調理実習と苦手な人
前回の続きです
今回は少し長めになっております
「ふぁ〜眠い〜〜〜〜〜」
わたしは歩きながら大きなあくびを漏らした。
昨夜、夜中までゲームの探索に勤しんでいたため、絶賛寝不足である。
「もー、月ってば1回集中しちゃうといっつもそーなるんだから」
そう言って呆れた顔をしながらも、朝起こしに来てくれたのは華乃だ。
しかも、今日はお弁当も作ってきてくれたらしい。
「その節はお世話になりました…!」
「まぁ、いつものことだから慣れたんだけどね。それより、今日って調理実習でお菓子作るんじゃなかったっけ?月の得意分野じゃん、元気出しなよ」
「そうだった!!!それじゃあ今日も1日頑張るかー!!」
そう意気込んで、わたしは青く澄んだ空に向かって大きく伸びをした。
――――――――――――
「では、4人班を作って作業を始めてください」
今は調理実習の授業中で、一通り説明が終わり班を組むところだ。
わたしは華乃のところに駆け寄った後、クラス内で仲の良い茶野さんと村河さんも誘った。
何のお菓子を作っても良いとのことなので、わたし達の班はマドレーヌを作ることにした。
マドレーヌはわたしチョイスだ。
みんな、どんどん作業を始めていたのでわたし達も早速、生地を混ぜていた時だった。
―――ガシャーン!!!
家庭科室内に大きな音が鳴り響き、作業に集中していたわたしはしっぽを踏まれた猫みたいになった。
「ぬわっ、何事...!!??」
「月、あっち。なにかひっくり返したっぽい」
華乃が指さした先では、数人の男子たちが騒いでいた。
「うわっ、ボール落としたの誰だよ!?」
「すまーん、俺だわ」
「まじかよ、しっかりしろよなー」
そんな会話が聞こえてきた。
わたしはめんどくさいことになってるな、なんて思いながらその様子を眺めていたら、1人の男子とバッチリ目があってしまった。
(あの人は…雪柳葵くん…?)
雪柳くんはわたしと同じクラスの男子で、運動ができてリーダーシップもあるためクラスの中心的人物だ。
それ故、女子からはもちろん、男子からも人気があるようだった。
雪柳くんはわたしに向かってかは分からないが、困ったような顔で笑って、手を合わせてポーズをとってきた。
わたしはどう返していいか困り、目を反らしただけだったが、他の女子なら喜んで笑い返したのだろうなと思った。だが、わたしは違った。
そう、わたしは雪柳くんが苦手なのだ。
いつもよりちょっと長めの回でした
次回に続きます




