4エクスアーマー
馬の全速力と同程度の速度で、頭の機体がムートに襲いかかる。
「俺のエクスアーマー、ザルトを見たヤツはみんな、みんな死ぬんだよ!」
笑いながら襲いくるザルトの拳をムートはヒナを抱き抱えながら避ける。
「ヒナ、安全なところに隠れてろ」
と、ムートは物陰でヒナをおろし、再び頭のエクスアーマー「ザルト」の前に現れた。
頭は巨大なハンドアックスを取り出しながらゆっくりとムートの方へと進んでくる。
「俺がみんな殺すからなあ!」
ムートは振り下ろされた、巨大なハンドアックスをかわす。
そして、ムートは剣をしまう。
「諦めたかァ。いい子だなァ!」
「お前、エクスアーマーの乗り手、エクスナイトだったか」
「知らねえよ。俺はただ奪ったまでだ」
ムートは「そうかい」と納得する。
「まあそんなところだろうな。でも、こんな気持ちを味わえるなら悪くない。エクスナイトも悪くないな」
ムートはザルトから間合いをとり、腰の皮袋から円筒形の何かを取り出す。
「出ろ! ライトニングブレイブ!」
円筒形のそれから飛び出したのは、それは!
「貴様もエクスアーマー乗りか」
ムートもエクスアーマーに乗り込んだのだった!
青と白でカラーリングされたその機体は、繰り出されたザルトのハンドアックスを、手にした剣で受け止める。
「く、クソォ!」
「お前に勝機は、ない!」
そう言われたザルトのハンドアックスによる連打をライトニングブレイブは次々かわしていく。
「あ、当たらねえ!」
ライトニングブレイブは剣をザルトの腕へと滑らせ、ハンドアックスを持つ腕ごと切り飛ばした。
そして返す刃でもう片方の腕を切り落とし、逃走すら不可能にするため、両の足をも切り落とした。
そして頭のいる胴部に向け、剣を突きつけた。
「最後に聞く。黒い鎧を身につけた魔剣士をお前は知らないか?」
「ま、魔剣士なんかみんな黒い鎧だろ! ううわあああああ! ザルトに剣を刺すな! オーラを纏った剣? 知らねえ、俺は知らねえ知らねえ知らねえよぉ!」
「そうか……」
「だ、だから命だけは助け……助けてェ!」
頭は町の人々に引きずり出されていた。
ムートはライトニングブレイブを元の円筒形の中に戻した。
「ムート」
「よう、ヒナ生きてたみたいだな」
「ありがとう助かったわ」
「すぐに町を出るぞ」
「わかったわ」
そして二人はアムルの町を出たのだった。
それは歓迎されるのが面倒だからではない。自らの命を守るためだった。
人間は英雄を称えた後、恐れる。それをムートもヒナも知っていたからだった。
時は夜を過ぎ、朝になろうとしていた。
はじめての人も違う人もこんにちは作者のぴいたんです
「バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜」
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