短編のつもりで、長編設定での投稿
ギョウザのまわりにパリパリの薄皮がついたものは『羽根つきギョウザ』と呼ばれます。
鳥がつばさを広げたように見えるから、その名前がつきました。
お正月には『羽根つきギョウザ』を食べると縁起がいいかも?
森の中でツバキの木が赤い花を咲かせている。
小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
二人の間の盆の上にはギョウザが置かれている。
「子狸くん。ギョウザは羽根がうまいな」
「うん。おいしいの。んとね。白猿さん。羽根つきっていると、お正月にも遊びでやるよね。打ち返せなかったら、スミで顔に絵を描くやつ」
「ああ。そっちの羽根つきは羽子板で羽根を打ち合うもので、子供の健康を祈るおまじないの意味があるんだ」
「おまじないだったんだ」
「羽根はわざわいを『はねのける』んだ。顔にスミで落書きするのも、魔除けの効果があるんだ」
「そっか。ただの遊びじゃなかったの」
「もともとは中国から毬杖という遊びが伝わって、日本では平安時代に広まった。これは長いハンマーで木のボールを打つ、ゲートボールのようなものだった。これが変化して羽根つきになったようだ」
「ゲートボールと羽根つきは全然違うと思うの。お正月の歌の二番で、『おいばねついて、あそびましょう』という歌詞があるの。これって羽根つきだよね」
「二人で打ち合うバドミントンのような遊びが『追い羽根』。一人でリフティングする場合は『揚げ羽根』っていうんだぜ」
「ひとりでやる遊びもあったんだ」
「ちなみに。黒い実は無患子という木の種で、こどもが患わない、つまり病気にならないという意味があるんだ」
「あれって、タネだったんだ」
「ムクロジの実を水に溶かすと石鹸がわりになる。昔は衣類の洗濯にも使われていた。異世界転生ものの小説でも、洗剤のない世界でムクロジを紹介するネタで使われることがあるな」




