表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子一人、お湯を沸かすだけの夜  作者: バッシー0822


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/38

眩しさの隣で

研修センターの午前。机を並べて座る同期たちの中で、夢野あかりの笑い声はひときわ明るかった。


若く、可愛い。前向きで、どこかあけすけな言葉も嫌味なく響く。梢は、少しだけ距離をとって隣に座った。視線を合わせるたびに、どこか胸がざわついた。


「介護って、やっぱ体力勝負だと思ってたけど、コツ次第で軽く持ち上げられるんだね〜」


講義の合間に、あかりがそう言って笑う。


確かに研修が進むにつれて、「力任せではない介助」の技術を学び、梢も“自分の身体でもできること”が増えていった。ベッドからの移乗、排泄介助、身体の支持――どれも初めは腰が引けていたが、講師の手本と図解に助けられ、次第に身体に馴染んでいった。


「うまくなってきましたね、雪野さん」と、指導員に言われたとき、梢は少し戸惑ったように笑った。


眩しさに目を細めるような気持ち。あかりの言葉を聞きながら、自分とは違う道を歩んできた若者の“軽さ”を前に、梢は不思議と羨むのではなく、その隣で呼吸することに落ち着きを覚えていた。


年齢も、経験も、歩いてきた道も違う。それでも、同じ技術を習得し、同じ空気を吸って笑い合える時間が、研修室の片隅にあった。


梢は思った。


──どんな人にも、“身につけていける仕事”があるのだと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ