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12話

…コンコン。

入学式まであと数日と迫った日、またもや部屋にノックの音が響く。

部屋でだべっていた俺達は一瞬顔を見合わせるが、すぐに俺が応対に出る。

ガチャリと扉を開けると予想通り受付のお姉さん。

その隣りにはエメラルド色の髪を束ねた目がキリリとした女の子。

ヒノカと同い年くらいだ。

「おはようございます。こちらはリーフさん。今日からこの1-10号室に入寮されます。この部屋のメンバーはこれで揃ったことになりますね。」

「そうですね、この方で六人目です。こんにちは、私はアリューシャです。よろしくお願いします。」

「こ、こんにちは。ご紹介にあずかりました、リーフです。よろしくお願いします。」

「それでは失礼させて頂きますね。」

受付のお姉さんを見送り、リーフを部屋へと通す。

それぞれの自己紹介を終えたあと、リーフが切り出す。

「え…と、この子は誰かのご家族?」

俺を示して問いかける。

「…わたしのいもうと。」

「その、言い難いのだけど、この寮は学院生以外は立ち入り禁止よ?」

「そうは見えないだろうがアリスは学院生だぞ。」

「そ、そんな…嘘…。本当なら学生証はを持っているはずよね!?」

仕方ないので学生証を取り出して見せる。

「私のものと色が違うわ、偽物なんでしょう!?」

「いや…、それはギルド証も兼ねているからだ、私のも同じ色だぞ?」

そう言ってヒノカも学生証を見せる。

「そん、な……。」

リーフは愕然としてその場にへたり込んでしまった。

「お、おい、どうしたんだ?大丈夫か?」

慌てて駆け寄るヒノカ。

「あなたは何も思わないの…?」

リーフの問いに困惑するヒノカ。

「…?すまぬ、何が言いたいのか分からんのだが…。」

「こんな子供のお守りをしながらこの学院の授業についていけると思ってるの!?パーティ課題なんて魔物と戦ったりする事もあるのよ!?こんな小さい子を抱えてたら無理に決まってるじゃない!」

一気にまくし立てられヒノカは一瞬言い返そうとするが、リーフの目に溜まった涙に気圧されてしまう。

「わ、私は村の中で少し頭が良かっただけで…村の皆が期待してくれて、お父さんやお母さん…皆が苦しい生活の中からお金を出してくれて…ここに勉強しに来たの!遊びに来たわけでも、子守に来たわけでもないの!」

適当に大学に行っていた俺には耳に痛い科白だ。

部屋の中はしんと静まり返っている。

「プッ…ククク…。」

「何が可笑しいの…?」

「いや、ごめんね。確かに言う通りで、久しぶりに普通の意見が聞けたなと思って。」

「…私が異常だと言われている気がするが。」

「まぁ私は正真正銘六歳だし、子守って言われれば否定できないよ。」

「む……確かに……そうだな……。ふむ、それなら試合でもしてみればいい。」

「…試合?こんな小さい子を相手に…?」

「ああ、私はアリスの強さを知っているが、リーフはそれを知らない。分かるには戦ってみるのが一番だろう?アリスもそれで構わないか?」

「いいけど…試合ってどうするの?」

「闘術試合形式でいいだろう。武器・魔法何でもありで相手に参ったと言わせるか気絶させれば勝ちだ。」

「うん、分かった。」

「勝てばどうなるのかしら?」

「ここは定番に負けた方が何でも言う事を聞く、で。」

「あなた…本当にそれでいいの?」

「いいよ。」

「…ふむ、何が定番かは知らんが面白そうだな、それでいこう。」


全員で寮の外に出て、いつも訓練で使っている開けた場所に集まる。

「形式はさっき言った通り、審判は私が行う。危険だと判断すれば私が止めに入る。二人とも、それでいいか?」

「了解。」

「ええ、問題ないわ。」

俺とリーフは10メートルほど離れて対峙する。

その中央には審判であるヒノカ。

ヒノカの数メートル後ろにはフィーとニーナとフラムがお菓子を食べながら見学している。

リーフは指揮棒の様な杖を構え、こちらを油断なく窺う。

俺は特に構える事もなく普通に立っているが、魔力の触手達は既にリーフを取り囲んでいる。

「…では、始め!!」

「”水弾(アクバル)”!!」

開始の合図と同時にリーフが魔法を唱える。

それを読んでいた俺はリーフの杖の先端に収束する魔力を触手で散らしてやる。

当然、魔法は発動しない。

「…!?魔法が…っ、どうして…!?」

驚愕で一瞬固まった隙に触手で両手足を縛りあげる。

「な、なに…!?体が…っ!」

「えっと…降参する?」

「し、しないわよ!」

触手を動かし、リーフを逆さに吊り上げる。

「きゃっ!?」

当然スカートは重力に逆らえず、リーフの下着が露わになる。

「な、何するのよ!この…”火弾(フォムバル)”!!」

縛られた手で器用に杖を持ち替えてこちらへ魔法を放つ。

だが、それも先程と同じ様にかき消す。

「”風切(ウィルディン)”!…”火嵐(フォムデウィード)”!!」

次々に繰り出される魔法をかき消していく。

「く…っ、どうして魔法が使えないの!?」

あまり魔法を連発されても面倒なので杖を取り上げる。

「まだ降参しない?」

「…しないわ!」

キッとこちらを睨みつけてくる。

「じゃあちょっと酷い目にあってもらうね、…ふひひ。」

(そう、…エロ同人みたいに!)

リーフの視線にニヤリと返し、更に触手の制御に集中する。

リーフの腕を拘束する触手から細い触手を生やし、リーフの腕を伝って服の隙間から中へ侵入させていく。

「ひっ…、嫌…なに…?」

身体を何かが這う感触に嫌悪の声をあげるリーフ、だがそんなものは無視。

服で見えないがあたりを付けてグリグリと突いたり、撫でたりして攻め立てる。

リーフは身を捩って抵抗するが、ガッチリと拘束しているので意味を成していない。

「こん…っなの、全然…っ痛くないんだから…っ!……ひゃんっ!?」

どうやら地点Tにヒットしたらしい、そこを重点的に攻撃を加えていく。

「ぁ…んっ……くっ……ぅ…っ。」

顔を赤くしながら歯を食いしばり、必死に拘束を解こうと抵抗を強めるリーフ。

当然無駄な抵抗だ。

その隙に足を拘束する触手を動かし、気付かれないよう足を少し開かせる。

新たに触手を生やし、膝、太ももと這わせるとようやく気付いたようだ。

「んんっ…!あ…ン…っ、だ…め…っ…!そこ…はっ!」

上半身への攻撃も続けているので、抗う声は息も絶え絶えになっている。

触手を更に進ませ、下着の中へと潜り込ませる。

「――――――――ッッ!!!い…やっ!!…んっ!ぁ…っ!」

どこにこんな力があったのかと思う程に抵抗を強めるリーフだが、俺も拘束している触手の制御を疎かにはしていない。

潜り込ませた触手を動かし、じっくりと弄っていく。

「やだ……んっ、やだ…やだ…っ…やだやだやだ…!や…んん…っっ!!!」

ビクリと一際大きく身体を跳ねるリーフ。

(…ランデブー地点に到達。おめでとう…俺!)

更に細い触手を生やし、到達場所に総攻撃を行う。

「やああっ…!!あ…っ!ぁ…っ!は…ぁ…っ!ん…っ!」

――ヌルリ。

触手を通して伝わる蜜の感触。

細い触手を増やして蜜を掻き出し、滑りを良くしていく。

滑りが良くなった触手で擦るスピードを上げる。

「ゃあ…っ…だめっ……死ん…じゃ…あ…んっ……やめっ……こ、殺さ…な…んっ…降さ…むぐっ!」

触手を口に突っ込みそれ以上の言葉を続けさせない。

絶望の表情を向けるリーフに笑顔で答え、スパートを掛ける。

「んっ…ぐっ…んっ…んんっ…んんんんん~~~~~~~っ!!」

大きく身体を痙攣させ気をやってしまったリーフを休まず攻めていく。

「……ん……ん…っ……!?ん~~!!」

終わらない攻撃に髪を振り乱して悶えるリーフ。

「んっんっふっんっ…んんんんんん!!―――――ッ!!―――ッ!!」

連続で身体を跳ねさせるリーフを更に容赦なく攻め立てる。

俺の魔力はまだ十分に残っているリーフへのお仕置きはまだまだ続くのだった。


「ぁ……ふぁ………ぁん…っ…。」

たっぷりとリーフを可愛がり、ぐったりとしたところで口を塞いでいた触手を抜いた。

「どう?降参する?」

緩やかに触手を動かしつつリーフに確認する。

「ぁ…っん…こ、…こう…っ……さ…んする……から…っ…やぁ…っめ…て…っ。」

「じゃあ最後に一回イかせてあげるね。」

緩やかにしていた触手の動きを激しくする。

「あっ…や…っ…はぁ…っ…だめ…ダメ……やめっ…ん…っ…ぁ…ぁ…やっ…んんん~~~~~~っ!!」

くてっとなったリーフを地面にそっと横たえる。

色々と酷い事になっているので、魔力を操って”洗浄(クリン)”と同様の処理を施す。

審判であるヒノカの方を振り返ると顔を赤くして呆然としている。

「勝ったよ?」

「あ、ああ…、そうだな。勝負はアリスの勝ちだ。」

ヒノカはリーフに駆け寄り様子を看る。

「大丈夫…なのか?」

「怪我はさせてないから問題ないはずだよ、ただちょっと疲れてるだろうけど。」

「まけ…たのね…。」

「ああ。」

「…そう…………。」

ヒノカの答えを聞くとリーフはそのまま気を失ってしまった。

それを見届けた俺はふぅと一息吐くと同時にぐらりと身体が傾き、膝をつく。

「「「アリス!?」」」

フィーとニーナとフラムも駆け寄り、心配そうに俺を囲む。

「ちょっと魔力を使い過ぎただけだから大丈夫。」

何しろ数十本の触手の生成・維持と制御だ、消費魔力も膨大だっただろう。

だが得られたものも大きい。

触手プレイが可能だということが分かったのだから。

(流石に身内では試せなかったしな…。)

フィーの手を取り立ち上がる。

俺が大丈夫そうだと分かり、ほっと胸を撫で下ろす三人。

「もう、びっくりさせないでよー!」

「ア、リス…大丈…夫?」

「…しんぱい…させないで。」

「うん、ごめんね。」

立ち上がった俺はリーフの傍へ行き、容体を確認する。

(怪我もしてないし、問題無さそうだな。)

まぁ、他の問題は色々とありそうだが…、服は剥いてないし挿入もしてない紳士的陵辱だったから大丈夫だろ、うん。

(触手プレイは良いが消費魔力が欠点だな…、大量の触手運用の効率化が課題ってところか。)

(しかし、これが…「…エロ同人の力…か。」)

倒れているリーフ(戦果)を見て心の中でポツリと呟いた。

「…エロドウジンとは…何だ?」

(あっやべえ、口に出てた!?しかも聞かれてた!?)

あまり元の世界の言葉などは使わないようにしていたが、疲れの所為か無意識に溢してしまったようだ。

今みたいに説明に困るからな…。

「あ~~~、うん。え~~~~~~~っと~~~、…邪教みたいな……もの………かな?」

「邪教だと…!?」

「あ…え…っと~……ちょっと本で読んだのを練習したことがあってね!私が邪教徒とかじゃないデスヨ!?」

「ちょと本で読んで練習…?そんな事が可能なのか…?だが…ということは、アリスは邪神の力を借りた魔法が使えるということなのか?」

「あ、え…?ああ…、うん……そうなる…………のかな?」

「そんな魔法…大丈夫なのか?本当に何とも無いのか?」

火の玉を飛ばしたりするよりよっぽど安全だと思う。

「ああ…、うん、大丈夫。今回使ったのは…え~~~っと……魔力消費が少し多いけど、相手を怪我させずに屈服させる的な?アレだから、うん。大丈夫だよ。」

「そんな事が出来るのか…?いや、だが実際……。これが邪神エロドウジンの力なのか?」

「あ、ぁ~~~………………………………………………うん。」

「なるほどな、とにかく二人とも大事無いようで何よりだ、とりあえず部屋に戻るとしよう。」

そう言ってヒノカはリーフを抱え上げた。

「そ、そうだね!私も疲れちゃったよ!」

何か取り返しのつかない事をしてしまった気がするが気のせいだろう、うん、気のせいだ。


「リーフが目を覚ましたぞ。」

ヒノカの一声に全員がリーフの元へと集まる。

「大丈夫か?問題はないか?」

「…ええ、問題ないわ。……迷惑を掛けたわね。」

そう答えるリーフは萎らしく、最初の威勢はない。

それからしばらく重い沈黙が続いた。

「…学院を辞めるわ。」

「な、何を言ってるんだ、そんな事しなくても…。」

「…最初に決めたでしょう?」

「いや、『何でも言う事を聞く』というのは決めたが…。」

「私が勝てば辞めさせるつもりだったもの…。」

「そ、それは……。うーん…ア、アリス…!」

何とかしろとヒノカが訴える。

「え、え~っと…じゃあまたあの魔法の練習台になってもらっていい?」

「~~~~~~~ッ!」

顔を真っ赤にして俯いてしまうリーフ、ちょっとからかい過ぎたか。

「あ、あはは…冗談だよ、冗談。」

俺はリーフの隣へ移動して座る。

「何でも言う事聞くんだよね?」

手を堅く握ったままコクリと頷くリーフ。

そっとその手を握るとピクリと反応する。

「じゃあ私たちと仲良くして欲しいな。」

「……………何よそれ。」

「そのままの意味だけど…?」

「どうして…私を追い出したりしないの…?」

「最初からそんなつもりなかったんだけど…。」

「私は…そのつもりだった…。」

「うん、でも勝ったのは私だし。」

「な、なに…よ、何なのよ!そんなの…わたしっ…馬鹿みたい…じゃない!」

リーフの頬をポロポロと雫が伝っていく。

「…あいてのつよさを見抜けずにいどんで負けるのはただのバカ。」

「ちょおおおっお姉ちゃんっ!!」

慌ててフィーの口を塞ぐが、「ふんす」と鼻息の荒いフィーは言ってやったとばかりに満足気だ。

まぁでも、俺のために怒ってくれてるんだろうな。

それからしばらくリーフは涙を流し続けた。


「あ、あの…皆さん!」

全員が夕食の席に着き、さあ食べようか、というところでリーフが立ち上がった。

「今日は…その…ご迷惑をお掛けしてごめんなさい。アリスさん、あなたにも酷い事を言いました、ごめんなさい。」

その顔はどこか吹っ切れたようだ。

お風呂に漬かって身も心もサッパリとしたようだ。

(心の洗濯とも言うしな、勧めてよかった。)

「あー…、私も酷い事をしちゃってごめんなさい。」

ペコリと頭を下げる。

「い、いや、あれは試合中の出来事だし…その…できれば……。」

思い出してしまったのか、顔を真っ赤にして俯いてしまう。

いやでも忘れないよ?あんな素晴らしいイベント。

「そ、それとフィーさんもありがとう。」

「…???」

「お姉ちゃん何かしたっけ…?」

「私の事をバカだと教えてくれました。」

「い、いや…何もそこまで…。」

「いえ、あのままだとずっと気付かなかったかも知れません、だから、ありがとう。」

その言葉には皮肉でも何でもなく、感謝の念だけが込められていた。

(ただ単に賢いってだけじゃないみたいだな…。)

だからこそ村の人も送り出したんだろう。

「それから、皆さん。」

リーフは居住まいを正し、頭を下げる。

「これから私と仲良くしてください。よろしくお願いします。」

「おーっし、折角メンバーも揃ったんだし乾杯しよう!」

ニーナが皆のコップにジュースを注いでいく。

「ふむ、そうだな。それからリーフ、これから仲良くするんだ。敬称も敬語もいらない、そうだろうアリス?」

「うん、皆そうだからね。」

「ぁ……うん!」

ここで全員にジュースを注ぎ終えたニーナが口を開く。

「では、リーフから挨拶があります!」

「…ぇ?…ぇ?あ…あの、………皆、これからよろしく!………おねがいします。」

「はいかんぱーーい!」

楽しい夜の時間は更けていく。

これは明日も昼起きになりそうだ。


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