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連続バラバラ冷凍事件

殺風景な狭いワンルーム、男がユニットバスで鉈とのこぎりを使って何かをしている。

ギコギコ…ガンガンッ!と鈍い音が響く。壁や浴槽、トイレを赤黒く染める血…。生臭い湿った悪臭が鼻につく。

それを私は遠くから見ていた。

バラバラにされている女は、肌が雪のように白く綺麗な顔立ちだった。

見たくないのに何かに見させられているかのように目が離せない。


男がガンガンと鉈を振り下ろすたびに重い音と振動を感じる。

これは現実なのだろうか?…夢であって欲しいと強願う。


じっと見つめていると、男がパッと振り向く…目が合った。

心臓が飛び出るかと思うくらい跳ねる。上手く息が吸えない。


私を睨みつけながら男が口を開くと「誰にも言うなよ」と低い声で言い放つ。

その瞬間、私は飛び起きた。

夢だった…良かったと思うと同時に、胸を撫で下ろす手が震えていることに気づく。

まだ、心臓はバクバクと大きい音を立てている。

スマホを見ると朝の5時…SNSを見るとトレンドに連続バラバラ冷凍事件の文字。

震える手でその文字をタップする。


連続バラバラ冷凍事件ー白い肌の女性を狙う犯人、逃走中

○○市で相次ぐ猟奇的な殺人事件に警察が警戒を強めている。

最初の事件があったのは昨年冬。 都内のゴミ処理場で、不自然に切断された遺産の一部が発見された。 身元特定は困難を極めたが、DNA鑑定の結果、近隣に住む20代の女性と判明。

いくつかの事件でも、一部の頭だけが発見されず、行方が分かっていない。「危機の切断面は非常に冷静に行われており、解剖学的知識を持つ人物の犯行の可能性がある」と捜査関係者は語る。

捜査は「女性を狙った連続殺人事件であり、市民の安全を確保するため、外出時は十分に注意してほしい」と発言している。

市民の間では「異常すぎる事件」「次の犠牲者が出る前に早く待ってほしい」と不安の声があった。


今日見た夢と同じであることに怖くなる。これが予知夢と言うやつなのかと思った。

しかし犯人の顔はよく覚えていないし、覚えていたとしても夢でしかない。

私は早く忘れようと、スマホを閉じる。

時間に余裕があるので、ゆっくり学校の準備をして時間になると幼馴染と登校した。


登校中、幼馴染から「ニュース見た?バラバラ事件…この辺の近くだし怖いよねー。アンタも色白だし綺麗なんだから狙われないように気を付けてね?」と笑いながら冗談交じりに言われた。

縁起でもないことを言わないで欲しいと返したが、今朝の夢が頭をよぎる。

少し怖くなり、幼馴染に夢の話をした。


幼馴染は予知夢だと騒いだが、犯人の顔を覚えていないと伝えると不貞腐れた顔で文句を言っている。

幼馴染に話したことで、心なしか気分が明るくなった気がした。

笑い合いながら話していると「言うなって言っただろ」と耳元であの男の低い声が聞こえる。


私は、その場に立ち尽くしスーッと血の気が引いた。

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