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女子一人、お湯を沸かすだけの夜  作者: バッシー0822


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レトルトの夕食

ごみを片付ける。掃除機をかける。ひととおりやってみると、「面倒」や「大変」といった言葉は、ただ思い込みだった気がする。


床に光が差し、窓辺の影が少しだけ整った。雪野は、静かに手を止めた。


一度片付いてしまえば、何度も繰り返す必要はなかった。少なくとも毎日ではない。そうして余った時間の中で、ふとパスタを買ってみようと思った。


お湯を沸かす。袋を開ける。レトルトのミートソースを、湯せんにかけた。


あっけないほど簡単だった。


フォークを口に運ぶ。一口食べて、冷めた心の奥にじんわり熱が灯る。これは外食の味じゃない。けれど、外食のように整っていた。


台所は少し狭いけれど、“生活している感じ”が、そこにあった。


もう一口、食べようと思った。

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