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1 はじめまして、ルイ です
「よう、できたなあ」
あの人はからりと笑う
「あ、の…」
小さい僕は、大きいその人を一生懸命見上げた。
何か言いたかったが、言葉にならなかった。
その人の 期待するような目をみたら、嬉しくて僕は誰よりも価値ある人間と思えた。
しかし、いつの間にかその人の目は別の男の子に注がれていた。僕の方には見向きもしない。
「殺せ、殺してしまえ…」
「あの男の子が邪魔なんだろ?」
気づけば、別の場所にいた。
あの男の子が、僕の目の前にいた。
口がビリビリとさけていく。血がぼたぼた落ちて
床を赤く染め上げる
「おまえがボクを…」
ジリリリッ ジリリリッ
「ああ、そうさ」
ジリリリッ ジリリリッ
「僕がおまえを殺した」
ジリリ バンッ
ふぁーあ…
「相変わらずタチの悪い夢だ…」
☆ ☆ ☆ ☆