2章 晩ご飯 1話
私と風間が付き合ってはやくも1週間。
学校では、まだ秘密にしている。私は、あの事件の後なので、いろいろとまわりの人から言われるのは嫌いな私のことを考えて、風間が秘密にしてくれたのだ。
家出ぎみで、よく友達の家を転々としてきた風間は、今は私の家で寝泊まりしている。
今日は、風間が久しぶりに家に帰るらしい。
今日は一人分の晩御飯かあ…。
一人分だと、作るのめんどくさいな…。
なんか簡単なものにしょかな…。
「杉本!!ちょっといいか??」しょかな…。
「杉本!!ちょっといいか??」
…担任の木村先生だ。けっこう、友達みたいに親しい。
「なんですかあ??」
「お前、一人暮らししているらしいな。」
「…はい!!毎日大変なんですよ 笑」
「そっかあ。じゃあ、今夜俺と一緒に夕飯食べないか??俺も一人暮らしでいつも食材が余るんだよ…。」
「…でも、先生の家遠いんじゃ…??」
「学校から歩いて20分のところだ。」
今日は…風間はいないし、めんどくさいし…
木村先生なら、いいかな??
「わかりました。学校おわったら、家に行きますね。後で地図書いといて下さい。私、先に行って、掃除とかしときますね。先生の料理、楽しみにしてます。」
「……ぁあ。先、行っといてくれ。」
先生がにやけた気がした。
私は、この時に断っておけばよかったんだ。簡単に人を信用しては、いけないのかもしれない。たとえ親しい先生でも、突然、獣になり、私に牙をむくなんて考えは、私にはなかった。