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バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜  作者: ぴいたん
2ケルベロスの咆哮
7/82

3黒いローブの男

 満腹になった二人はふわふわした足取りで、町の外へと向かった。

「さっきの美味しかったわね」

「ハッダッ! か?」

「そう、ホットドッグっていうのね」

「玉ねぎとピクルス、そしてマスタードをかけて食べるのがオススメだが、ヒナはケチャップだけで十分だったな」

 ヒナはうなずきながら「辛いのは食べれないわ」なんて言ってムートに笑顔を戻した。ムートが笑顔になると、ヒナも笑顔になる。ヒナの心はぽかぽかする感じがした。

「おーい! 危ねえぞ!」

 声の方へムートは振り返る。それを見てギョッとしたムートはヒナを抱えて道のはじへ跳び退く。

「テメエ! 危ねえじゃねえか!」

 それは随分急いでいたのか? 馬車が猛スピードで町を出て行っていた。

 馬車に怒鳴りつけたムートは舌打ちする。そして、そこでようやくヒナの異変に気づいた。

「ヒナ?」

 青い顔をして震えているのだ。

「貧乏ゆすりか? ってボケている場合じゃなさそうだな」

「だ、大丈夫。大丈夫よ。でも、今の馬車……すごく邪悪な感じがしたわ」

「休憩するか?」とのムートの言葉だったが、ヒナは丁重に断った。

「ムートの旅は急ぎでしょ? こんなところで立ち止まる時間はないわ」

 するとムートはヒナを背負い、町を出ていった。


 ヒナを背負い二十分ほど歩いただろうか? ゆっくりだが確実にヤツに近づいている。ムートはそう信じていた。

 そしてヒナは何かに気づく。

「ムート、草の陰に隠れて!」

「な、なんだよ」

「はやく!」

 ヒナの有無を言わさぬ感じに驚きつつも従った。

「ったく、なんだよ」

 ヒナはムートに黙るようジェスチャーで伝えた。

 黒いローブの男が一人ゆっくりと歩いてきたのだ。袖口と手袋の間から見える青い肌の色からしておそらく魔族だろう。

「まったく、陛下も人使いが荒い」

 そして、何か呪文を唱えた。

「まあいいさ、コレは私の娯楽も兼ねている。さあ来いそして行くがいい」

 黒いローブの男は魔法陣を十歩先に生み出し、その中から数十体にも及ぶモンスターの群れを召喚したのだった。

「さあ行け! ソニアの町を焼き払え!」

 モンスターの群れは黒いローブの男の命令通り、ソニアの町へと向かって行った。

「さて、私も帰るとするか」

 黒いローブの男は、魔法を唱えるとどこかへ消えていった。

「なんだアイツは……って、ヒナ!」

 震えが止まらない様子のヒナの肩をムートは抱く。

「も、もう行ったかしら?」

「ああ、大丈夫だ。すぐここから離れよう」

 するとヒナは「ダメよ」と立ちあがろうとする。

「ムートならソニアの町を助けられるわ」

「バカ、そんなことしてなんの意味が……」

 ムートの唇にヒナは人差し指を立てる。

「ムートがいかないならわたしがいくわ。だって、人の命は助けないといけないから」

 ヒナは「助けることに理由はいらないわ」と続ける。ムートは思わず苦虫を噛み潰したような顔をする。

「アマレみたいなこと言いやがって……わかったよ、だが一度だけだぞ!」

 ムートは筒を取り出すと叫んだ。

「出ろ! ライトニングブレイブ!」

 すると筒の先から、青と白でカラーリングされたエクスアーマー「ライトニングブレイブ」が現れた。

「さあ、ヒナも一緒に乗れ」

 ムートの「グズグズするな!」との一喝を聞いて、ヒナは頭を縦に振ると、ムートとともにライトニングブレイブに搭乗した。

「狭いわね」

「一人用だからな。ほら、シートの後ろへ行って」

 ムートはヒナが座席の後ろに行ったのを確認すると、ライトニングブレイブを走らせた。

はじめての人も違う人もこんにちは作者のぴいたんです

「バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜」

読んでみていかがだったでしょうか?

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これからも楽しい小説を上げていきますのでよろしくお願いします!

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