“俺の目の前に現れた整形美人は?”
“俺の目の前に現れた整形美人は?”
・・・数日前、俺の前に綺麗な女性が現れた!
『あの、朝野さんですよね?』
『・・・あぁ、は、はい。』
『“私の事、憶えてますか?”』
『い、いや? 俺と何処かで会った事があるんですか?』
『憶えてないんだったらいいんです、私の名前は日與川と申します。』
『・・・日與川さんが俺に何か?』
『急にこんな会い方をしたからビックリさせてしまいましたよね?
実は一方的に私が朝野さんの事が気になっていたので、声をかけたんです。』
『俺とは何処で、、、?』
『“○○大学の卒業生です。”』
『あぁ、もし良ければ歳は幾つなんですか?』
『学年で言うと、私の方が一つ下なんですよ。』
『そうですか、○○大学に、』
『直接話す事はなかったんですけど、朝野さんって女子にモテてたじゃ
ないですか!』
『・・・お、俺ですか? モテてませんよ。』
『そんな、私の女友達も何人か朝野さんの事が好きな子とか居たんですよ。』
『そうなんですか? なんか嬉しいな。』
『今お時間あるなら、少し喫茶店でお話とかできませんか?』
『勿論いいですよ! こんなに綺麗な女性に誘われるなんて嬉しいです。』
『“因みに私、綺麗ですか?”』
『誰が見ても綺麗ですよ、男性にモテるでしょ!』
『そんな、私はモテませんよ。』
『また~そんな謙遜しなくても。』
『じゃあー行きましょうか。』
『・・・あぁ、そうですね。』
俺と彼女は、話しが盛り上がりいい仲になっていく。
俺は彼女の連絡先とLINE交換をして家に帰った。
マメに俺は彼女と連絡を取るようにしたんだ。
俺のタイプの女性を逃がしたりしない為にね!
必ず俺の彼女にすると俺が勝手に決めていたんだ。
『もうそろそろ、俺の事、真剣に“彼氏”としてどうかな?』
『もうちょっと待ってて! 普三君の事、真剣に考えてるから。』
『それは分かってるけど、なんで俺と直ぐに付き合えないの?』
『付き合えない訳じゃないよ、もう少し待っててほしいだけ!』
『・・・だから、なんで?』
『なんでって、なんでもよ!』
『分かった、もう少しだけ待つよ。』
『“ありがとう、萌咲も嬉しい!”』
『早く、萌咲が俺の彼女にならないか数でも数えて待つかな。』
『そうしてて、私は普三君のモノになる準備は出来てるからね。』
『そうなの、俺も嬉しいな。』
『じゃあね。』
『うん、またね!』
*
・・・あの時の俺は完全に浮かれていたんだと思う!
彼女と付き合える喜びを日々噛みしめて、待っていた。
でも? 彼女は俺に対してそんな風に見ていなかったんだ。
まさかな!? 俺が○○大学でイジメていた女の子が彼女だったなんて!
まるで別人のように変わった彼女を見て、俺は気づくことなく消える。
【グサッ】
『えぇ!?』
『“本当に私の事、憶えてないの?”』
『・・・も、萌咲?』
『○○大学の時、誰よりも私をイジメてたじゃない!』
『・・・う、宇野か?』
『そう! 私の事、全く憶えてもなかったんだね。』
『・・・う、宇野、』
『私さ、アンタにイジメられて別の大学の男子にもイジメられたんだよ。』
『・・・・・・』
『その後、どうなったか分かる?』
『・・・・・・』
『“私、妊娠したの! 誰の子か分からない男の子供を身ごもってね!”』
『・・・お、俺が悪い、い、のか?』
『誰が悪いのよ、アンタが悪いに決まってるじゃない!』
『・・・す、すまない、』
『今更、謝ってほしい訳じゃないわ。』
『・・・だ、だから、俺、を、後ろ、から、刺した?』
『そう、嬉しいでしょ!』
『なんか、笑、える、話だ、な、』
『笑えないわよ! アンタが私の人生をめちゃくちゃにしたんだから!
ちゃんと責任取るのが大人でしょ!』
『・・・そ、そうだな、』
『じゃあね、さようなら。』
『・・・あ、あ、これ、で、終わりだ、』
俺はイジメていた女の子に後ろからナイフで刺されて死んだ。
まあ、“自業自得だ!”
仕方ないか? 俺がイジメていた女の子に殺されるなら幸せなもんだよ。
だけど、“原形がないくらい整形して綺麗になってりゃ、分かる訳ないよ。”
俺がイジメていた女の子を本気で好きになったんだから
殺されて本望か......。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。