調理実習と苦手な人 2
前回の続きです
今回も少し長めです。
わたしが雪柳くんを苦手な理由はいくつかあったが、過去に彼と色々あったのでそのトラウマが主な原因だった。
そもそもわたし自身、男子自体に苦手意識があるので、苦手なのは雪柳くんだけではないが......。
そうなってしまったのは過去のあの出来事がきっかけだった
それは、中学1年生の夏だった。
わたしがいつもどおり教室の自席で本を読んでいたときだった。同じクラスの男子が話しかけてきたと思えば、
『おい白木!!俺の宿題もやれよ』
と言ってきたのだ。わたしは当然、
『えっ…やだよ……それくらい自分でやりなよ』
と返した。しかしその男子はめげずに
『口答えしないでさっさとやれよ』
とさらに反抗してきた。
その男子は、当時、人の頼みを断るのが苦手だったわたしに目を付けたのか、そんな戯言を言ってきたのだ。
勿論、一方的な暴論に屈しまいと思っていたが。
『ブスに拒否権はねぇーんだよ』
そう言うと、宿題の数学ドリルを投げつけてきた。
その瞬間、わたしを鋭い電撃が走ったような衝撃が襲った。
今は、そんな言葉は真に受ける必要はないと思うが、当時のわたしはだいぶショックを受けた。
それから、わたしは男子自体が苦手になってしまった。
男子全員が無理だというわけではなかったが、それでも、会話する前から苦手意識が植え付けれられてしまっていた。
雪柳くんともなにかあったらしいが、わたしはその時の記憶が曖昧だった。
わたしの中には「雪柳くんとなにかあった」という事実だけが残っており、そのため今でも苦手意識があるのである。
後から聞いた話だったが、宿題を投げつけてきた男子は、華乃によって粛清されたらしかった。
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あれからなんやかんやあったが、わたしの班はしっかりマドレーヌを完成させることができた。
華乃と茶野さん、村河さんが協力してくれたおかげだ。
出来はだいぶ美味しくできたと思う。バターの香ばしさとしっとりふわっとした食感、さらには可愛らしい貝殻型を持ち合わせたマドレーヌを作れた。
わたし的には大満足の結果を出せたと思う。
そして今は、わたし含めその4人でお昼を食べている。
華乃が作ってくれたお弁当箱を開けると、わたしの大好きな唐揚げが入っていた。
わたしの好物をしっかり把握しているなーなんて思っていたら、村河さんがスマホを掲げて、濃い藍色の目を爛々とさせ、嬉しそうな顔で語り始めた。
「見てみて!これ昨日推しが出した新曲で!!」
「えっ、サムネのビジュ神がかってるな?」
「そうなの!!!もうほんとに尊すぎて」
茶野さんと村河さんがなにやら推しの話をしているみたいだ。
2人は、わたしが高校生になって初めて仲良くなった子達だ。
茶野さんは明るく活発的な性格で、わたしと同じくオタクだ。
村河さんは普段はとても大人しく、クラスをまとめる委員長だが、このように彼女もオタクで。
つまりここにいる4人全員オタクということである。なんて素晴らしい。
わたしはそんなことを考えて、華乃特製の唐揚げを頬張ったのだった。
次回に続きます




