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魔法を使ってみたり、魔物を倒してみたり ③

 一旦、収納の魔法は中断する。

 練習を続ければ出来るようになるかもしれないけれど、今の所、大惨事になる未来しか見えない。


 母さんの知識を見た限り、そういう魔法はこの世界で使える者の少ない高難易度の魔法っぽい。なので、まずは他の魔法をもっと使えるようになってからが良いのかもしれない。

 あと個人的に腕がぶっ飛んだのにびびってしまったので、ちょっと落ち着いてから使いたい。


 

 


 俺は回復魔法で腕をくっつけたけれど、こういう魔法もおそらく皆が使えるわけではない。何か有事の際はそういう魔法を使わなければいけないかもしれないけれど、なるべくそういうことが出来ると周りに知られない方がいいかもしれない。

 俺がこの世界で有名になりたいとか、そういう感情があるならどんどん使えばいいだろうけれど……正直言って一時の気の迷いで好き勝手にやるのは後から後悔しかしないだろうから冷静に自分がどうしたいか考えたいと思う。



 俺が人としての枠組みから外れかけているというのならば、想像しているより長生きするかもしれないし、うん、やっぱり後から黒歴史になるようなことはなるべくしたくないなとは思う。

 

 魔法の練習の後は長剣で素振りをしてみる。素振りをするだけでふらふらする。もっと上手く扱えるようにならなければと実感した。

 身体強化の魔法を使うと、簡単に振り回せたけど……。

 でも身体強化の魔法は、本来ならばない力を魔法で付与するものなので使った後は物凄く身体の節々が痛かった。俺が結構強めの身体強化を自分にかけたからだろう。

 こういう自分に影響する魔法って使い方を誤ると本当に大変なことになりそうだ。母さんが俺の魔力を制御してくれてなければ先ほどの腕が吹っ飛んだ以上の状態になっていたかも……。




 途中で襲い掛かってきた動きが鈍い魔物には長剣で対応してみる。だけどやっぱり時間がかかるし、武器での戦い方に慣れてなさすぎて動きが不格好すぎる。いや、まぁ、最初なら仕方ないんだけど! あれだな、俺は母さんの息子とはいえ最初からなんでも出来る能力を与えられたとかそういう転移物とは違うのだなと思った。そういう風な能力与えられても困るけど。


 しかし折角倒せてもその魔物の処理方法が分からない。

 魔物の死体は放置しすぎると周りに悪影響が出るっぽい。ゾンビといったものもこの世界にはいるので、そのあたりはちゃんと気をつけなければならないようだ。

 きちんとした処理や解体方法を把握していないので、一旦燃やしておいた。そうしておけば最悪の事態にはならないだろう。




 午後、そうやって魔法や武器の扱いの練習、あとは魔物と戦っていたらすぐに時間は過ぎて行った。

 宿に戻ってから、魔物の解体方法を学ぶことが出来る場所があるか宿の店主に聞いてみた。



 やっぱりそれも冒険者ギルドに行くのが一番らしい。

 



「冒険者になりたくないなら、依頼をしてみたらどうだ? そうすれば教えてもらえることが出来ると思う」

「それもそうですね……。ちょっと検討してみます」



 言われた言葉に確かにと思った。

 魔法に関しては人前で練習をしたくないから仕方がないけれど、解体などについては冒険者ギルドに依頼をして学ぶのもありな気がする。独学で学んでいくことも出来るけれど、習えるものは習った方が楽かもしれない。

 しかし冒険者の人たちって、イメージだと戦闘をしている感じだけどそれ以外の仕事をしている人も結構いるのだろうか? 解体を教えて欲しいなんて嫌がられたりしないかと思ったけれど、冒険者というのは何でも屋なので依頼をする分には問題ないと言われた。




「ただし、依頼を受けてくれる冒険者がいるかどうかは分からないが」

「教えてくれてありがとうございます」



 それだけ話して、宿の部屋へと戻った。



 まだこの世界にやってきたばかりなので、冒険者とも接したことはない。

 冒険者ってどういう感じなのだろうか? 怖い人が多いのか、どうなのか。正直、地球で普通に生きてきた俺はそういう怖そうな人とは関わったことがないので、ちょっと行くとなると緊張する。




 まぁ、でも一度行ってみようとそう思っている。

 冒険者になる気はないけれど、今後旅をしていく中で冒険者に依頼をすることはあるかもしれない。何事も一度は経験した方が後々のためになりそうだし、一回解体を教えて欲しいという依頼をだしてみよう。

 幸いにも母さんがお金はくれているから、依頼は問題なく出来るし。

 

 素材を上手くはぎ取れるようになったらそれを売って、お金を稼ぐことも出来そうだから今後のためにもなるだろうから。




 それにしても今日は初めて魔法を使って、魔物を倒してみて……とそれらを一心にやっていたからか思っていたよりも疲れてしまった。






 そして気づけば眠りについていた俺は、翌日昼過ぎになるまで爆睡していたのだった。

 





 

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