MEDITATION
「お早う、カエデちゃん。」
「お早うございます、ボタン先生。」
「よしてよ、先生なんて柄じゃないわ。」
「しかし、親しき仲にも礼儀ありといいますし、セ・ン・セ」
「んもう・・。まあ、いいわ始めましょう。奥義とかそういうのは
兄様に教えてもらって。」
「えっー。」
「下アゴ突き出すの止めなさい。しょがないでしょ、泣くから。」 父さん・・・。
「私は、質疑応答の形でいくわ。」
「了解です。僕は時空魔法と魔導銃を使いたいと思ってますので
それについて。」
「ずいぶんと難しい方にいくわね。どっちもリソース半端ないわよ。いいの?」
「どっちみち、後でばれるので先に言いますが、僕は国に仕える事にも、冒険者も
興味ないです。ガーネットの一族に違いないですが、武の道にも、魔導の道
にも正直、進む気はないです。」
「あら?もったいないわね。なにかやりたい事でもあるの?」
「はい。学園を卒業したら、世界中を旅したいと。ですので、時空魔法も魔導銃も
自衛の為に覚えたいと思ってます。」
「成程ねえ、止めはしないけど、兄様も姉様も知ってるの?」
「いえ、まだ話してないです。」
「・・・荒れるわねえ・・。」
「荒れますね・・・。」
「わかったわ、どのみち魔力の器を大きくしようと思ってたから。
ちなみにマリアはどんな訓練を?」
「まだ、身体ができてないという事で、ランニング中心に心構えを少々でした。」
「たしかに、カエデちゃん小さいものね。じゃあ、こちらも無理せず瞑想メインで
理論を少しって感じかしら。ところで、頭の上にいる子猫、あ!猫又じゃない。
ツムギお婆様から?」
「はい、昨日来ました。小梅、ボタン先生にご挨拶して。」
「初めまして、小梅です。よろしくお願いします。」
「よろしくね、白い猫又とはまたレアな・・・。もしかしてお母さんは櫻?」
「そうです、小梅は氷牙と櫻の子です。」
「えっ!そうなの!」
「カエデちゃん、知らなかったの?氷牙も櫻もツムギ様の従魔じゃない。
こっちの業界では、超がつくほどの有名従魔よ。」
なんの業界だ?しかし、そうだよなツムギ婆ちゃんが、普通の従魔を寄こす
わけないか。なんか納得、可愛いから問題なし。
「じゃあ、小梅ちゃんもいっしょに瞑想する?」
「する。」 えらいぞ、小梅!
「はい、じゃあ瞑想しながら魔力のラインを感じるように。」
「わかりました。」
2人で向かい合って座禅を組む。小梅はなぜか僕の胡坐の中に納まる。寝るの?
あれ?瞑想は・・・寝た。もちろん、可愛いから問題なし。
少しして、なにか暖かいもの感じてうっすら目を開けると、ボタン先生が点滅
していた。魔力が漏れてる。すげえな・・・。
ボタン先生は、ツムギ婆ちゃんの弟子でシュリ叔父さんの奥さんだ。元々、
スゴ腕の魔導師であったのだが、結婚して美味しい物を食べ過ぎて太った。
そして、これはいかんと脂肪を魔力に変換するという荒業を開発し、女性魔導師の
カリスマとなり、その指導で世界中を飛び回っていた。子供ができて出張はなくし
聞きに来いというスタイルに。この美容魔法は、この領の大きな産業に
なっている。
2人の子供が今、クロ兄とベル姉のパーティにいる魔導師兼料理人だ。
長男のタケルは、クロ兄のパーティ。長女の華がベル姉のパーティ。2人とも
魔法と料理のハイブリットだ。しかも、タチバナ流も使える。ダンジョンに
潜ってもおいしい料理を食べれると言っていた。
なにそれ、うらやましい。
しかし、一族のこの構成と強さに月詠の意図を感じるな。
ありがとー、月詠。
心置きなく、旅にでれます。




