1-8 『悪党討伐』
誤字脱字、下手な文の構成にはなってると思いますが、大目に見てくれたら幸いです。((*_ _))ペコリ
風呂に入っている俺は優輝にトカゲ亜人の事を話すことにした。
「優輝、大事な話がある。」
「どうしたの?」
「俺の話を信用して聞いてほしい。」
ぽかんとしている優輝だが、時間もないため率直に話すことにした。
「今夜23時にトカゲ亜人が奇襲をしてくる。それから守るためにはお前は戦わないといけない。今日覚えた魔法使えるか?」
「使えるけど、なんでトカゲ亜人が奇襲するってわかったの?」
「詳しい事は言えないが、絶対トカゲ亜人は攻めてくる。だから、お前に防衛を頼みたいんだ。」
迷ってはいるが、俺を信用したのか何かを決意して俺を見た。
「わかった。僕がなんとかしてみせる。」
「あぁ、助かるぜまじで。」
そして私服に着替えて風呂場を出ようとしたら、個室のトイレの扉が赤くなっていた。
「光、あれって…」
「いや、大丈夫。心配するな。」
すると扉が開いた。
やっぱりアスラが出てきた。
「優輝落ち着け、この人はいい人だ、何もしないから大丈夫。」
少し気まづそうな顔をしているアスラ。驚いた顔をしている優輝ゆうき。
「今シャシが眠りについてるの、それにラミもいないからやりたいことやりたい放題なの」
「なるほどな」
「え?2人は知り合いなの?」
戸惑いながら話す優輝に事情を説明した。
「そういうことか。失礼な行動をして、すいませんアスラさん。」
「いえいえ、ただの誤解でよかったです。」
少し困りながら言うアスラ
「アスラ、君に協力してほしいことがある。」
「どうしたの?」
「今日イヴは、俺と優輝のことを警戒していた。そこで、俺たちは何者でもないことを、君が証明してほしいんだ。」
「私が証明…。そんなことをしたら、シャシや、ラミに怒られちゃう。」
「それなら、俺が強制的にやらせたって言っていい。俺のせいにしていいから頼む。このままだとイヴに殺される可能性もあるんだ。」
「…わかったわ。それなら、どうすればいい?」
「この屋敷は23時までに部屋に入らないといけない。そのルールを破る。風呂出たあとみんな食卓に行くんだ。そこで証明するんだ。」
「光いくらなんでも危なくないか?それこそ殺される可能性だってあるんだ。」
「優輝、俺を信じろ。」
本気だと信じさせるため優輝と、アスラを見た。
「わかった。」
こうして俺はアスラと優輝を連れて食卓へ向かった。
食卓にはイヴがいた。
「アスラ様、何をしていらっしゃいますか。」
動揺しながら聞くイヴ
「イヴ、この人たちは悪い人じゃない。十悪も、王国も何も関係ない無関係者なの。だから、怪しむのをやめて。」
「アスラ様、奥様の掟をお忘れですか。23時〜5時の間部屋から出てはいけないと。そして、なぜ彼らを庇うのですか。」
少しずつだが、イヴから精気が出ているのを感じる。
「今すぐどいてください。彼らを排除します。」
「それはできないわ。彼らはいい人なの。シャシもそれは認めているわ。」
「何してる。」
イヴの精気に気づいたのか、ゴンもダイニングルームに来た。
「アスラ、なんでお前がこの時間帯に。しかも、なんで客人と一緒に…」
「ゴン聞いて、彼らは決して悪い人じゃない。逆に、いい人なの。」
「アスラ…」
「ウェザー様、私たち2人で彼らを拘束しましょう。」
「拘束でいいのか。」
「2人ともちゃんと話を聞いて!私のことを認めてくれたの!人として!ちゃんと話してくれたの!」
「でもアスラよ。客人は昨日来たばっかだ。どうなるかわからない以上何もできない。」
「シャシは何度か光さんと会ったの、でもシャシは彼を攻撃しなかった。」
「シャシが攻撃しなかったのか。」
「ゴン。頼む、信じてくれ。」
「ウェザー様、今すぐにでも彼らを拘束しましょう。」
ゴンが悩んでいる。
「この数百年客人を正体は何度もあるが宿泊させたのはこの2人が初めてだ。イヴもわかっているだろ。ラミの違和感に。」
イヴもゴンもラミに違和感があったらしい。それに宿泊させたのが俺たちが初めてなんて。
「では、奥様の意見を待ちます。」
「俺はアスラを信用してみよう。」
ここで一旦は信用を保てた!嬉しいと思ったのも束の間屋敷の全ての明かりが消えた。
そしてキッチンからガラスの割れる音が聞こえた。
「侵入者!?」
そう言いゴンとイヴはキッチンへ駆け込んだ。
「イヴ!ゴン!」
俺もあいつらの後を追った。
「えぇ!?まさかトカゲ亜人って…。」
優輝も俺についてきた。
「ちょ、ちょっと!」
アスラもついてきた。
キッチンに入るとイヴとゴンが戦闘体勢に入っていた。
「お前、何者だ。」
「私は十悪 偸盗担当マロン・フリューリ様の使者、カール!スカーレット・ラミへの復讐に来たのさ!」
「ちょっと待った!」
「ん?貴様は?」
「覚えてないのかお前。路地裏でお前に一泡吹かせた。菅原秀光だぞ!」
「光がやったわけじゃないけどね。」
「あぁ、路地裏にいた2人か。ここで出会えるとはな。」
余裕そうな顔をしたトカゲ亜人。勝てるかは正直不安なところではある。でもここでやらないとどの道みんな殺される。もうあんな地獄をやらせない。あの痛みを忘れない。
「お前弱すぎないか?トカゲ亜人」
「いきなり何を言う?」
「お前ラミに軽くボコされただけで、そんな復讐とか言ってんのかよ。どうやら能力だけじゃなくて、メンタルもボコボコらしいな!」
「改人のくせに生意気な。その余裕私が吹っ飛ばしてくれる!|」
「やってみろ能無し亜人!」
「糸呪!」
何本もの糸が俺の目の前に飛んできた。
「ぬおぉ!」
ゴンが勢いよく俺の前に飛んできた。
「な、なんだ、なぜ糸が刺さらない!?」
「悪いな、俺はそこらへんのゴリラと違って鍛えてあるんだ。それに、祈祷も使えるわ!」
糸を弾いて、右腕を大きく振り回しトカゲ亜人へ拳を放った。だが、トカゲ亜人も準備はしてきていた。彼はゴンの攻撃をかわしてキッチンの右奥へ逃げた。
「私が祈祷を使えないとでも思っているのか?全て、見え見えなんだよ!」
そう言い炎の玉を出した。だけど、それは解決できる。なぜなら
「雨の集!」
恐ろしい水玉だせるイヴがいるからだ。イヴの放った水の玉がトカゲ亜人の炎の玉を包む。包まれた炎は水の中でなくなった。
「ちぃっ。メイドのくせに出しゃばるな!糸──」
「火ノ玉!」
優輝の撃った火の玉がトカゲ亜人の左側腹部に当たった。
「んぐぅ!」
使い慣れていない魔法だからか不完全な魔法になってしまったのだろう。ただ、それでも、その不完全さが逆に祈祷では対策できず、ダメージを与えていた。
「私の『火よ、力を』の祈祷が、よりにもよって火ノ玉に貫通させられた?…」
「お前はその程度なのに、よくもまぁ、ラミに復讐を考えたわ、しかも、しょうもない理由で。」
「うるさい!」
トカゲ亜人の背中から大量の燃えている糸が出てきた。
「なんだあれ!」
ゴンが驚いてる。多分この攻撃はゴンの筋肉でも防げない。
「貴様たちが攻撃するより、私の燃糸呪の方が早い!」
そして狙い撃ったのはゴンでも、俺でもない。一番後ろにいたアスラを狙った。
誰も守れない。
そう思ったが、俺は咄嗟にアスラへ飛びつき体勢を崩させて、攻撃を避けた。その時徐々にスピードが上がっていた。
「な!?」
トカゲ亜人は驚いていた。ゴンもイヴも驚いていた。
「なんだ今の速さは…って!」
俺は一ミリも猶予を与えないため、みんなを傷つけさせないためトカゲ亜人へと走っていた。
「うおりゃあああああ!」
俺は思いっきりトカゲ亜人の顔面目掛けてスマッシュをした。
「ぶるりゃ!」
スマッシュをし、宙に飛ぶトカゲ亜人。そして倒れ込んだ。
「今のは、お前まさか、誓いの祈祷か!」
俺は精気を使うための練習中、みんなを守ることを誓った。その誓いの祈祷が今トレーニングルームにいた時よりも強く、速く祈祷が発動していた。
「これが俺の誓い。『友に誓って』!」
それでも、トカゲ亜人はまだ動けそうだった。
「よくやった光!」
そう言いゴンがトカゲ亜人に駆け寄り、トカゲ亜人の腹に一撃喰らわせた。そしてトカゲ亜人は動かなくなった。
「やった、倒せたー!倒せてよかったー!」
「よくやってくれた光。」
イヴが焦りながらアスラに近づく。
「アスラ様、お怪我はございませんか?」
「私は大丈夫!だけどみんなは大丈夫なの!?光は!?光は無事!?」
体勢を立て直したアスラ。
「俺は無事だ!優輝は!」
「大丈夫。僕はノーダメージだよ!」
みんなが無事でほっとした。
「俺はこいつを地下に閉じ込める。」
「その地下は安全なのか?」
「あぁ、縛りの祈祷がある。縛りがある以上それが解かれるまで何も問題はない。」
どうやら中央階段の裏に地下へ向かうために扉があるらしい。
「だがこいつ、なんで妖怪なのに、祝福を持っているんだ。」
「これ祝福なのか!?祝福って、改人にしかないものじゃないのか?」
「そうだ、だからおかしいんだ。こいつが祝福を使えるのが。まさか、マロン・フリューリは祝福を分け与える能力なのか?」
そんなことを言いながらゴンはトカゲ亜人を引っ張り、そこへ向かった。
「アスラ様、今日はもう休まれては?」
「うん。でも、2人はどうなるの?」
俺と優輝を指さす。
「お客様は、奥様のご判断でどうするか決めます。私からは手は出しません。ご安心を。」
とりあえず今日は大丈夫なんだと安心した。そんな時アスラが俺に近づいた。
「光さん…いえ、光。本当にありがとう。みんなを助けてくれて、私を助けてくれて。」
嬉しい顔をして話すアスラ。
「俺はみんなが無事で何よりだ。アスラもその可愛い笑顔を守れてよかった。」
「私は子供じゃないからね?」
そう2人で笑い合った。
「げ、光…お前、その手…」
俺の右手を指す優輝。右手を見てみたら。右手がものすごい焼けていた。それに、腹も痛くなって腹をみたら、血だらけになっていた。
「あ。」
気づいた時には意識は飛んでしまった。
「光!?」
2人の声が聞こえたが俺はそのまま倒れた。
目を覚ますと俺は寝間着になって寝室で寝ていた。
あれ、俺生きてるのか?
右手や腹部を見ても何も傷がなかった。
窓を見ると今は朝らしい。
もしかしてまたループなのか?この地獄は終わってないのか?
コンコンコン
誰かがドアをノックした。もしこれがイヴなら…。
そう思ったがそれは違った。
「光?起きた?」
その声の主はアスラだった。
「アスラ!?」
俺はすぐに起きてドアを開いた。
「良かったぁ、もう心配したんだからね!」
朝早くに目の前にいるアスラに俺は驚きを隠せなかった。
「なんで朝から外出してんの!?」
「ラミとシャシに話してね。今は廊下に出ていい許可を貰ったの。それにお客さんか来ない時は大体いつも彷徨いてるわよ。」
朝、窓から入る陽の光を浴びたアスラはとても美しく、鮮明に見えて、俺は見惚れていた。
「光?」
「あ、あぁごめん。てかなんで俺の怪我が治ってんだ?」
「とりあえず、会議室においでよ。」
こうして俺は会議室へ向かった。
「2人とも、どういうことか説明して欲しいわね?」
ニッコニコに圧をかけながら話すラミ。どうやら朝には帰ってきてたらしい。
俺と優輝は、正座してラミの話を聞いていた。
「あの、僕は悪くないです。全部光の考えたことです。」
「はい、俺がやりました。すいません。」
土下座して謝るが、ラミは一生ニコニコしている。
「それじゃあ、みんなどう思ったか聞いてみましょうか。」
ラミは目線をゴンにやった。
「ゴン、あなたはこの2人についてどう思った?」
「俺はこの2人を生かしてもいいと思う。2人はトカゲ亜人をボコボコにした。それに、潜在能力が異常だと認識している。」
次にラミはイヴを見た。
「イヴ、あなたは?」
「私はまだ信じきれないところがあります。ですが、十悪ではないと思います。全ては奥様の判断に任せます。」
「シャシ、あなたはどう思った?」
「普通に何もしなくていいと思うよ?だってあたいは心情を読めるけど、この2人に1ミリも悪意は無いしね。あたいは全然一緒にいてもいいと思うよ。」
「分かった…なら、彼らにはアスラの存在を知らせておきましょうか。」
「質問させてくれ!なんで、アスラはそこまで隠されないといけないんだ?」
俺がずっと気になっていたことだ。いくら差別が酷いからと言ってここまでのものなのか。
「アスラは修羅の乱を起こした阿修羅と容姿が似ている。みんなそれと似た者に怖がる。それに都市伝説で、阿修羅はまだ生きている説だってある。あのトカゲ亜人も見たでしょ?変な理由で、いつ何されるか分からない。だから安全を第一に私はアスラを家から出さないようにしているの。」
「だからって、ここまで縛るものなのか?アスラにも外に出てみんなと話すことくらいさせて上げろよ。」
「正直な話、あなた達がおかしいのよ。修羅の乱という怖い過去があるのにあなたたちは気にせずアスラと話せてる。それに、忌み子のリリスや、イヴにも抵抗なく話せてる。」
「僕たちは差別とかは好きじゃないですからね。誰とでも仲良くしたいですよ。」
「あなたたち、まるでこの世界の改人じゃないみたいだわね。」
俺は何故か背筋が凍った。一瞬、脳裏に自分たちの存在がバレているんじゃないかと思ったが、何も伝えてないから何も知らないはず。
「そこまで言えるなら、あなたはアスラと外を出歩けるのかしら?」
「やってやろうじゃねぇか?デートだ!デート!」
「デート?何を言ってるの?」
この世界にはデートという言葉がないらしい。
「いや!散歩だ!散歩!」
「散歩ね。いいわよ。なら、シャシも含めた3人で外に出歩きなさい。そこで結果がどうなるか見てみようじゃない。」
「なんでもやってやる!アスラを救う男だぞ!かかってこい!」
「アスラはやる?光と買い物しに行く?」
「シャシがいてくれるならやるわ。」
「それなら、万が一を想定して私が不在じゃない時がいいわね。1週間後に1日だけ、3人とも遊びに行っていいわ。」
こうして俺は、1週間後、1日だけ外出をしていい許可得た。
「僕からも質問なんですが。」
優輝から手が上がった。
「トカゲ亜人はどうするんですか?」
「私があいつを王国まで連れて行くわ。そうすれば問題はない。」
「それと、なぜ僕たちを住ませようと思ったんですか?」
この質問に全員の目線がラミに向いた。
「私の祝福は、普通とは少し違ってずっと使われるようになってるの。気になる運命を感じられたり、この人と関われば、何か起きるってわかるの。あなたたちは、精気も使えない、第七感も出ていない。それなのに、あなたたちには何かするべきなんじゃないかって、運命が感じたの。」
ラミの祝福はフルオートで発動しているのか。それで、俺たちに何かを感じたから、俺たちを住まわせたってわけか。
「ただ、私の運命も必ず正しいわけじゃない。『何かするべき』と言うのがその人と協力するべきなのか、それともその人を殺すべきなのかって、そう言うこともある。」
突然の殺すと言う言葉に俺たちは驚いた。
「イヴがあなたたちを警戒している理由はそう言うことよ。私もあなたたちを警戒している部分はあるわ。だから、出張中イヴに監視させたのよ。」
だから1回目のループでイヴが俺たちを殺そうとしてたのか。
「ま、今回は大事にならなくてよかったわ。」
最終的に、みんな無事でなんとかはなったが、いざ考えてみると色々違和感でしかない。
ラミは疑いながらも俺たちを住まわせた。
俺の祝福が多分精神崩壊で起きるリピート。
そして俺が今一番疑っているのはアスラだ。アスラは差別が理由でここまでされないといけないのか?それとも、アスラにも別の理由があって、ラミはアスラを住まわせたのか?
「さて、私は早速トカゲ亜人を王国に連れて行くわ。みんな、争いなく平和に過ごしなさいよ?」
ラミはトカゲ亜人を持って屋敷を出た。
リリスとイヴは洗濯物を干すため庭に行き、ゴンはトレーニングをするため外に出た。
会議室に残ったのは俺と優輝、そしてアスラとシャシだった。
「アスラ、率直に聞くけど、外の人たちと顔を合わせたらどうなるんだ?」
「驚かれるか、怖がる人もいる。けど、普通に対応してくれる人もちょくちょくいるよ。」
「親はどうなんだ。娘がそんなことされていたら、キレるだろ。」
「私は親のことはよく知らないの。」
親を知らないことに驚いた。
「なら、今どうやって…」
「私は今までシャシに育てられてきたわ。廃墟になった小屋を整備して、シャシがいつも食べ物を補給したり、暇つぶしになるもの持ってきたり。」
あのゴスロリにそこまでの能力があったことにも驚きだが、アスラを捨てた親にも驚く。
アスラと阿修羅の容姿が似ていただけで、子供を捨てるのか?
「シャシはアスラの親を知ってるのか?」
「知らないな〜。あたいは元々、廃墟の妖精だったんだけど、気づいた時には籠が置いてあったんだ。見たらそこには小さいアスラがいてね。」
「だから、私の親はシャシだと思ってるの!」
「ラミとアスラさんが、出会った理由はなんです?」
「あたいとアスラの住んでいる小屋をたまたまラミが見つけてね。ここに暮らしてもらってるの。」
色々理解できた。これなら3日後の1週間デートを何とか乗り切れそうだ。
「そういえば、君たちはどこから来たの?」
何も疑わず質問してくるシャシ。
「えー、東の果て ルーズリーエから来た。」
「あー、あの平和の象徴とされている場所か。」
「あはは、そうそう。」
適当に話を流せば何とかなる。
「もしかして、君たち、あそこが平和の象徴にされている理由を知らないな?」
勘づかれたか?適当に流したのがまずいか?
俺たちは首を振った。
「これだから、引きこもりは。」
ばれてなさそうだった。
「いいかい?あそこは昔、修羅の乱が起きたところだ。三英傑がいなければ阿修羅によって破壊されていた。そこであの場所だけでも守ろうと、だから平和の象徴とされているんだ。」
「東があるなら、西もあるのか?」
「当然、西の果てもあれば、北も、南もある。」
「それ全部平和の象徴なのか?」
「君たち、ほんとにこの世界の改人かい?」
無知すぎるあまり疑われてしまう。
「北の果てが君たちのいた王国、ドラ王国じゃん。それに戦争状態になりそうな南の果ての国アダム帝国、立ち入り禁止域西の果て ファラル。わかった?」
「待て待て、戦争状態!?」
「はぁ、緊迫した状況すら気付いてなかったの?忌み子たちが集結してアダム帝国の勢力が大きくなってるんだよ。だからドラ王国は今、神威者や、騎士を集めてるわけ。それに、十悪も最近は動き始めてるって言われてるんだ。緊張感持ってよ。」
どうやら、この世界は今とてつもなく緊迫した状況らしい。というか、もう一つ国あったのか。もしかして、これに人々は敏感になって、いろんなことに警戒してるのか?
「とりあえず、魔法の勉強でもしたい?」
「そうだな。アスラも一緒に教えてくれ。」
「うん!」
「僕にも教えてよ!。」
こうして俺は、アスラとも距離を縮めることに成功し、地獄のループを抜け出すことに成功し、日を終えた。
いかがでしたでしょうか。もし何か不満や、感想、意見などありました言ってください。今後の物語を書くための補助にさせてもらいます!