規格外の金持ちと規格外の異世界の神3
レンの見たところ、最初ホテルリザイアは、地下にある隠れ家的な闇のホテルと言った印象だった。
しかし実態は違っていた。都心から多少なり離れた港近くにある隠れた裏の街って感じだったのだ。
(欲望にまみれた闇の街だな………)
レンにとって、馴染み深い場所である。
(いや吸っていた空気まで同じとはね)
懐かしい悪の香りを嗅いだ気がした。
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普通の高級ホテルなら、最上階か、その二つ下にオーナーの部屋は作られる。しかし地下に作られる場合は、少し趣は違っていた。
エレベーターの地下四階、嫌われる階にわざとらしく、オーナーの部屋は造られていた。
一見。業務用の控え室か、物置にしか見えないのだが、その扉がある細い通路は、無数の監視カメラ、床には重量計があって個人の持ち物をスキャンする。特殊な機械が、壁の中に埋め込まれる厳重さだ。
警備係の一人が、扉を、何度か符号のように叩き、扉の中からは答えるように。何度か扉を叩き返してきた。
ようやく扉の鍵が開いた。
英語『一応言っておく。オーナーが話せと言うまで、オーナーの求めに答えよ』
扉が開き、民族衣装を着ていた男が出てきて、レンをいちべつして、それだけを言ったら。さっさと中に戻っていった。
オーナー・アラビア語『入るがよい』
まだ若い男の声がした。
警備係が扉を開き、促されるまま部屋に入った。
続いて、商品なる宝石箱を保安の二人が入り。真っ白い猛獣、猫科動物を左右に侍らせた精悍な顔立ちの成年が、胡座をかいていた。
部屋はかなり広く、レンが東京都内に借りているマンションの一階をぶち抜いた広さと言えば想像しやすいか?、
その広さの一室。一段上に王座のようなでかく大きな特注の椅子が置いてあり、オーナーが座っていた。
ゆったりしたシルクで作られた服だからか、滑らかな光沢とキャラメルのような甘い香りが、微かに漂う。
英語『……香木か、そこそこの品だな』
囁くような呟きに、オーナーの目が射ぬくようにレンを見据えた。
英語『宝石商と聞いたが、香木も扱うのか?』
英語『はい扱っております』
英語『今用意が出来るか?』
英語『承知しました』
宝石箱の置かれた一枚の大理石テーブル、レンが手を翳すと【収納】に入っていった。
アースガルドでも高級な、魔香木を含む幾つかを並べてく。
オーナー・英語『ほ~う、それが魔法か、ラミシア確かめよ』
側に控えていた。やや浅黒い肌が、僅かに覗く女性だと分かる侍女が、音もなく歩いてきた。
恐らくかなりの腕を秘めた。護衛兼愛人は、小さな青磁の香炉をもって此方を伺う。
英語『好きにお使いを。それは見本です』
ピクリ、オーナーの顔に驚きが浮かび。ラミシアの目が大きく開いた。
控えていた警備係が息を飲み、保安の二人は疲れた顔をしていた。
ラミシアと呼ばれた侍女が、香木を香炉に入れて香りを確かめてく。
何度か香炉を変えたりしたが、ほんのり目元が和らいでいた。
オーナーに向かい深く一礼した。
オーナー・英語『ほ~う最上品か、なかなかの目利きだな』
レンも深く一礼した。これにはオーナーの顔に初めて興味が浮かぶ。
オーナー『小ぶりの宝石箱の品は、後宮の女たちに全部買おう、大きいのからラミシア一つそなたに、一つは兄に、一つは母に贈る選んでおけ』
ラミシアの気配が変わった。女の子特有のうきうきした気配を感じた。
オーナー『支配人から聞いておる。魔法のアイテム、魔法の宝飾品の用意があるとか?』
レンは頷き、保安の二人に目配せを送る。
だいぶ馴れていた保安の二人が、六芒星の描かれた宝石箱を開いた。
オーナー『アスラム持って参れ』
民族衣装に身に纏う。大柄の威情夫、オーナーの護衛隊長だと当たりを付けた。
オーナー『ほ~う、なるほどな、何やらの力を感じる、どうだサリー?』
魔力の揺らめきを感知した。事象と風の下級邪神【バーブラ】のギフト【魔力感知】にこの部屋に後一人が、護衛の魔法使いが居るようだ。
『アラビア語を覚えました』
サリー・アラビア語『確かに魔法の宝飾品とアイテムです?!』
オーナー・アラビア語『ほ~う本物か、で品としてはどうだ?』
黒い布で顔を隠しているが、背丈、声音から若い魔女だと感じた。
サリー『なかなか目にかかれない上級品でございます』
オーナーはおうように頷き、チラリレンをみた。
オーナー・英語『逸品、オーダーメイド、強い力の品はあるのか?』
レン『あります』
保安二人に目配せして、大理石のテーブルに、幾つかを並べてく。
レン『取り扱い出来る者が必要です』
恭しく一礼したレンの【魔力感知】に動揺した揺らめきを感知した。
サリー『これは……………』
動揺したサリーの声音から、オーナーはかなりの逸品だと理解する。
オーナー・アラビア語『ばあ様、頼めるか』
ばあ様『やれやれ此ほどの力のある品を所持しておるとはな。驚きじゃの………』
影が広がり、歳をへた老婆らしき魔女が現れた。
オーナー『こればかりは、聞かねばならぬだろう、そちらの品の説明をせよ』
レンは一礼して、まずはと近寄ってきた。サリー、老婆の二人に一対の指輪と腕輪のセットを見せた。
レン『その昔、永遠の命を望む王がおりました。王は賢者を招き、多額の金を投じて、魔法か魔法の品を使って永遠の命を再現させようとしました』
一見。多少は工芸品に見えるただの手のひらに入る杖だが、対になる指輪、腕輪こそが、ダメージの変わり身。
レン『その賢者の研究で莫大な金を湯水なごとく使う王を暗殺すべきと、他の王族が命じました』
はてさて今の話に指輪、腕輪の説明がどう繋がるか、老婆が怪訝な顔をした。
レン『代償の指輪とあたえの腕輪です。賢者は王にあたえの腕輪を、王の奴隷に代償の指輪を着けさせておりました。故に王は助かり、奴隷だけが死にました』
ようやく老婆は理解した。と同時に素早く計算を入れる。
老婆『指輪は幾つ用意が出来るんだい』
レンは無言で、指輪、腕輪が入っていた専用の箱を開いた。
老婆『殿下』
ニンマリ笑った気配がした。
オーナー『買おう』
おうように頷いた。
レン『ある王族は、常に暗殺者に怯えていました』
購入リスト一覧
◇代償の指輪×12
◇あたえの腕輪×2
14億2000万
◇防毒のピアス
1億3000万
◇障壁の指輪
1億2000万
宝石箱小
4億
ブルーダイヤ大
56億
ダイヤ中
8億
ルビー大
5億
魔法のアクセサリー×21
21億
レン『これだけ購入していただけるのなら。100億でいかがでしょうか』
オーナー『ほ~う、随分とまけてくれるの?』
レン『はい支払いは現金化でなく、カードで貰っても構いません』
なるほどと使っていない銀行のカードを与える位なら別に構わない話だ。それに顔繋ぎとしても忘れられない取り引きであった。
悪くない。
オーナー『良かろうアスラム』
恭しく一礼したアスラムは、何処かに消えてしばらくすると戻ってきた。
オーナー『オーストラリアのバンクのカードした』
アスラムはカードを専用の端末を使ってスキャンさせてから、口座の氏名、残高を見せた。
レン『確かに確認致しました』
オーナー『』
この物語はフィクションです。
物語中に出てきた五王とは、陰陽の五行、それぞれを司る王のことです。
火、水、木、金、土
これに男と太陽を意味する日
夜と女を意味する月
これが七星七曜、カレンダーの語源とか言われてますが、史実は分かりません。
カレンダーは
五王、七星、九曜が元になった可能性が高いそうで。それぞれ魔術、方位学を合わさった陰陽の法が付与されてるとか、真実味なんてあるとも思えませんが、考えるのは楽しいですね。
七星は天使を意味します。七天ですね。
九曜の曜は妖、妖精とか妖怪とか元は、神々の使い、動物が従属した物が変化したそうで、龍、虎、鼠を外した動物とも言われてますね。
元は12支からで、龍は神に選ばれ空に、虎は神獣に選ばれ大陸に渡り、鼠は仙人になって蓬莱に渡ったから外されてます。
これらも本当かは、分かりません、
また物語で背徳の魔王でした。