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電車と中学生

掲載日:2026/06/09

 ある日の晩のことだ。いつもより一本遅い電車に乗った。

いつも乗っているバスが渋滞によって、終点の駅に遅くついたのが原因だ。

いつもの電車に乗るには時間的に難しい。仕方ないと割り切ることにする。

ゆえに、いつもより一本遅い電車に乗ることにしたのだ。

 しばらく電車に乗っていると女子中学生の2人組が乗ってきた。私の対面近くの席に座る。時間帯からして部活か塾などの習い事からの帰りだろうか。詮索しても意味はないだろう。

 タブレットで読書をする。休憩のため頭を上げる。すると、視線に気づいた。

先ほどの女子中学生の2人組がこちらを見ているのだ。はて、私は何をしたのか。考えても分からない。とりあえず会釈をしておく。何やら話し込んでいるようだ。

気にしても仕方ないため、読書を再開する。

 それからしばらくして、降りる駅に電車が着いた。私は立ち上がり降りる準備をする。

 先ほどの中学生の2人組はまだ座っている。次の駅以降で降りるのだろう。

 私のいつもと彼女たちのいつもは違う。たまたま私がいつもと違う電車に乗っただけで、彼女たちからすれば、いつもの電車に私がいた。ただそれだけなのだろう。

一期一会というやつかもしれない。

 そう考えた私は、降りる場所をいつもと違う所にした。

あえて彼女たちの目の前を通り過ぎるように歩いて行った。すれ違うように。

 彼女たちのほうを見ると、そのうちの一人が自分の髪を整えていた。後で知ったことだが、異性の前で髪の毛に触れるというのは「自分のことを認識してほしい」という心理の表れだそうだ。

 彼女たちにとって私はそういう人に写ったのだろうか。年上の人に憧れるというものだろうか。

だとしても、一回り年上の男性に憧れを抱くべきではないと思う。

それは学校の先生や父親など信頼できる人に抱くべきであり、一般の人に抱くべきではない。

 だからこそ、私は思うのだ。再会することなく一期一会のままであることを。

若い彼女たちの未来のためにもーー。


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