なんか、『未来の自分』的なことを題材にしたやつ
短いです。
具体的に言えば800行くか行かないかくらい。
「未来って聞いて、何を連想する?」
ある秋の昼下がり、私は家でゴロゴロしていたところ、外からこんな声が聞こえた。
きっと、この会話自体は他愛ない世間話程度なのだろう。実際に、声はまだ幼く、小学生の会話のようだった。
どちらかと言うと答えを待っているのではなく、会話の種として話題にした。そんな感じだった。
しかし、私にはどうしてか心に響いた。
未来の世界。未来の文明。未来の───自分。
未来の世界では、車は空を飛んでいるだろうか。
未来の文明では、魔法は使えるだろうか。
未来の自分は、何をやっているだろうか。
そう遠くない未来の私は、所帯持ちになって、会社でバリバリに働いているかもしれない。
もしかしたら、職に困って倹約生活を余儀なくされているかもしれない。
人生の選択肢は、多いようで案外少ない。
だから私達は、その『最善』を掴み取るために今を一生懸命に生きている。
しかし同時に、それでいいのか、と耳元で囁く自分の声を聞く。
その声は、人生は一度きり。なら楽しまなくてどうする、と続けて囁く。
対極する二つの意思。だけど、どちらも紛れもなく私の本音なのである。
思考に耽り、行き詰まったところでふと窓の外に目をやる。
どうやら今年も紅葉の季節が来たようだ。今、私が寛いでいる部屋は一階なので木の全容は見えないが、綺麗な紅に染まっていることは落ち葉で分かった。
その隣を、ポツンと咲く一輪のガーベラが純白で彩る。
ガラにもなくそれを愛でながら、分かるはずのない答えを必死に探していた自分に思わず苦笑する。
そうだ。答えなんて、どこにもないのだ。
なら、今を精一杯に生きる他に選択の余地などないのではないか。そんな至極単純にして、最も大切なことに気づかされた私は勉強机に足を向ける。
自分が求めた未来を掴むために、自分が望んだ人生を歩むために。
どうか、未来の私が幸せでありますように。
そう願って。
なんで投稿したんだろう、と不思議に思う自分がいる。