれからどうしよっかぁと悩んでいた。
う~ん、他のみんなは気になる部活あるからっていっちゃったし、今さら見学に行くってのもめんどくさいよねぇ……
「帰るかなぁ……」
帰ろうっと!
僕は心にそう決めた。
しっかしやっぱ昇降口もおっきいよねぇ、中学のころとは全然違うなぁ。あっ、中学といえばここは中等部、つまり中学校もこの校内にあったんだっけ?あんまりみないけどなぁ。
「あのー…」
「ほぇっ⁉」
しまった!また変な声が!
………でもこの人誰だっけ?えーっと、同じクラスの何君だったっけか………
「ご、ごめん!驚かせちゃったみたいで」
「いやいや、だいじょぶだよっ」
「相良さんだったっけ?」
「う、うん」
なんか向こうは覚えててくれてるのにこっちが覚えてないって申し訳ない気が……
「ちゃんと名前いっとかないとね。クラスの自己紹介でも言ったけど」
「な、何かごめんねっ!」
「いやいや気にしないでくれよ。俺は『筒井 圭吾』って言うんだ。よろしくね」
「こっ、こちらこそ!」
筒井君ねっ!よし!覚えた!……はず…
「相良さんこれから帰り?途中まで一緒に帰んない?」
む、どうするか僕には2つの選択肢がある。
①「いいよっ!」ニコニコ顔で
②「ごめん!友達待たせてるからっ」困った顔で嘘をつく
どうする、僕。ここは印象をよくするためにも①で行くべき?いや別に印象よくしても僕はそんな嬉しくないしっ!僕は男の子なんだからっ!!!
となるとここは②で行くべき?しかし、あとで嘘をついていたとバレると厄介なことになりそうだし…………
しょうがない、厄介事は嫌いだし、①でいってあとで理由つけてそそくさと帰ろう!それがいいっ!!!
「うん、いいよ」
「おう、じゃあ帰ろうぜ」
******
うう……何を話したらいいんだ…………
少なくとも校門を出るまでは少しだけ話をしたけど、校門でてからは「この学校てすごいよな」「そうだね」くらいの平たい会話しかしてない。今は結局何も話さないで10分くらいたってるし、しかも駅ついちゃったよ。
「そうだ。駅の改札で待っててよちょっと待っててよ!」
「う、うん」
言われたとおり駅改札で待つこと数分。
あ、戻ってきた。何してたんだろ?
「これ、俺の奢りな。それうまいんだぜ?」
そういって筒井君が渡してきたのは冷たい缶ジュース?
「へえ~、ありがとっ!って奢りはまずいよ!お金返すよ!」
「いやいや、いいって!」
「え、でも」
そんな感じに互いに譲り合っていると、
『ただいまから3番ホームに電車が参ります。お気をつけください』
「おっと、これ乗り遅れたらまずい!じゃあね相良さん!また明日!」
そういって筒井君はホームまでかけてってしまった。
どうしよう、このジュース………
飲んでみるか…………おいしい…
美味しいなっ!これ♪
全部飲み終わったけど美味しかったなぁ。
明日、筒井君にお礼言わないとねっ