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ワンサイコ・リピート  作者: anon
第1章 『絶望の始まり』
7/9

1-6 『朝は訪れる』

誤字脱字、下手な文の構成にはなってると思いますが、大目に見てくれたら幸いです。((*_ _))ペコリ

 気付くと俺はベッドの上にいた。時間を見ると朝8時。俺は混乱していたが、全ての感覚を思い出して吐きそうになった。

 気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い

 それしか考えられなかった。

 それに、誰かが『サイコ・リピート』と言っているような気がした。

 そんな事を思っているうちに誰かがドアをノックした。


 「お客様、お食事の用意が出来ました。」

 イヴが来た


 「あ、あ、あぁ今すぐいく」


 そう答えたが、なぜだか不思議な感覚だ。夢にしてはあまりにもリアルすぎる。それに痛みも感じていた。これはいったい。

 そう思いながら俺は昨日着た私服に着替えて食堂に行った。

 食堂にはゴンと優輝ゆうきがいた。


 「み、みんな大丈夫なのか?…」


 「大丈夫って何が?」


 どうやら何も覚えていないらしい。あの事が起こったとわかるのは俺だけらしい。


 「あ、あの、ラミとリリスは?」


 「奥様と姉様は出張により今日1日中いません。それと、お客様へ奥様からの伝言です。今日1日中屋敷にはいないから、好きにしていてほしい。とのことです。」


 セリフも、食卓に並んである食事もすべてが同じだ。

 俺は食欲がなく食事を済ませた優輝(ゆうき)は俺と一緒に図書室に行った。


 「な、なぁ優輝(ゆうき)お前、体は大丈夫なのか?」


 「体?なんのこと?」


 そう言う優輝(ゆうき)の姿を見て安堵した。優輝(ゆうき)は生きてる。それだけで涙が出た。


 「ど、ど、どうしたの!?」


 「い、いやなんでもない…」

 この事情を話せるわけないと思い黙ることにした。


 「そういえば(げん)さ、昨日の夜誰と話してたの?」


 「え?だ、誰ってアスラだけど…」


 「アスラ?誰のことそれ?」


 どうやら本当に誰も何も覚えていないらしい。


 「あ、いやなんでもない。ただちょっと寝ぼけてただけだ。」


 「あぁ、そう…」


 優輝(ゆうき)は読書を始めた。俺はもう内容は知っている。


 「優輝(ゆうき)悪いんだけど、1人で勉強しといてくれないか?」


 「え?(げん)はどうするの?」


 「俺はイヴに用があるのを忘れてた。待っててくれ」


 そして俺はキッチンへ向かった。


 「お客様、どうされましたか?」


 「いや少し聞きたいことがあって…」


 この話をどう説明すればいいかわからない。嘘と思われる可能性もあるし、これで関係が悪化する可能性だってある。だが、事実を言わない限り対策ができない。


 「十悪っていう組織知ってるか?」


 「十悪…はい、知っています」


 「その十悪について聞きたいんだ。」


 「お客様、十悪を知らないのですか?」


 「あぁ知らないから聞いているんだ」


 驚きながらも少し考え込むイヴ


 「十悪は改人(カイジン)たちだけの組織で、阿修羅の復活を望んでいる組織です。」


 「阿修羅復活?」


 「はい、阿修羅とは昔、この世界を滅ぼしかけた存在です。それを止めるべく修羅の乱が起きました。そこで阿修羅を殺すことに成功したのです。その殺した人物たちが三英傑とされています。そして、殺された阿修羅の復活のために十悪という組織があるのです。」


 「十悪は何が望みなんだ?」


 「それは改人(カイジン)だけの世界を創ることです。世界を滅ぼせるほどの力を手にすることで十悪は改人(カイジン)だけの世界を創ろうと考えています。」


 十悪は終わっている集団なのは理解できた。


 「その組織に偸盗担当っていうのはあるか?」


 「十悪にはそれぞれ担当があります。

 殺生担当

 偸盗担当 マロン・フリューリ

 邪淫担当 ブラッディ・メアリー

 妄語担当 

 綺語担当 一条マキノ

 悪口担当 ルルシュカ

 両舌担当

 貪欲担当 アイソ

 瞋恚担当 村正万葉

 邪見担当

 この10人で構成されています。」


 「多いな。名前が出てない担当もあったが。」


 「担当は存在しますが、誰なのかが未だにわからない状態なのです。ここまで聞いて何かあるんですか?」


 「いや、読書してたら十悪って出てきて、わからなくなって聞きに来ただけだ。」


 十悪は阿修羅復活を望んでいる。ただ、復活を望んでいるだけで俺たちに手を出す理由がわからない。トカゲ亜人はラミの報復のために来ている。いやでもあいつは『私は十悪 偸盗担当マロン・フリューリ様に糸呪(スパイス)という力を借りたのさ。』なんて言っていた。あいつは十悪のメンバーではなく下っ端?


 「お客様、何か悩み事でもありますか?」


 「いやなんでもない。教えてくれてありがとう。図書室に戻らせてもらうよ。」


 俺は図書室に戻った。


 「お、(げん)!」


 「すまん!一旦トイレ行かせてくれ!」


 「次はトイレかい!」


 そして俺はトイレの個室に駆け込んだ。そこで扉が赤くなるのを待った。しかし、いつまで経っても扉が赤くならない。おかしい、俺の記憶が正しければそろそろ赤くなるはずなのに。


 「(げん)?」


 優輝(ゆうき)が入ってきた。


 「どうした優輝(ゆうき)?」


 「いやずっとトイレにこもっているから心配で来たんだけど。」


 「すまん、ちょっとお腹壊しちゃったぽいわ。もうそろ出るから本読んで待ってて!」


 「了解。」


 そう言い引き返す優輝(ゆうき)。結局扉は赤くならないままだった。俺は、とりあえず図書室に戻り様々な本を読んだ。そこでわかったのが、阿修羅の容姿がアスラと一致していること、修羅の乱の三英傑が

 最初の王 インドラ

 剣聖 村正千寿

 大妖精


 そして自治問題の本を見るに、この世界は差別が激しい。特に阿修羅と容姿が似ているアスラが差別されやすいのだろう。だからアスラはこの屋敷からほとんど外に出ない。

 そんな劣悪な環境で育ったアスラ、アスラがやったわけでもないのに容姿が原因で差別されるというのに腹が立った。


 だが今は時間がない。俺しか覚えてないループで23時現れるトカゲ亜人をどう対処するべきなのかをこの短い1日で考えないといけない。


 「(げん)よくそんないっぱいの本読めるね。」


 そうだ。優輝(ゆうき)はループ前どれだけ勉強してたか覚えていない。だから俺が少しの勉強だけで大量の本を読めていることに驚いているんだ。


 「優輝(ゆうき)悪いんだけどイヴに勉強教わっててくれ。ほかにやらないといけないことを思い出した。」


 「おっけー?」


 俺は図書室の隅にある本を漁りに漁った。そこにはバフ専的と言いう本と、クウォーズという魔法の本があった。俺は早速本を読んでみたが、どちらも共通しているのは精気(スピリット)を放出さないと魔法は使えない。ただ、精気(スピリット)をどう放出させればいいかなんてわからないし、そもそも精気(スピリット)が俺にあるかなんてわからない。


 どうすればいいかわからなくなった俺はループしたことを優輝(ゆうき)に伝えることにした。優輝(ゆうき)は俺の信頼できる親友だからだ。優輝(ゆうき)のところに戻るとイヴが優輝(ゆうき)に勉強を教えていた。


 「イヴ悪んだけど、少しだけ優輝(ゆうき)と2人きりにさせてくれ。」


 「かしこまりました。」


 イヴは図書室から離れてくれた。


 「相談なんだが、その、何と言えばいいか。」


 何も知らない優輝(ゆうき)に、ループ前に自分が俺の手によって殺されたなんてどう伝えればいいのか。


 「なんでも話して、親友の(げん)を僕は信じているから。」


 俺の悩んでいる顔を伺って察してくれたのか、少し楽になった。


 「ありがとう。じつは、実は俺ループ──」


 ループしていることを伝えようとしたが、口が動かなくなった。その時、ループ前の背中が焼けている時と同じくらいの痛みが背中を走り、俺は床に倒れた。


 「ぐあああああ!」


 「(げん)!?」


 一瞬の出来事だったのに、痛いという想いだけで頭の中が埋まった。


 「どうしたの大丈夫!?」


 「お客様、どうされましたか!?」


 俺の叫び声を聞き、少し驚きながら駆け寄るイヴ


 「せ、背中がぁ!」


 「失礼します!」


 服をビリビリに破いたが、イヴは何もしなかった。


 「お客様、お背中には何もありません。」


 痛みはあったのに、背中には何もない。俺は立ち上がったが、さっきの痛みをまだ感じている。


 「痛てぇ…」


 「(げん)、今日本当に大丈夫?…」


 心配しながら話してくる優輝(ゆうき)だけど、何も大丈夫じゃない。トカゲ亜人もくるのがわかってて進歩がない。このままだと、みんなあいつに殺される。そんな景色を見たくない。そう思うと痛みなんて忘れる。


 「あ、あぁ大丈夫、大丈夫…イヴも、下がってくれ。」


 しかし、イヴは固まっていた。顔を見たら、その目は生き物を殺すかの眼をしていた。


 「雨の集(ウォール)


 イヴが言うとイヴの後ろには大量の水滴が出来ていた。


 「伏せて!」


 俺は優輝(ゆうき)に押し倒され一緒に本棚の後ろに隠れた。水滴がまるで銃弾のように早く撃ってきた。それも威力は壁を貫通するほどだ。奇跡的にも一粒も俺たちには当たってない。


 「イヴ!どうしたんだよ!なんでいきなり撃ってきた!」


 「お客様…いえ、菅原さんと島田さん。あなたたちはやはり使者だったのですね!」


 ものすごい怒鳴り、何かに怒っているイヴ。


 「使者?おいおい何言ってるんだよイヴ!」


 「惚けないでください!それほどの精気(スピリット)を出しておいて、使者でもないは無理があります!」


 「イヴさん!悪いけど僕たちは何も知らないし、使者でもない!」


 「よくもまぁのうのうと!どうせ十悪の使者で、奥様と姉様の殺害が目的なのでしょう!」


 「そんなことするわけ──」


 さらに大量の粒が撃ってきた。本棚もボロボロでいつ壊れてもおかしくない。


 「(げん)!水滴が無くなったら、走って屋敷を出よう!」


 「おう!」


 そして発砲する様子がしなくなった。


 「今だ!」


 勇気(優希)の合図と一緒に2人で玄関まで走った。


 「雨の集(ウォール)!」


 振り返ると今度のは小粒なんかじゃない大粒ばっかだ。


 「玄関まであと少…!」


 いきなり黙り込む優輝(ゆうき)の顔を見た。その顔は恐怖していた。


 「(げん)左に避けて!」


 優輝(ゆうき)は右にある廊下に倒れ込むように避け、俺は咄嗟の言葉に遅れ左にある廊下に避けようとした瞬間右足が動かなくなった。右足を見たら右足の至る所に穴が空いていた。


 「う、うわああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


 色んなところに穴が空いていてそれだけでも痛いのに、そこに空気が入るたび痛みが増す。


 「(げん)!」


 「最初からそうでした。この屋敷に宿泊目的で来るほとんどは十悪の使者、いきなり来るあなたたちを信用できるわけありませんし、あんな堂々と精気(スピリット)を使うなんて何が目的なんですか!?」


 まずい誤解を解かないと、俺は殺される…もう傷つきたくない…誰も傷つけたくない…!。


 「イヴ誤解なんだ…!俺たちは本当に何も知らないし、十悪とは関係ない!」


 「うるさいですよ…」


 そう言い1粒の小さい水滴を左足に撃ってくるイヴ


 「うわ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」


 「イヴさんもうやめてくれ!」


 「あなたたちが全てを話すまで私は辞めません!」


 まずい、まずい!本当に殺されるのか?今ここで!?俺は恐怖し、精神がキツくなってきた。


 「これ以上菅原さんを傷つけられたくないなら島田さんも降伏して角から出てきてください!」


 俺は自分のことよりも、優輝(ゆうき)を優先した。今のイヴなら優輝(ゆうき)を殺しかねない。俺は優輝(ゆうき)に出ないよう首を軽く振った。


 ──僕は(げん)の合図を見た。それでも、親友をこれ以上傷つけたくないし、出れば攻撃をやめるかもしれない。ただなぜだろう。今日、僕も違和感がある。なぜだか、イヴが何かをすることを勘付いていた。逃げている時も後ろから大量の水滴を撃ってくるのを気付いた。今も出てはいけない気がする。ただ、(げん)をここで、見捨てたくもない。


 「わかった。出るから(げん)を撃たないでくれ。」


 「やめろ優輝(ゆうき)!」


 優輝(ゆうき)はイヴに姿を見せた。ほんの数秒だった。水滴が何発も優輝(ゆうき)の体を貫通した。貫通した水滴は真っ赤になっていた。何粒もの水滴が優輝(ゆうき)の体全体を貫通した。


 「あぁ…あぁ!…」


 倒れる優輝(ゆうき)を俺は見ることしかできなかった。


 「優輝(ゆうき)優輝(ゆうき)!…」


 俺は這い蹲いながらも、優輝(ゆうき)に近づいた。2回目のループでまた親友を死なせてしまった。その気持ちが自分の精神を追い詰めていく。


 「イヴ…どうしてこんなことすんだ!…俺たちが…何をしたってんだよ!…」


 「奥様の命を狙う十悪も、忌み子の私たちの唯一の居場所を終わらせる者は許しません。では、誰の使命でここに来たのか、説明してもらいます。あなたは十悪の誰の使者なのですか。今答えてくれるなら、楽に死なせてあげます。」


 「何度言えばわかるんだよ…俺たちはなんでもねぇんだ──!」


 左足に激しい痛みが走った。見ると左足も消し飛んでいた。


 「ぐあ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」


 「まだそんな戯言を言うのですか、あの時の十悪と同じ邪悪な精気(スピリット)を出しておいて、まだそんなことを!」


 イヴの表情はまるで何かを恨んでいるかのような表情をしていた。


 「もういいです。少しずつ、あなたから情報を教えてもらいます。」


 俺の両足から消し飛ぶ以上の痛みが走った。


 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


 小さくした水滴を切った足の血管の中に入れてそこから炸裂していた。今じゃあ両足の太ももが穴だらけになっていた。俺の精神はもう限界だった。


 ──もうやめてくれ、もう戻ってくれ!頼む!もう楽にさせてくれ!やり直させてくれえええ!


 ──サイコ・リピート発動。


 またあの声だ。どんな声をしていたかは聞き取れないが、確かなのはサイコ・リピートと言っていた。


 俺は目を開けた。そこにいたのは糸に拘束され泣いている優輝(ゆうき)と、トカゲ亜人がいた。俺は混乱した。さっきまでイヴに殺されそうになっていたのに、今の光景はトカゲ亜人が優輝(ゆうき)を殺す寸前の状態だった。俺はどうすればいいかわからず泣きながら抵抗した。


 「も、もうやめてくれ!もういや──」


 すると口が動かなくなった。


 「そのうるさい口は閉じたまえ。せっかくのショーが台無しだ。」


 そして俺は優輝(ゆうき)の前まで来た。


 「さぁ、ショータイムだあああああああ!」


 「むんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!」


 セリフも、状況も何もかもが同じ状態で俺は何をどうすればいいかわからなかった。ただ泣くしかなかった。


 そして俺は何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、優輝(ゆうき)の体を刺した。


 「ハハハハ!最高のショーだと思わないか!?これだけじゃあまだスカーレット・ラミへの報復としては納得できない!」


 俺は精神崩壊をしかけていた。


 近づく女性の声。わかっていたが、アスラだった。


 「まだこの家には人がいたのか、まぁいい、もう一回君に殺してもらうか。」


 喋ることのできない俺は見ることしかできなかった。


 「(げん)さん?」


 ドアが開くと同時に俺はアスラを殺した。首から大量に血がでてくるアスラや、死んでいる優輝(ゆうき)、さっきまでイヴに殺されかけたのに今はトカゲ亜人といる。


 ──もう殺してくれ…


 疲れ切り、考えることが出来なくなった俺の精神は崩壊し、絶望した。


 ──サイコ・リピート発動。


 気付くと俺はベッドの上にいた。時間を見ると朝8時。俺は混乱して、全ての感覚、精神の疲れを思い出して俺はまた吐きそうになった。


 「お客様、お食事の用意が出来ました。」

 イヴが来た


 「あ、あぁ、わかった、今すぐ行くよ。」


 再び『朝が訪れる』ことに安心した。だが、このループの謎はまだある。それに、この短い1日と言う時間で、ループの謎を解明しながらトカゲ亜人の対策、イヴが考えている俺たちに対しての疑いを晴らさないといけない。

いかがでしたでしょうか。もし何か不満や、感想、意見などありました言ってください。今後の物語を書くための補助にさせてもらいます!


なんか投稿できました。

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