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バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜  作者: ぴいたん
1章夜明けの剣士
3/82

3お縄ちょうだいのムートとヒナ

 ロープでぐるぐる巻きにされたままのムートとヒナは、詰所で夜を迎えていた。

「ん? あー、まだ夜か……もう一眠り……」

 なんてムートが寝ようとしていた矢先だった。

 外が騒がしくなったのだ。

「なんだ? 祭りか?」

 しかし漂っているのは戦場の空気感だった。悲鳴や泣き声なんかが聞こえてくるのだった。

「ワイルドバンチとか言ったか。攻めてきたのかな?」

 このままここにいると、面倒臭いことになりそうだ。そう判断したムートは、脱出することにした。

「おい、ヒナ、起きろよ」

 ロープを力任せに引きちぎったムートは、ヒナを捕らえているロープを解き、優しく起こしたのだった。

「おはよう……って、まだ夜ね」

「そうだ」

「あらムート。ここはどこ? わたしは誰?」

「ここは兵士の詰所で、お前はヒナだ」

「そうだったわね」

「脱出するぞ」

「そうね。外も騒がしいし。止まっているわけにはいかないものね」

 ムートは「ああ」と返事をする。珍しく意見があったところで、ムートは剣を引き抜く。そして鉄格子を軽く斬り捨てたのだった。

「よし、いくぞ。暗視魔法使えるか? よし、いいぞ。じゃあ出ていくぞ」

 ワイルドバンチが来ていたおかげか、兵士たちは総出で戦っている様子だった。

 ムートとヒナは兵士の詰所を抜け出した。

 そして二人の目の前に広がっていたのは、町が火の海に沈もうとしているところだった。

「ヒャッハー、燃やせ燃やせ!」

「汚物は消毒だー!」

 調子に乗ったワイルドバンチのメンバーどもが、町に火をつけたらしい。

「ムート」

「ああ、逃げるぞ」

 それはヒナの選択肢には無かったようだ。

「助けなきゃ。アムルの町の人を」

「バカ! お前! 何言って……」

 そう言うムートを振り切って、ヒナは駆け出した。

「勝手にしろ!」

 そしてムートはヒナと別れ行動する。いや、しようとした。

 歩き始めたムートの頭に顔が浮かんだのだ。

「アマレ、オレは……」

 ムートはヒナの方へと駆けていった。


「おい、何匹潰した?」

「コイツで、十匹目だ!」

 場上にいたワイルドバンチのメンバーは、倒れた兵士にボウガンを向ける。

「待って!」

 ワイルドバンチのメンバーは、「ん?」と、ヒナに顔を向ける。

「狙いはわたしでしょ?」

 ボウガンを向けていたワイルドバンチのメンバーはヒナに気づくと、兵士に向けボウガンの矢を放った上で笛を吹いた。

「いたぞー!」

 そんな大きな声とともに、ゾロゾロと他のメンバー達が集まってきた。

「ようお嬢さん」

 その若い馬車の上で立っている男はワイルドバンチの頭だった。一見すると、頭とはとても思えない優男だった。

「また会ったな」

「狙いはわたしなのよね?」

 頭は顎でメンバーに「捕まえろ」と、指示を出す。

「さあお嬢さん。こちらへ」

「離して。わたし一人で行けるわ!」

 ヒナは恭しくお辞儀する頭を睨みつけながら、歩き出そうとした。

「え?」

 ヒナを捕まえていたメンバーの胸から、剣が生えてくる。

 そしてそのメンバーは頭上まで剣で切り裂かれた。

 宙返りして登場したのはヤツだった。

「プルス族の剣士ムート、参上……ってな」

「頭! 気をつけてください。ソイツ、ナリはガキですが、斧を素手で潰す力を持っています」

 頭は「へえ」と感心する。

「すごいじゃないか」

 ムートは剣に付着した血を払う。その背後にヒナがピッタリとつく。

「もう大丈夫だ」

「ムート……」

「だが、お前に勝機はない。何故なら」

 馬車のホロが外される。

「鎧に乗った俺は無敵だからだ」

 頭は背後のそれに乗る。そして起動させた。

「頭が鎧を出すぞ!」

「逃げろ! 巻き込まれるぞ!」

 荷馬車を破壊して出てきたのは、エクスアーマーと呼ばれる魔力で動かす鎧だった。

 二階建ての建物ほどの大きさの、薄汚れたモスグリーンの人型機体がムートに襲いかかる!

はじめての人も違う人もこんにちは作者のぴいたんです

「バーサクスプーン〜みなしご幼女と二人旅〜」

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これからも楽しい小説を上げていきますのでよろしくお願いします!

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