17話「仲間たちの奮闘と混乱」
翌朝、優斗の携帯には数え切れないほどのメッセージと着信が残っていた。彼はゆっくりと目を覚ましながらも、気が休まらなかった。すぐに起き上がり、美来の行方を探すための行動を再開した。
学校に向かうと、すでに友人たちが集まっていた。真白、瑠美、そして他のクラスメイトがそれぞれ情報交換をしていた。みんなの顔には疲労と焦りが色濃く見える。
「昨日の夕方、最後に美来を見たのは誰?」
優斗は冷静を装いながらも、内心は焦燥感でいっぱいだった。
「私たち、掃除のあと一緒に帰ろうって言ったけど、美来は『ちょっと用事がある』って言って、先に帰ったみたい」
真白が小声で答えた。
「その『用事』って……?」
誰も答えられなかった。みんなが未来の無事を願いながらも、不安の種がくすぶっている。
優斗は学校の掲示板に「美来を探しています」というチラシを貼り出す準備をしつつ、警察にも情報を提供し続けた。同僚たちもできるだけの手を尽くしているが、具体的な手がかりはまだ見つかっていない。
そんな中、SNSでは「未来ちゃん誘拐か?」という噂が瞬く間に拡散し、地域中がざわつき始めた。誤情報や憶測も入り混じり、学校や家庭に電話が殺到した。
「こんなことで動揺するなって言っても無理だよな……」
優斗は苦笑いしながらも、仲間たちの不安を感じ取っていた。
瑠美は普段は冷静なタイプだが、この日は顔色が悪く、時折涙をこらえるようにしていた。受験勉強も間近に迫り、集中できない状態だ。
「美来のこと、絶対見つけるからね」
真白は声を震わせながらも仲間たちを励ます。彼女の言葉に、みんなが少しずつ元気を取り戻していく。
一方で、優斗は警察署での捜査指揮に奔走していた。聞き込み、周辺の防犯カメラ映像の確認、未来の交友関係の調査――。様々な情報が集まるが、どれも決定的なものではなかった。
しかし、その夜、美来の祖父母が「孫の美来を預かっている」と警察に連絡を入れる。家族が知らなかった事情がようやく明かされる瞬間だった。
この知らせを受けて、優斗はすぐに祖父母宅へ向かい、未来の無事を確認する。未来は元気に笑顔で迎えてくれた。
「みんな、ごめんね。勝手に出かけて心配かけちゃった」
未来の言葉に、優斗の肩の力が一気に抜けた。
だが、誤解が解けたとはいえ、この騒動は地域中に大きな混乱をもたらし、多くの人々の心に深い影響を残したのだった。




