PRESENT
記憶が戻った翌日の朝、専属メイドのレイさんに起こされる。
子供の身体のせいか、まだまだ眠い。
「お早うございます、レイさん。」
驚いて、まじまじとこちらを見つめるレイさん。
し、しまったあ・・・これは子供らしくない。
「おはよう、レイさん(テヘ)」 とりあえず笑ってみる。
「・・・お早うございます、カエデ様。ご家族の皆様から誕生日のお祝いが
届いておりますので、朝食後に確認をお願いします。」
ばんざいをして 「わかった、楽しみだなあ(棒)。」
「・・・・。」
いやいやレイさん、そんな冷たい目で見ないでー。わかってる、わかってるよ。
実際、僕も鳥肌がたちまくってるし・・・チビッ子探偵は偉大だな。
一刻も早く「妙に大人びた子供」にクラス替えしなければ・・・。
さくさくと朝食を食べ(もちろん、シュリ叔父さんの作る朝食は最高さ)
プレゼント開封ターイム!
まず、父さんと母さんから。手紙は、とにかく早く会いたいを連呼しており、
少し怖い。箱を開けると手の平サイズの立方体の黒いカタマリ。これは、あれだ
IAだ。とりあえず魔力を流して見る。刀身も含め黒い刀に変わる。これには
開封を手伝っていたレイさんも驚いている。そりゃそうだ、IAは訓練しないと
発現できない。クロ兄とベル姉はできるけど、7歳児の僕には無理なはず。
どう、ごまかす?
「いや~さすが父さんと母さん、子供でも使えるIAをくれたんだね。」
横目でレイさんを確認。
「あのお二方なら、やりかねないのかしら、でも危険では?」
などとブツブツ言っている。なんかセーフな感じかな。
「はじめまして、主。名前を付けてください。」と女性の声で話しかけられる。
これがIAの機能、名前を付けると僕専用ワンオフの武具となる。
専門の武器屋でディレートしない限りは、僕の成長と比例してIAも成長する。
「じゃあ、黒いから黒子。」
「・・・・却下。」
「・・・・黒い刀だから、黒砂糖。」
「ナメテンノカ、却下。」
拒否しまくりだよ、自我があるのは面倒くさい。どうしようか・・・う~ん、
あ!そうだ、斑鳩が子供の時に使ってた木刀の名前「夕霧。」
瞬間、刀と僕が淡い光に包まれる。これはパスが繋がった状態。
「よろしく、夕霧。」
「こちらこそ、主。」
よし、次いこ次。クロ兄とベル姉からはっと。手紙にはやっぱり、
早く会いたいの連呼。まじこえーよ、なんなんうちのファミリー。
気を取り直して箱を開けると、丈夫そうな黒いコート。僕はまだ7歳だよ!
キ○ト君じゃん。さては、ベル姉発症してるな、確かに僕は黒目黒髪だけど
ありがとう、なるべく着ないね。
まだ、あるの?そう・・・。
ガーネットの爺ちゃん婆ちゃんから空間拡張付きのテントIA。
これは嬉しい。旅をする時にいろいろ使える。「箱庭」が使えるように
なるまで、このテントは役に立つ、カモナと名づける。
タチバナの爺ちゃん婆ちゃんからも、なんか届いてるな。カード? あ!これは
召喚カードだ。なにが出るかな?早速、魔力を流す。するとカードから
サーキットが広がり、中央に白い毛玉が現れた。
毛玉?あっ!子猫だ。あれ?尻尾が2本、猫又かな?幻獣じゃん。
白い猫又がこちらにやってくる。しかも2足歩行。
「はじめましてカエデ。ツムギに言われてやってきた名は小梅、よろしく。」
「ああ、よろしく小梅。」
僕は猫派なので大歓迎。性別は?女の子、オーケー。
小梅は僕の膝の上で丸くなる。可愛いなあ。
あとは・・・。
バート叔父さんは黒皮の手帳。渋いな、けどこれはいい。小型の魔導書が
作れる。シュリ叔父さんはペティナイフ。いっしょに料理しようって感じ
かな。料理は好きだから厨房にお邪魔しよう。
帝都の人達には手紙で、屋敷の人には直接、お礼を言おう。