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日常と嘘と秘密。  作者: 真西花夏
日常と変化
5/7

調理実習と苦手な人 2

前回の続きです

今回も少し長めです。

わたしが雪柳ゆきやなぎくんを苦手な理由はいくつかあったが、過去に彼と色々あったのでそのトラウマが主な原因だった。

そもそもわたし自身、男子自体に苦手意識があるので、苦手なのは雪柳くんだけではないが......。


そうなってしまったのは過去のあの出来事がきっかけだった



それは、中学1年生の夏だった。

わたしがいつもどおり教室の自席で本を読んでいたときだった。同じクラスの男子が話しかけてきたと思えば、


『おい白木しらぎ!!俺の宿題もやれよ』


と言ってきたのだ。わたしは当然、


『えっ…やだよ……それくらい自分でやりなよ』


と返した。しかしその男子はめげずに


『口答えしないでさっさとやれよ』


とさらに反抗してきた。



その男子は、当時、人の頼みを断るのが苦手だったわたしに目を付けたのか、そんな戯言ざれごとを言ってきたのだ。

勿論もちろん、一方的な暴論に屈しまいと思っていたが。


『ブスに拒否権はねぇーんだよ』


そう言うと、宿題の数学ドリルを投げつけてきた。


その瞬間、わたしを鋭い電撃が走ったような衝撃が襲った。

今は、そんな言葉は真に受ける必要はないと思うが、当時のわたしはだいぶショックを受けた。


それから、わたしは男子自体が苦手になってしまった。


男子全員が無理だというわけではなかったが、それでも、会話する前から苦手意識が植え付けれられてしまっていた。


雪柳くんともなにかあったらしいが、わたしはその時の記憶が曖昧だった。

わたしの中には「雪柳くんとなにかあった」という事実だけが残っており、そのため今でも苦手意識があるのである。


後から聞いた話だったが、宿題を投げつけてきた男子は、華乃かのによって粛清されたらしかった。


――――――――――――


あれからなんやかんやあったが、わたしの班はしっかりマドレーヌを完成させることができた。

華乃と茶野さのさん、村河むらかわさんが協力してくれたおかげだ。


出来はだいぶ美味しくできたと思う。バターの香ばしさとしっとりふわっとした食感、さらには可愛らしい貝殻型を持ち合わせたマドレーヌを作れた。

わたし的には大満足の結果を出せたと思う。



そして今は、わたし含めその4人でお昼を食べている。


華乃が作ってくれたお弁当箱を開けると、わたしの大好きな唐揚げが入っていた。

わたしの好物をしっかり把握しているなーなんて思っていたら、村河さんがスマホを掲げて、濃い藍色の目を爛々とさせ、嬉しそうな顔で語り始めた。


「見てみて!これ昨日推しが出した新曲で!!」

「えっ、サムネのビジュ神がかってるな?」

「そうなの!!!もうほんとに尊すぎて」


茶野さんと村河さんがなにやら推しの話をしているみたいだ。


2人は、わたしが高校生になって初めて仲良くなった子達だ。

茶野さんは明るく活発的な性格で、わたしと同じくオタクだ。

村河さんは普段はとても大人しく、クラスをまとめる委員長だが、このように彼女もオタクで。


つまりここにいる4人全員オタクということである。なんて素晴らしい。

わたしはそんなことを考えて、華乃特製の唐揚げを頬張ったのだった。

次回に続きます

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