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バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜  作者: ぴいたん
2ケルベロスの咆哮
5/82

1平原ゴブリンとの戦い

「自分で歩く」とは言ったものの、やはりヒナには難しかったようだ。

 眠気に勝てず、ムートの背中で寝息を立てている。

 しかしムートは文句を垂れることもなかった。それよりは、一刻も早くアムルの町を離れる。それしか頭になかった。

「どうしてこう人間ってのは面倒なんだ」

 そう思うムートではあったものの、自らの眠気を抑えるのにもまた必死だった。

 止まって休憩したら寝る。寝たらきっとアムルの町のヤツに見つかる。そうなると面倒だった。

 担ぎ上げられ、「勇者だ! 英雄だ!」と褒め称え、その後「あの強かった野盗以上の力を持つ悪魔」として扱われる。目に見えていた。

 ムートは舌打ちし、明けの空を見上げる。

 今日の天気は晴れ。雲一つない。おかげでドワーフのいる北方山脈が夜明けの太陽を受けているところまで見える。

「綺麗だな。アマレ」

 隣を見る。しかしそこには誰もいない。当然だ。ここにいるのはムートとヒナ。アマレはもういないのだ。

 いつも一緒にいた。

 でも今はいない。

 それはとても悲しいことだ。

 自ら出したネガティブフォースに負けそうになるも、ムートはひたすら歩き続ける。

 何かの気配を感じたムートは、ヒナをそこにあった岩影におろし、剣を抜く。

「グゲゲ」

 現れたのは平原に住む、平原ゴブリンだった。棍棒を持った二匹の平原ゴブリンだ。もしかしたら三匹目がいるかもしれない。よく耳をそばだてて周囲を警戒するも、それはなさそうだった。

 ならば目の前で鼓舞の踊りを踊っている二匹を斬ればいい。

 ムートは剣を構える。

「さあ、来いよ!」

 すると一匹の平原ゴブリンがムートを襲う!

 後ろにいるヤツはアニキ分なのだろうか? 両手を組んでふんぞりかえっている。

 上段からの棍棒の一撃をムートは楽々かわし、そのスピードのまま背後に回る。そして背後から一撃を喰らわせた!

「グギャグギャゴー」

 断末魔らしき声を上げ、平原ゴブリンを一匹倒した。

「さあ、お前はどうする?」

 剣に付着した平原ゴブリンの血を払いながら、ムートはあえて聞く。

 踏ん反り返っていた平原ゴブリンは、棍棒を捨て背後から剣を取り出した。それはひどく錆びついた剣で、とてもじゃないが斬れそうになかった。しかし得意げに持っている。おそらく、ヤツの中では「伝説クラスの名剣」なのだろう。

「グギャッグギャッ!」

「まあ何言っているかわからねえけど、来ねえんならこっちから行くぞ!」

 ムートは駆ける。そして上段からの一撃を平原ゴブリンに叩きつける。

「フッ」

 とでも言いたげな余裕の表情で、平原ゴブリンはムートの剣を錆びた剣で防御する。

 平原ゴブリンの錆びた剣は、ムートの剣を防御しそのままムートを一刀両断! できるわけもなく。ムートの一撃によって、剣共々頭から真っ二つにされた。

 付着した血を払い、ムートは剣を鞘にしまった。

 ムートはつくづく思う「最近、モンスターが多いな」やはりあの魔剣士の仕業なのだろうか? まあなんでもいい。ヤツはムートが自身の手で殺す。そう決めているのだ。だから、モンスターが増えようが、なんだろうが、必ずヤツは殺す。

 決意を新たにしたところでムートはヒナを背負い直し、次の町へと道を急いだ。

「ん……」

「お、起きたか?」

「おはようムート。あら、ごめんなさい」

「ごめんなさいとか言う割に、降りようとしないんだな」

 ヒナはクスクスと笑いながら「そうね」と降りようとしない。

「ったく、女ってヤツはどうしてこう……」

 ブツクサ言いながらもムートは歩く。

 しばらくしてヒナはムートの背中から降り、二人で街道を歩いた。

 そして昼前ほどの時間には次の町、「ソニアの町」に辿り着いたのだった。

はじめての人も違う人もこんにちは作者のぴいたんです

「バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜」

読んでみていかがだったでしょうか?

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そう思われた方はぜひブックマークと↓に行ってもらって、星5つの高評価お願いします!

これからも楽しい小説を上げていきますのでよろしくお願いします!

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