表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女子一人、お湯を沸かすだけの夜  作者: バッシー0822


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/38

変わるということ

父の病室には、いつもの椅子と、窓辺の鉢植え。そして変わらないようで、少しずつ移ろう空の色。


雪野は、仕事を探すことをやめていた。昼過ぎに病院へ向かい、父の話を聞き、病院食の様子に目を配る。その繰り返しの中に、かつて感じた退屈は不思議と消えていた。


「ここで、必要とされている感じがする」


そう思うようになっていた。


ある日、病院のエレベーターで介護スタッフたちが交わす会話が耳に入った。「初任者研修の申し込み、今日までだよ」と。なんとなく、その言葉が心に残った。


帰宅後、ネットで調べた。介護の資格。研修時間と費用。思っていたよりも手が届く範囲にあった。


申し込んだのは、その翌日。


あんなに「人に尽くすこと」に違和を抱いていたのに。あんなに「母の役割」が嫌で仕方なかったのに。


今の雪野には、それが“生きている感触”だった。


フォームに名前を入力しながら、梢はふと息を止めた。


──変わるって、こういうことなんだ。


誰かのためでなく、自分のために選ぶ役割。それが、今の彼女を支えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ