EVOLUTION
雷の魔石にチャージを始めて1週間。まだ、3分の1しか終わってない。
いろいろ理由はあるけれど、やはり僕の魔力量が足りない。なめてたな、雷龍。
日々、増えてるのはわかるのだけど、急にたくさんは増えない。
別のアプローチを考えよう。ここはひとつ、コネを使う事にする。
限界までチャージして、僕も小梅もフラフラになりながらベットイン。
眠りに落ちる瞬間に名を呼ぶ。
「月詠。」 夢の中であの日本家屋に。
「久しぶりです、斑鳩。今はカエデに戻ったのでしたね。」
「その節は、世話になったね。楽しくやらせてもらってるよ。『箱庭』に
行けるようになったら、屋敷で宴会でもしよう。皆、喜ぶよ。」
「それは楽しみですね・・・。さて、現状の問題です。魔力量ですが、これ
ばっかりは身体に比例しますし、今ピークに戻すと魔力過多で死ねます。」
「だよねー。となると時間をかけるか、あいつに相談するか・・・。」
「呼んだ♡」
「ブッー!」
「カエデ、はしたないですよ。」
「ごめん月詠。インドラ、どっから沸いた!でも久しぶり、元気にしてた?」
巫女姿の月詠の隣に、うっすい衣装のインドラが現れた。
「カエデ、おひさー。元気だよ♡」
インドラは昔から僕の事をカエデと呼ぶ、これに関しては、また後日。
「相談があるんだけど、今さあ、かくかくしかじかなんだよー。」
「雷司(雷龍の名前)の玉がばらばらで、それぞれにチャージかあ・・。
インドラの矢を撃てば一発じゃない?」
「やめろ、領地が吹き飛ぶ。」
「となると・・う~ん・・。あれ?その子、猫又じゃない。」
「はじめまして、小梅でしゅ。」 あっ!噛んだ。
「あら、可愛い。あなた雷猫にならない?それで万事解決よ♡」
「それって幻獣どころが、神獣じゃないの?」
「そうよ、ちょうど枠がひとつ空いてるの。」
なんの枠だ?しかし、可愛い小梅が雷猫にクラスチェンジか・・・
うむ、それもまた良し。ピッカピッカとか言い出すのかな?
「どうする、小梅?」
「なる!新小梅!」 なんだ、それ?
「了解、じゃあこっち来て♡」」
インドラは小梅を抱いて消えた。おそらく、神殿に戻ったのだろう。
月詠と世間話(どこの世間だ?)しながら待つ。今、僕の生きてる世界は
斑鳩の世界と同じで、記憶が戻るあいだの7年間のずれのみだという事、
母さんが月詠の加護持ちである事等、プチ情報を教えてもらった。
「ときにカエデ、スローライフを送ると言っていたのに、もう依頼を
受けているのですか?」
「あ、いや~魔導銃と交換なんだよ。『白華』使うようになるまで身体を
ならしておこうと思って。あと、ただ単に銃が好き。」
インドラと小梅が戻ってきた。
「なんか、変わったの?」
「額に、雷と氷の紋章がついた。」 なるほど。
「小梅ちゃんに元々、氷の属性もあったからそれはそのまま、雷が強化された分、
氷も強化されたわ。あと、短い時間だけど成獣化できるようになったわ。」
なんと!それは朗報。小梅自身は
「新小梅か・・・、いや、小梅ビヨンドのほうが・・・。」
とわけのわからん事をつぶやいていた。
「ありがとう、インドラ。お礼しないと、何がいい?」
「そうねえ、『箱庭』に行ける様になったら教えて。玄さんに弓のメンテ
してもらいたいし、雷司が青ちゃんに会いたがってたから、
遊びにいくわ。」
「了解。必ず連絡する。」
「ああ・・それと『雷帝』の娘を気にかけといて。」
「えっー、それは嫌だな。皇女って事でしょ?変なフラグ建てないでよ、
スローライフを送りたいんだから。」
「なに言ってんの、あなたの存在自体がラノベじゃない、斑鳩 楓君。」
クッ、返す言葉がないぞ。月詠も笑ってるし。
「わーたよ、遠くから、もすごーく遠くから見守るよ。あと『雷帝』に変な
神託、おろさないでね。」
「それでいいわ。」
あっ!時間かな。
「それじゃあ、戻るよ。月詠もインドラも、またねー。」