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 衝撃の大事件。びっくり!!俺っち、恋愛脳!!が起きた日の次の週。月曜の昼頃に案の定、ファンクラブのやつらに教室前で出待ちをされ、食堂へと連行された。ちなみに食事代はファンクラブからのおごりだ。

 それにしても、ファンクラブ連中は授業ちゃんと受けてるんだろうか?チャイム鳴ってすぐに教室に出たはずなのに、もう待機してたんだけど。学園の七不思議の一つだな。チャイムが鳴る前に教室前にいる生徒。

 うん。それただの不良生徒や。不思議も何もなかったわ。


「……はけ。」

「えっ?」

「通訳。土曜、状況、説明。」

「えっ、えっ?」


 今までで一番訳の分からん奴らが登場した。無口キャラ?とよくあるロボット?みたいなキャラだ。なんて言ったらいいんだ?本当に訳わからん。現実でやるものじゃないだろ。漫画でも、若干浮いてるように感じるって言うのに。

 漫画大好きな痛い子たちなんだろうな。うん。そう思うことにしよう。これが素とか言われても、反応に困るし。


「……ちっ。」

「通訳。はよ。」

「な、何なんだよ。こいつら。」

「ふふふ。そいつらはファンクラブの一員。No.23冥黙の騎士とNo.25心情光学撮影機だ。無口な大男と通訳係の二人セットだ。」


 せ、生徒会長。意味の分からんことはやめてくれ。前から思っていたけど、頭がいかれてんじゃないのか?愛理さん関連になるとポンコツ化するみたいな呪いでも、かかっているんですかねぇ?

 もしくはこれが素という奴なのかもしれないけど、素があれな生徒会長なんて嫌だぜ。


「生徒会長。黙ってるのしんどいんで喋っていいですか?だいたい、黙っている意味なんてないじゃないですか。聞きたいことがあるなら、本人に質問をぶつけた方が早いですし、こんなの効率が悪すぎてやってられないですよ。全く、生徒会長には困ったものです。俺の口を閉ざさせたら、何が残るって言うんですか?はぁ~、悲しいですよ。」

「うるさい黙れ。お前の感情なんてくそほどどうでもいいわ。なんで、あんたの心情なんて代弁しなくちゃならないの?鬱陶しい。」

「あっ、こらこら。二人ともキャラ付けは大事だよ。」


 キャラ付け必要ないだろ。尋常じゃないおしゃべりに、口調の汚いちっこいロリっ娘。うん。十分にキャラ立ってるよ。わざわざキャラ立てしなくても通用するじゃないか。何故に無駄なキャラをつけようとする?

 まぁ、生徒会長の指示以外に他はないだろう。しかし、なぜ生徒会長はそんな指示をしたんだ?本当に訳わからない人だな。


「……すまん。」

「通訳。謝罪、反省。」

「ははは。愉快な二人だろう?」

「ええ。そうですね。一番愉快なのは生徒会長ですけどね。」

「あはははは。言うねぇ。」

「何やってるんですか。Noとか言って遊んでるんじゃないですよ。それで用件は何ですか?」


 この人は何なんだ?前はもっと真面目そうじゃなかったか?いや、でも刺客を選ぶセンスとか、前からこんな感じだったかもな。一番痛い子は生徒会長だったか。えー、うちの学校の生徒会長はこんなに痛かったのか。……嫌だなぁ。




「あっ、二人は下がっていいよ。会話しづらいからね。」

「……。」

「通訳。不服、不服、不服。」

「じゃあ茶番は置いといて、本題に入ろうか。」

「茶番って。ええ?」


 ちゃ、茶番って言いきりやがった。指示した奴が茶番とか言い出したら、指示に従った二人の立場がないじゃないか。……。指示に従った時点で同罪か。うん。もういいや。考えても仕方ないな。


「土曜日、姫路さんと遊園地に行って来たみたいだね?」

「ああ。はい。でも、春馬に杏里も一緒ですよ。」

「でも、名前呼びに変わったとか?姫路さんと二人で回ったとか?」

「それは春馬のことでは?」


 ははは(乾いた笑み)。愛理さんとのことは絶対に話さないぞ。自分の醜態を晒す高等な趣味は俺にはないからな。あれは完全に抹消したい記憶だからな。出来るのなら、過去に戻って自分をぶん殴ってやりたいくらいだ。


「ほほう。確かに神崎春馬とは観覧車にも二人で乗ったみたいだね。」

「いや~、そうなんですよ。ばれてしまっていたとは、恥ずかしいなぁ。」

「……。」

「……。」


 話したくないんだよ。というか、絶対話さないし。そんなに見つめられても、話さないったら、話さないぞ。これだけは絶対に嫌なんだ。

それに見つめてくるんじゃないよ。無駄にキラキラして、純粋そうな目をしているから何といったらいいか……気持ち悪い。うん、気持ち悪いな。気持ち悪い。


「まぁ、いいでしょう。今回は勘弁しようじゃないか。どうしても話したくないみたいだしね。」

「ちゃんと話したじゃないですか。」

「そうだね。神崎春馬とは仲良くなれたみたいでよかったよ。」

「あはは。ありがとうございます。」


 そういうことで納得してくれたようだ。よかった、よかった。このまま突っ込まれても、話す気は絶対なかったけど、長引くのは嫌だからな。いずれぼろを出すかもしれないしな。それは嫌だから。


「ここらで退散させてもらおうかな。では、ご馳走様。」

「ごちそうさま。」




「……愛理とは楽しかったか?」

「えっ?……はい。」


 ようやく、生徒会長との会話も終わり、一息ついたところで突然、生徒会長の隣に座っていった男が口を開き、質問してきた。一回目の時にも生徒会長の横にいた男だ。確か、あの時は一言も聞いていない気がする。

 しかし、愛理さんとは楽しかったか?というのは意味が分からないな。この男は愛理さんのなんなんだろうか?親しかったりするとか?ま、考えても仕方ないか。


「そうか。ならいい。」

「えっと?」

「……。」

「ええ?」


誰だったんだ?名前も名乗らず去っていったから、よく分からん。最終的に何をしたかったのかも分からないし、何なんだろうか?うーん、不思議だなぁ。


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