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日常と嘘と秘密。  作者: 真西花夏
日常と変化
6/7

ほのぼのお泊り会 1

前回の続きです。

「うー、つっかれたぁ…」

「おつかれー。このまま月ん家だし頑張ろ」

「んー」


 夕方6時頃。先ほどまで華乃かのの委員会の仕事を手伝っていたところだ。思っていたよりも事務仕事が多く、小2時間ぐらい書類と格闘していたのだが、正直言って、あれを今までやってきた華乃はすごいと思う。わたしは二度とやりたくない。


 でも、帰りに校舎の4階から綺麗な夕焼けを見れたので、結果オーライだろう。


 そして、これからわたしの家で明後日まで華乃とお泊りだ。

わたしと華乃は小さい頃からよくお泊り会を開催するのだが、今日は中学生ぶりなので、とっても嬉しい。

気合を入れて、昨日フルーツタルトまで作ってしまった。我ながら浮かれすぎだなぁと思った。


――――――――――――


「ただいまー!!!」

「お邪魔します」


 わたしはいつもどおり元気に帰宅し、華乃は行儀よくお辞儀をしたが、返事はなかった。

代わりに飼い猫のチョコが「ニャー」と鳴いて返してくれる。


「あれ?輝月きづきさんとなぎささんは?」


輝月と渚というのは、わたしの母と父のことだ。ちなみに、輝月が母で、渚が父の名だ。

そして、華乃に言われてようやく金曜日は父と母両方、仕事でいないことを思い出した。

我ながら、ほんとに浮かれすぎている。


「えーっと、金曜のこの時間帯いないの忘れてた…」

「月ってばほんとおっちょこちょいなんだから」


 華乃はそう言って微笑むと、わたしのほっぺたをつんつんつついてくる。面目ない。


「じゃあ帰ってきたら挨拶するね」

「申し訳ない…」

「いいよいいよ」


 わたしと華乃は手を洗って、そのまま両親が帰って来るまで、今日の夕飯を作ることにした。


 

 とりあえずわたしは冷蔵庫の中を確認する。あいにく、母が昨日買い足しをしていたので、食材の心配はしなくても良さそうだ。なので、何を作るかを華乃と決める。


「華乃は何作りたい?」

「私はなんでもいいよ。それより月は今なに食べたいよ?」

「えっ、そうだな……最近暑くなってきたし、冷たいうどんの気分かな」

「じゃあうどんにしよ」

「いいの!?」

「月が食べたいなら。付け合せで天ぷらも揚げよっか」

「華乃様…!!神ですか…!?」

「大げさだって」

 

 何気ないわたしの一言ですら実行しようとしてしまう華乃は、やはりスパダリだった。


――――――――――――


 調理を始めて1時間ほどで、夕食の準備がととのった。


 わたしの眼の前には6人前ぐらいの立派なざるうどんと、ナス、さつまいも、かぼちゃ、エビなどの様々な具材の天ぷらが山盛りになって置いてある。

 

 この間うどん屋に行ったときに、ゆで卵の天ぷらがあって驚愕したのを思い出したので、それも再現してみたが、なかなかの出来だと思う。

そんなことを考えていたら、不意に玄関の鍵が開く音が聞こえた。


「ただいまー! あれ、華乃ちゃんもう来てる…!?」


 それはわたしの母こと輝月の声だった。

廊下をバタバタ走ってきて、リビングの扉を開けて顔を見せる。


「ごめんね〜!! 今日有給取ろうとしたんだけど、どうしても外せない仕事があって」

「大丈夫ですよ。お家お邪魔してます」

「月ちゃん色々用意してあげた?」

「もちろんもう準備済みだよー!むしろ、夕飯まで華乃と作っちゃった」

「ありがとう、助かるわ」


 母の髪が少し崩れ、息を切らしている様子を見るに、だいぶ急いで帰ってきてくれたのだろう。

そんな母に手洗いと着替えを勧め、わたしと華乃は食器と盛付けの準備を始めた。

次回に続きます。


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