第1章 2話
――葬式の日。
知らないおばちゃんやおじちゃん達がたくさん来ていた。
そして、みんな泣いていた…。
私一人泣いてなかった。
私には全く縁がないと思っていた記者が葬式に来ていた。
親のことは今、テレビで大きく報じられている。犯人もまだつかまってない。
記者にしたらいい餌になる。
…やっぱり泣けない。なんでだろ?
もう、生身の親には一緒会えないのに…
葬式は淡々と進んでいった。
そして、葬式はおわった。
私は記者からの質問責めにあった。私の耳には、そんな言葉は聞こえなかった。
私は、無の状態だった…。
という訳ではなく、あまりにもショックすぎて心がセーブをかけていた。もちろん私はそんなことは思っていなかった。
そして、次の日から引越しの準備にとりかかった。
元々の家は、警察の迷惑にならないように新しくマンションを借りた。
もちろん私にはそんなお金は無く、おじさんが出してくれた。
私は中高一貫の私立中学に通っていたため、これからも同じ中学に通うことができる。
もちろん授業料も出してくれた。
だから俺達にはもう関わるな。と言われたようだった。
約2週間かかってなんとか家らしくなってきた。まさか…こんなに早く一人暮らしを始めるとは思ってなかった。
…明日から、学校に行こっかな。
久しぶりに奈々に会いたいかも。さすがにずっと一人だと、人が恋しくなる。
久しぶりに制服を見た気がする。