前田
男「大学生は持ちつ持たれつ」
女「この2人、仲がいいのか悪いの…どっちなのかしら?男の友情?」
男
「そんなところだと思う」
女
「男女の友情の場合だと紙一重になってしまうかしら?」
男
「どうだろう」
前田は部屋に入ってくるなり僕のパソコンを覗きこんだ。
「まだやってんの?あはははははは~」
前田は笑った。さまになってる。
「何となくだよ」
机の前でのり弁の揚げちくわをかじり、僕は言った。前田は僕のベットにあぐらを掻きながら鮭弁の米を頬ばる。日曜の昼下がりの過ごし方は遊びに行かない限り、こんな感じだ。
「レポ書いたか?」
「いやまだ」
「脳内ばかり見てるからだ」
どうせ僕の書いたレポートを写すだけだ。
「うるさいな」
「進歩のないやつめ二ヒヒ」
ニヤニヤしやがって。
「お前はどうなんだよ?メールのことは?」
気になる質問をぶつけてみた。
「う~んまあまあかな」
真顔で前田は答える。
「なんだよ~まあまあってさ~もう飽きちゃったの?」
おどけた調子で僕は言った。
「…大きなお世話だ」
その時、前田の携帯がなった。すぐに前田は携帯を開き、慣れた手つきで、暗証番号を入力する。前田はジッとメールの文面を吟味しているようだ。
「なんだ?彼女からのメールかよ~」
僕は茶化す。
「…まあそんなとこだ。遊びに行かないかって」
悔しいが…
「行ってこいよ~脳内は『女』ばかりだろうが」
「はははは」
前田は笑った。
その後、僕たちはPS2のサッカーゲームをした。一昔前のデータだったけど、この選手は熱いとか、今はあそこに移籍したとかいいながら盛り上がった。2人の決着は中々着かなかった。
気のせいかゲームを始めて終始、前田は前髪を気にしていなかった。