CAMOUFLAGE
朝、目が覚めると小梅が僕の顔の横で、腹出して寝てた。額の紋章がキュート、
寝顔がソウキュート。よし、起きよう、今日も忙しい。スローライフとは?
これでは月詠に指摘されても仕方ない。魔導銃を手に入れたら、もう
働かないぞ。見てろ、これから朝の散歩をする。小梅は?まだ寝る?了解。
敷地内の森を散歩する。早朝の新鮮な空気を胸いっぱい吸い込む。うん、
これこれ、「モリハイキテイル」と片言でつぶやきながら、スロライ満喫。
さて、そろそろ戻るか・・・。んっ!この気配は?まっ、いっか・・・。
朝食を食べ(朝食から手を抜かないシュリ叔父さんは最高さ)一休みして
魔導の授業だ。
「ボタン先生、質問というかお願いが。」
「なに?あらたまって。」
「光学迷彩を覚えたいです。」 朝の出来事で思い出した。
「暗殺者とかスパイとか、やりたいの?」
「まさか、それは家の暗部にまかせますよ。」
「カエデちゃんは、ガーネットの暗部の事、知ってるの?」
「詳しくは知りませんが、朝、散歩してたら気配はすれど見えず、という
経験をして、これは使えると。」
「う~ん、そっかあ・・・。まあ暗部の事は兄様に聞いて。それで何に
使うの?エッチな事はまだ早いわよ。」
僕7に何を言っておるのだ、この人は。
「いや~ガーネットって特殊というか、化け物揃いというか、なんか注目
されるじゃないですか。僕は極力目立たず静かに、生きてゆきたいです。
特に学園はまずいです。」
「確かにクロ君達もベルちゃん達も、目立ってるわね。しかもカエデ世代は
大物の子供が多いわ。」
いや、あんたの子供も、その一味だかんな、と心の中で突っ込んどいて。
「そうなんすよ、やばいんすよ、静かに学園生活を送りたいんすよ。」
「フフ・・。問題は2つ、ひとつはカエデちゃんの時空魔法と魔導銃のリソースが
大きい事。2つめ、光学迷彩は届け出いるわよ。」
「なんと!!」
「あたりまえじゃない、そもそも暗部が使うんだから。犯罪に使われたら
大変よ。」
「そりゃそうか、残念でござる。」
「光学迷彩は光魔法で姿を消すけど、魔法を使わなくても気配を薄くすることは
できるわよ。見てて。」
するとボタン先生が認識しずらくなる。消えたわけではない。あっそうか、これは
刀術の「朧」じゃないか。
「なるほど、身体のまわりにチャフを捲いて、魔力を散らす。」
「正解。一目でわかる7歳児はいないわよ。あと、エルフの森みたいな精神干渉系
は覚えちゃだめよ、国にタグ付けされるから旅人になれないわよ。」
「わかりました。」
さて、瞑想タイム。いつの間にか、小梅が来ていて胡坐の中で丸まる。可愛いから
もちろんオーケー。でも成獣化してる時はやめてね、圧死するから。
現状でも「朧」は使える。しかし、先々を考えると、あとロマン的な部分で
光学迷彩は覚えたい。公安○課と幻のシック○マンはマスト。光魔法は使えるし
光の屈折の理論もわかる。いけるな、グヘへへ・・・。
と考えてるとボタン先生にこずかれる。
「なにするんですかあ・・。」
「いや、不気味な顔で笑ってたから、つい。」