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女子一人、お湯を沸かすだけの夜  作者: バッシー0822


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生活の崩れかけた輪郭

玄関の鍵を回すと、家の空気が少し変わっているように思えた。


洗濯物が干しっぱなし。新聞が半分畳まれたまま机に残っている。シンクにはコップが二つ。これまできっちり整っていた生活の輪郭が、うっすらとぼやけ始めていた。


「また作り置きか…」


冷蔵庫を開けると、タッパーの中にきれいに盛られた夕食があった。鶏肉とピーマンの炒め物。白米はラップ越しにうっすら曇っている。


雪野はため息をついた。


母が家事をこなせていないことが、苛立ちとなって胸に広がる。病院に行った疲れか、もはや日々のルーティンさえ崩れかけているのが分かる。けれど、その手伝いをしようとは思えない。理由は分からない。ただ、動けない。


「なんで、ちゃんとやらないんだろう」


その言葉を声にせず、心だけでつぶやく。冷たいご飯をレンジにかけることもなく、彼女はソファに腰を下ろした。


テレビをつける。音だけが賑やかだった。


部屋はまだ整っている。でも“何か”がゆっくり崩れている──その気配に、雪野は気づかないふりをした。

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