6話 開戦前
五十ブクマ感謝です!
今回は短めです。きりが悪かったので…
「さ、そろそろ行かないとね」
母さんは俺を先ほどの受付嬢に渡した。
だが渡されるわけにはいかない。
まだ怖いが腹を決めないとな。
([時間停止])
そして
(カマリ[時間停止解除])
「!?なに!?みんな止まって…まさか魔族の…」
(念話)
『母さん、僕がやりました』
「…まさか…カイトじゃないよね…?でも母さんと呼んだということは…」
『そのまさかです』
母さんはこちらを見ながら目を見開く。
「…」
言葉が出ないようだ。
口をぱくぱくさせている。
『詳しいことは後で話します。ですが今は魔族のことが優先です』
戻ってきたようだ。
「え、ええそうね。それで、今話しかけたって言うのは魔族に関係することなのよね?時間は大丈夫なの?」
『時間は止めているので大丈夫です。じゃなきゃこんな悠長に話せません。それで、僕は魔族を倒せる力があります。僕も行かせてください』
「だめよ」
『なぜ!』
「あなたはまだ子供なのよ?死ぬかもしれない戦いに連れていけるわけないでしょ!」
『わかってます。だから母さんに声をかけたのです。僕を守りつつ中心に行って欲しいのです』
「…そうすれば勝てるの?」
『はい』
まだ迷っているようだ。
だが連れていってもらわないとこの戦いは勝てず皆死んでしまう!
なんとかしないと…
「だけどもしかしたら勝てるかも…」
『それはありません。今日街で魔王を見かけました。その魔王が言っていました。人間を攻撃する気は無いと、その言葉に偽りはありませんでした。城は信頼できる魔族ナンバー2のものがいるとも聞きました。魔王が僕を何らかの方法で欺こうと信頼できる魔族が裏切ってようと勝てません。もちろん、その魔族を倒してきていても勝てません。ですが僕なら、僕なら必ず殲滅させられます。ですからどうか僕を…この街を救わせてください!』
これでダメならMPがきついが…ひとりで行くしかないだろう…
「わかった…まあ私のところが一番安全だものね、いいわよ。もしひとりで行かれても困るし…」
ひとりで行けると思っているらしい。
女の感って怖い。
「じゃあ行きましょう」
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魔族side
魔族が街につく四時間前
ここはある一室
五人の魔族が話していた。
ここにはガタイのいい男の魔族が二人、線の細い男の魔族が一人、体型も何もわからず静かに壁際に佇む男の魔族が一人、そして扇情的な格好をした女の魔族が一人。
「もうすぐつくぞ!」
「やっと人間共を殺せるなぁ?あの腑抜け魔王が人間を侵略しないなんてぬかすもんだから欲求がたまってたまって…なあ?魔王の側近さん?」
「ええ、ようやくあの魔王から信頼を得て城を任される日が来ましたからね。これで街を落として少しは考え直して欲しいとこですね」
「ま、俺は人間を殺せればなんでもかまわん」
「…懸念材料は…上級が…少ないこと…」
「まあ人間なんて五人もいれば大丈夫でしょう」
「それもそうね」
実際上級五人を相手に勝てるものなどいないのだ。本来であれば。
だが最初に行こうとして街には化け物がいた。
それが一つ、予想外のことであった。
そのことにより計画は破綻してしまうことを彼らはまだ知らない…
全話で始まると言っていたのに始まりませんでした…すいません!
次話は明後日です