表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜  作者: ぴいたん
2ケルベロスの咆哮
6/82

2エクスアーマー補給センター

「ソニアの町、近くで採取できる魔導水晶のおかげで繁栄している」ヒナは持っていたハンドブックに書いてあることを読み上げつつ、ムートの後について行く。

 差し当たって、ムートがしなくてはならないのは、エクスアーマーの補給だ。

 しばらく補給を行っていなかった上、アムルの町で戦闘まで行った。エネルギーはカツカツだった。

「燃費が悪いのが問題だよなあ」

 なんて言いながら、エクスアーマーの補給センターを見つけたムートはセンター内に入っていく。

 大きめな町なら結構ある補給センターだが、このソニアの町にもあって、ムートはちょっとホッとした。

 カウンターには受付のお姉さんが立っていた。

「いらっしゃい。ソニア補給センターへようこそ」

 ムートはカウンターによじのぼり、ライトニングブレイブが入った筒を渡す。

「頼むよ」

「はい。少々お待ちを」

 お姉さんは筒を機械にセットし、カバーをかけてボタンを押す。

「ペンペンペロリン」

 なんて機械は音を立てると、補給は完了したらしい。

「はい、またのお越しをお待ちしています!」

 渡された筒をしまい、ムートはセンターを出ようとする。

「随分はやいものなのね」

「こんなもんさ。ってか、まだついてくるのな」

 ヒナが「そうね」なんて言おうとしたところで、二人に話しかけた人影があった。

「色気づいたガキがこんなところで何してんだよ」

「ヒャハハ。ガキは帰って勉強でもしてるんだな」

 チンピラだった。これ以上ないほどのチンピラだった。

 ビビり上がっているヒナは、ムートの後ろへ隠れる。

「ったくよ……。オレたち忙しいんだ。また今度な」

 手をヒラヒラさせながら振り返り、外へ出ようとするムートに、チンピラは蹴りを入れた。

「ッテェな! 何しやがる!」

 蹴られたムートに駆けつけようとするヒナの手を、チンピラは掴んだ。

「痛い! 離して!」

「よっしゃ! 美幼女ゲットー!」

「ヒャッハー! お兄ちゃんたちといいことしようぜー!」

「大人のおはじきとか、大人のあやとりとかよぉ」

 ムートは一瞬だけ考えた。あえてこのままヒナを連れ拐わせようかと。面倒ごとはもうこれ以上ゴメンだ。そう考えていたのもある。しかし……!

「ぶべら!」

 跳び上がったムートの拳が、ヒナを掴んでいるチンピラの顔面に埋まっていた。

「ヒャハハハ、顔に拳が埋まっている!」

 そしてチンピラは腰のナイフに手をかける。しかし振り返ったムートの顔を見て思いとどまった。

「おいおい怒るなよ。ただの遊びじゃねえかよ……ヒャハハ」

 次の瞬間ムートの蹴りがチンピラの胴鎧に刺さる。

「効かねえなあろぱるぱ!」

 吹っ飛んだチンピラは、最後まで言えずに壁に埋まっていた。

「フン」

 ムートは何にか知らないが、結構な勢いで怒っていた。

「ごめんなさいムート」

「おいヒナ」

「はい」

「そういう時は、「ありがとう」ってんだ」

 ヒナはたんぽぽのような素朴な笑顔を浮かべ、「ありがとう」を言った。

 それだけ聞くと、ムートはセンターを後にした。

 ムートは考える。「これでよかったんだよな? そうだよなアマレ」なんて考えながら、トボトボと歩く。

「ムート?」

「なんだ?」

「とってもさみしそうな顔をしていたから」

 ムートは顔を両手で二度叩くと、普段の顔に戻してヒナにもう一度むく。

「戻ったか?」

 ヒナは少しだけ考え、「そうね」と答える。

「さあ行こうぜ」

 ムートは食料や水の補給も済ませるため、市場へ少し行って買い物を済ませる。

「よし、この町での案件終了だ」

「情報収集はいいの?」

 ムートは手を叩いてからヒナに言う。

「冴えてる」

 しかしソニアの町でもあまり有益な情報は集まらず、ムートとヒナは結局町を出ることにした。

はじめての人も違う人もこんにちは作者のぴいたんです

「バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜」

読んでみていかがだったでしょうか?

面白い! 続きが読みたい!

そう思われた方はぜひブックマークと↓に行ってもらって、星5つの高評価お願いします!

これからも楽しい小説を上げていきますのでよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ